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4月になり、歓送迎会の季節です。人間誰しもお酒を飲むといろんなことがあるようです。我がコンビニ救急にもいろんな患者さんがやってきます。長年やっていると、少々のことには驚かなくなりましたが、時々ギョ!っとすることに出っくわします
先日当直の夜、例によって救急隊より連絡が入りました。
「50才台男性、駅で電車を降りたところ動けなくなり救急要請です。受け入れいかがですか?」
「もうちょっと詳しく教えてください。」
「現在、意識レベルJCS3桁、呼吸22回、血圧110の65、脈80、SpO2 95%。かなりアルコール臭しています。」
「他に何か所見はありますか?」
「転倒した時に受傷したと思われる、擦過傷が前額部にあります。」
「わかりました、何分で着きますか?」
「5~10分です。」
「気をつけてきてください。」
「急性アルコール中毒で泥酔だって、ほどほどにすればいいのにねぇ。」
「人が働いているって言うのに・・・・お酒飲んでぇ」
「輸液用意して、バイタルとる用意して、念のため緊急検査、まさかと思うけどJCS3桁って言うから頭部CTもスタンバイしておいて、、、」
「そんなに準備しなくても・・・」
「万が一ということもあるじゃない、準備している時ほど何にもないって言うからさぁ、お願いね。」
「ハイハイ、、」
そうこうしているうちに救急車到着。
「意識はどうです?」
「強い呼びかけに少し反応したようですが、JCS 200 です。」
救急室一杯に広がる、かなりのアルコール臭がしたので、重症の急性アルコール中毒と考え、処置を始めました。バイタルサインをとり、採血がすみ、点滴ルートを確保し頭部CTを撮り終わったところ、何も所見なし。
とりあえず救急室に戻り、
「やっぱり、重症アルコール中毒でいいのかなぁ。検査は遅いねぇ、、」
と言っていたら、検査の結果をもって検査の当直者が、くびをかしげながら救急室に駆け込んできました。
「この患者さんは、先程救急車で運ばれた○○さんですよねぇ?」
「そうだけど、どうしたの?何か異常値があった??」
「血糖が、19 mg/dl なんです。」
「えぇ!? この人泥酔状態だよ?間違いじゃないの? とりあえず、50%ブドウ糖20ml静注して!」
「再検何度もしたんです、でも何度も同じなんです、泥酔ときいていたので変だとは思ったのですが、、、」 と半べそかいていました。
いつもの低血糖ならブドウ糖投与で目が覚めるはず、なんですが、でも泥酔でもあります。いつものようには目が覚めません。ギョッとして入院としました。
奥さんが到着し、糖尿病でインシュリンコントロール中との情報は得たのですが、こんなことははじめてとの事でした。 入院して簡易式血糖測定器でで小まめに測定しながら、いくら投与しても低血糖状態から中々抜け出せません。
「ひえぇ~~~何でやねん!!」
と思いつつ、血の気が引きそうな夜を過ごしました。朝方になり、ようやく血糖値が安定しました。
お昼前になり、目が覚めた患者さんに・・・
「昨日の夜、駅で意識がなくなり救急搬送されたのですよ。」
「電車に乗って××駅(最寄り駅です)に着いて降りたところまでは覚えているのですが、、、」
「一晩中かなりひどい低血糖状態だったんですよ、何があったのです?」
「いやぁ、そうでしたかご迷惑をおかけしました。実は、ホントは今日掛かり付けの先生のところへ受診する予定なのです。もともと血糖が高い高いとしかられていたんです。前に、酒を飲んだ次の日に受診したら血糖値が高くて、入院になっちまったんです。」
「はあぁ?」
「昨日は、会社に入って以来ものすごく世話になった先輩の送別会でしてつい飲み過ぎてしまったんです。」
「それで、、、」
「帰り道に急に前のことを思い出し、いつものインシュリンを追加して打ったんです。」
「夕方2回打ったことになるのですか?」
「そうなります。」
「それは、あ、余りにも・・・・」
「まずかったですか?やっぱり。」
「下手すりゃ死じゃうところでしたねぇぇぇ。」
「もうしません、すみませんでした。」
話を聞いた奥さんが、泣いて怒って、無事退院となりました。 長年、コンビニ救急をやっているものの初めてでした。
「お薬は、用法用量を守って正しくお使いください。」
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