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2007.01.23 16:43 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  た、狸が梨食ってる!!  | 推薦数 : 5

救急車の使い方?

  前回ブログでお約束したケースです。病院に受診する前からの再現ドラマです。大筋はたどっていますが、一部創作が入っています。みなさんどう思われますか?

 

 患者さんは、84才のおばあちゃんです。いつもは、この春に定年退職する長男夫婦と3人で暮らしています。高血圧で近くの開業医さんに月一回通って内服薬の治療を受けていました。 

 いつものようにお昼ごはんの後テレビを見て、珍しく休みの息子さんを含めた家族でのんびりしていました。ワイドショーで、気持ち良さそうな温泉とおいしい料理が放映されました。

「良さそうなところだねぇ、、、」

「少し暖かくなったら行って見ようかねぇ」

「孫もひ孫も、みんなで行こうかねぇ。」

などと話していると、おばあさんが、

「何か胸が・・・押されるように痛いんだけど」

○×先生からもらってる薬、えっと、、、ニトロて言ったっけなめるヤツ、使ってご覧よ。」

「そこの引き出しにあるよ、出しとくれ。」

「ほら、早く。」

1錠舌下して、しばらくすると

「楽になったよ。心配かけたね。」

「心配だから救急車で病院に行こう」と家族。

「もう歩けるから、うちの車で連れてっておくれよ。この前テレビのニュースで、歩けるのに救急車使うなんて、、て言ってたよ。近所の手前もあるし、わたしゃ、いやだよ。」

「そんなこと言わないでさぁ。」

「調子良くなったんだから、絶対いやだよ」

「もう、言い出したら聴かないんだから・・・」

 自宅の車を出して、おばあさんは、歩いて痛みもなく、息切れもなく普通に自動車に乗ったそうです。息子さんが運転し、お嫁さんがとなりに乗って病院に向けて出発しました。 

「もうすぐ病院に着くからね。」

「なんかまた変に痛むよ、先よりずっと痛いよ、、あれ、あれ・・・」

「お母さん、どうしたの???」

「・・・・」

「おかあさん!!」

 返事がありません、見る見るうちに顔色が真っ青になりぐったりして呼吸が途絶えました。 

「病院目の前だから、胸を押してろ!!」

と息子さんが叫んで、お嫁さんがとにかく胸を押していました。病院の玄関にぶつかる寸前まで車を乗り入れて病院の受付で 

「うちのばあさんがおかしいんだ、急いで診てくれっぇぇぇ!!」 

 大急ぎで、救急担当者が集合し、引き続き処置を開始しました。 モニター上、心静止。 蘇生処置を試みましたが、心室細動、無脈性電気活動、までは行ったものの20分を経過したころより心静止から抜けられなくなり、息子さん他家族の方の了解下に永眠を確認しました。

 最後に、息子さんから

「初めの時に、急いで救急車を呼んどけば良かったのですか?」

と問われた時に、答えに窮しました。

「そうだ。」

というのが本筋でしょうが、もちろん救急車でも結果はかわらなかったかも知れません。でも昨今の報道の風潮をみていると

「救急車は、重病人のためにあるんだから、あんまり呼ぶな!」

 という印象を受けます、もちろん正論なのです。そうなんですが、その影で今回のおばあさんのようなケースも結構、我が「コンビニ救急」に運ばれます。

 

だれが重病を判断して決めるのか?

 

そこが明確でない以上救急車の出動需要は増えるばかりです。

 

 東京都は、電話相談にて対応しているようですが、東京以外でそのようなことが維持出来るのでしょうか?救急医療体制への???が膨らみ考え込まされました。

 

 おばあさんのご冥福を祈ります。          

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