ノーベル物理学賞の受賞が決定した益川敏英先生が語った言葉です。
益川先生は、「『九条の会』のアピールを広げる科学者・研究者の会」の呼びかけ人の一人だそうです。
詳しいことは、いろいろなメディアで紹介されいているから、ここで改めて紹介することはしないでおきたいと思います。
3人の日本人物理学者がノーベル物理学賞を受賞したことについて、その対象となった研究は、何十年も前のものでした。
彼らの携わったのは理論物理学だから、その証明には科学技術の発展を待たなければならず、そのことも受賞が遅れた原因だったのかもしれません。
でも、やはり基礎研究に光があたったことは、とてもよかったことだと思います。
今の日本の大学や研究所では、業績評価によって、とても短期間で出る結果を求められています。
通常、1年や3年といった単位です。
だから、どうしても実験室で細胞や物質、遺伝子を相手にする研究がもてはやされて、時間がかかったり、手間暇のかかったりする研究がおろそかになります。
そのことは、実は冒頭に出てきたような、人間としての成長をも妨げるのではないかと私は思うのです。
お金になる研究、すぐに結果の出る研究だけが評価されていけば、研究のための研究をする人ばかりが増えて、研究者の心はすさんでいくのではないかと思うのです。
出てきた業績は全部自分のもので、業績があげられずに落ちていく人など気になどしていられない空気。
社会貢献など考えても、自分に対する評価にはならないという空気。
こういう空気が充満した所では、人間形成など望めないのではないかと心配になります。
ノーベル賞受賞をただ祝うのではなく、日本の研究環境について、もっと議論すべきではないか、と私は思います。
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