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前回に引き続き虫刺されです。
ある年、梅雨の晴れ間のむし暑い日、呼吸が苦しいから診てくれと電話が入って、10分後に受診した70過ぎのおじいさんが受診しました。
全身状態を診てみると、熱は38度以上、SpO2 90%、呼吸30回、血圧150の85、脈拍120回でした。
左右の肺に雑音が聞こえたのでレントゲンを撮ったところ、肺炎ではあるものの少し気になるところがあったのでさらに詳しくCT検査をしました。
すると、肺の一部が壊れ大きな袋になったところに痰が詰まった画像がみられました。いわゆる肺気腫の状態です。
肺が壊れるのは色々原因がありますが、初診でしたので訊ねてみました。
「タバコは、吸われますか?あるいは以前に吸っていましたか?」
「ワシャ、タバコ何ぞ一度も吸っとらん」
ありゃ、ヘビィ・スモーカーに多いのになぁ。
「炭鉱とかで働いたことはありますか?」
「ワシャ、ずーっと百姓ジャ。」
「寒い地方にいたことはありますか?」
「ウンニャ西日本じゃ。」
はて、職業・環境とはちょっと違うかも、と思い質問内容を変えてみました。
「いつから、苦しくなったのですか?」
「ここ1、2週間のことじゃなぁ。」
「何か苦しくなる前変わったことがありましたか?」
「ばあさんが死んでナ、一人になったのを機会に、こっちの姪っこの家のそばへ3週間前引っ越してきたんじゃ。」
「はぁ。」
「そしたら越した家が、虫が多くて殺虫剤をスプレーで撒いたんじゃ。それでもようけ出てきよるから、面倒になって自分の身体に殺虫剤をスプレーしたんじゃ。」
「えっ!どれくらい撒いたのですか?」
「新品の缶2本いっぺんじゃ。さすがに虫も近づかなくなったぞ。」
「そりゃ、そうかもしれませんがねぇ。あのねぇスプレー缶の中の成分には、溶剤が一杯入っていて肺に良くないのですよ。」
「注意書きに、人体に向かって噴霧してはならないとか部屋の換気を十分にとか、書いてあったでしょ。」
「そんなもなぁ、小さい字じゃったから読んどらん。」
「入院して治療しましょう。」
「分かった、徹底的に治してくれや」
入院して治療して、メキメキ良くなってきました。退院しました後もしばらく検査し、日常生活に影響はない程度に落ち着きました。
まさかと思ったことが起こるのもコンビニ救急か、ともおもいます。
くれぐれも使用説明書をお読みください。
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