2008.07.07 12:41 |  診療  |  仕事 / 職場  |  その他(医療関連)  |  三毛猫  | 推薦数 : 1

食パンの味

自慢じゃありませんが、私は入院経験が豊富です。

 

点滴だけですんだこともあれば、

手術を受けたこともあるし、

しんどい検査が続いたときもありました。

 

たいてい、入院してすぐは絶食でした。

具合が悪くて食欲も出ない時期はいいのですが、だんだん元気になってくると、食事時に他の患者さんが食事をするのを横目に、じっと耐えなければならないのは、がまんのいることでした。

 

やっと絶食がとかれて食事が出ても、最初は重湯からで、味気のないものが続きます。

主治医が回診に来るたびに、

「先生、普通のごはんが食べたいわ。」

とお願いします。

「まだ、早いわ。」

 

「先生、普通のごはんが食べたいわ。」

しつこくお願いした結果、

「ほな、普通食にしよか。」

「やった~!」

 

夕食からは、ふつうのごはんや…

心の中は白いごはんでいっぱいになり、夕食の時間が待ち遠しいこと。

そして…

運ばれてきた夕食を見て、がっかり。

やっぱりお粥です。

 

そう、忙しい医師にとって、患者さんの食事の内容は優先順位が低いのです。

だから、よくオーダーを忘れられてしまうのです。

厨房もすぐ準備はできないので、少し余裕をもってオーダーしないと、何食もあとからの変更になってしまいます。

 

泣きたい気持ちになりながら、お粥をすするしかありません。

 

ようやく常食に格上げになったころ、検査のために朝食がとれないことがあります。

常食の朝ごはんは、たいていパン食。

私は特に、生の食パンに、ジャムとかマーガリンをぬって食べるのが好きでした。

だから、検査で朝ごはんぬきになっても、とりあえず検査が終わってから食べるつもりで、朝ごはんを取っておくのです。

 

ところが、検査は外来患者さんが優先のことが多く、入院患者の検査はお昼近くになってからのことがよくあります。

やっと呼ばれて検査を受けて、戻ってきたら…

あれっ、私の食パンがない!

 

もう昼ごはんの時間帯だから、と補助婦さんが勝手にトレイごと下げてしまうのです。

 

「私の食パン!!!」

「ごめん、ごめん、もういらんと思うて下げてしもたわ。」

 

その後数日間、そのおばちゃんとしゃべる気にもなりませんでした。

食べ物の恨みは恐ろしいのです。

 

 

 

固定リンク | コメント (2)

三毛猫
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2008/07 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント