お役人は、そもそもバカバカしいと思うようなことを、熱心にやる人々だとは思っていました。
それが無駄であろうがなかろうが、とにかくそれさえやっておれば安心で、そのこと自体にどのような意味があるのか、ちょっと変えてみたほうがいいんじゃないか、というような、頭を働かせるということはしないらしいです。
最近、産業医をしているA社から、相談を受けました。
環境分析などをやっている企業さんなので、社内にはいろんな分析機器があります。
その中に、石綿分析装置があるのです。
放射線を使用して分析するのですが、分析機の外には放射線が漏れない構造になっています。
したがって、分析業務に当たる人は、鉛の入った防護服を着るとかはする必要がなく、当然分析室への立ち入りも、特に放射線管理区域にはなっておりません。
ある日、労働基準監督署の立ち入り検査があったそうです。
その時に、その石綿分析装置による分析が、放射線取扱業務に当たるから、電離放射線取扱者健診を実施していないのはオカシイ、と指摘されたそうです。
「健診、やっぱりやらなくちゃいけないんですかね。」
放射線管理区域に立ち入るのでなければ、電離放射線健診は必要ないはず。
そのように答えても、相談してきたB氏は、産業医から労基署に文書で回答してくれとかなんとか食い下がってきて、なかなか引き下がらなかったんです。
業を煮やした私は、自分で労基署に掛け合うから、と言ってしまいました。
健診やれと言ってきている人物の名前もわかっていたので、電話をかけることにしました。
しかしー
何回かけても、不在とか、今日は休んでますとか、出張してますとか。
逃げ回ってるんじゃないのかと思うほど、いつもいないのです。
仕方なく、労働衛生の専門技官とやらにつないでもらいました。
「石綿の放射線分析装置を使っている人に、健康診断なんて必要なんでしょうか。」
「分析機にサンプルを入れる時に、手が入りますよね。そこは一応、放射線が漏れる可能性がゼロではないので、そこは放射線管理区域なんです。だから、(法律通りに読めば)健康診断をしなくていいということは言えないんです。」
「機械が故障でもしない限り、放射線は漏れないと思うんですけど・・・ サンプルを入れてフタを閉めない限り、分析機は動かない構造ですし・・・」
「少しでも可能性があれば、そこは放射線管理区域なんです。」
「そんな健診やって、異常値なんかでないでしょう。」
「法律ではそうなってますから・・・」
こんな小役人に何言ったって、どうせ「法律ではこう読める」と解釈するんでしょう。
バカバカしいので、さっさと電話を切りました。
健康診断は、医師の判断で、血液検査は省略できることになっているので、ちょっと手間はかかるけど、私が問診と診察をすることにしました。
役人って、「今そこにある法律」がすべてで、それがオカシイんじゃないかって思わないんですね。
そして、高額なお金を使わせて健康診断を受けさせることに、何の抵抗も感じないんですね。
本当に、バカバカしくってやってられません。
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