このところ、製造業の某社で管理職の方々の面談が続いています。
管理職、といっても課長さんクラスなんですが・・・
そこの会社では課長以上は労働組合員ではないので、時間外勤務の上限がなく、時間外勤務手当もありません。
でも、管理職だからと言って、机に座って部下に指示をしておればいいというのではありません。
自らも他のスタッフと同様に仕事をしているのです。
そして、いつも夜の9時とか10時とか、遅い時間まで働いています。
通勤にかかる時間を入れると、食べて寝る時間を確保するのが精いっぱいという感じです。
労働組合員は、いわゆる36協定で1か月あたりの残業時間が決められているので、上司はそれ以上の仕事を部下にさせるわけにはいきません。
だから、ちょっとでもそれを超えそうになると、「帰れ、帰れ。」と催促します。
でも―
仕事はたっぷりあるのです。
だから、部下が帰ったあとも自分が仕事を仕上げなければなりません。
部長さんから、課長の健康状態が心配だから産業医の面談を受けさせたい、という要請があります。
もちろん、その要請にはこたえねばなりません。
しかしながら、私は大変ジレンマを感じるのです。
課長さんともなれば、ある程度年齢も高くなってくるし、20代、30代の若者のようにはいきません。
健康診断で、血圧が高いとか、血糖値が高いとか、中性脂肪が高い、とか、肝機能が悪い、とか・・・
いろいろ指摘を受ける年代。
だから、生活習慣の改善も指導していかなければなりません。
いえ、それ以上に、休養が必要なことは誰が見ても明らかなのです。
産業医としては・・・
睡眠時間を十分にとること。
なるべくお酒はひかえること。
タバコも吸わない方がよろしい。
適度な運動も必要。
などなど、言いたいいことは山のようにありますが、じゃあ仕事、減らせますか、って言ったって減らせないわけです。
期限までに仕上げなければならない仕事を、誰がするの?ということになるわけです。
運動?
冗談じゃない。そんな時間があったら寝たい!
お酒減らす?
そんなセッショウな。
家帰ってほっとして、ちょっと一杯飲むのまでやめさせられたら何の楽しみもない。
タバコやめる?
イライラしてんのに、やめられるか!
かえって精神的に悪くなる。
さらに困るのは、単純に人を増やせばいいということでもないらしい、ということ。
どこかから人を連れてきて、さあ明日からこれやって、というふうにはいきません。
物作りというのは、訓練が必要だからです。
ど素人を連れて来ると、かえって指導するのに時間が必要になり、業務量の削減にはつながらない、といいます。
う~む、困った、困った。
結局私も課長さんと一緒に、
「困りましたね、どうしたらいいんでしょうね。」
と悩むことになります。
最後は、
倒れる前に休んでください、としか言いようがなくなるのです。
産業医、失格かなあ・・・
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コメント
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日本の富?は、個人を犠牲にしてしかつくれないのだろうか
?「●●をぶっ壊す」・「改革が必要である」と発言した某国元首相にはこの点にも目を向けてほしかった。
>最後は、倒れる前に休んでください、としか言いようがなくなるのです。
★産業医の立場(被雇用者の健康を守る)から、雇用者にコメントしていただきたいと思います。
いつもコメント、ありがとうございます。
被雇用者の健康を守る視点で助言をすべきというご指摘は、その通りなのですが、日本人の労働者というのはまだまだ真面目な人が多く、一生懸命業務を遂行しようとする人が多いです。またそのことが、問題を顕在化させるのを遅らせる要因になっているといえばそうなのですが…
面談の結果報告書には、会社に対して業務軽減の必要性は必ず強調するようにはしておりますが…
ご本人さんの疲労があまりに強い場合は就業制限かけますけど・・・
なかなか難しいですよね・・・
でも長い目で見た場合、会社の為でもあるし本人のためでもあるので、上司・人事を巻き込んで協議してます。
コメントありがとうございます。
確かに、長い目で見た場合に会社のためであるという視点は大切ですし、説得力がありますね。
ただ、会社というのはどうしても目先の生産に気がいってしまって、悩みはつきません…
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