た、狸が梨食ってる!!
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック

< ある日のひとコマ ーめまいおばさんー | メイン | なぜ、わたしが狸と命名したか?? >
2006.11.08 06:41 |  診療  |  仕事 / 職場  |  た、狸が梨食ってる!!  | 推薦数 : 13

ある日の出来事ー重症編

ある日のちょっとしんどい当直の出来事です。 

 

 近所のスーパーで心肺停止の患者さんが倒れていると通報があり、救急隊により急いで搬送されてきました。こちらも身元不明。とにかく蘇生に全力を挙げ、せめて家族が見つかるまでは、と蘇生処置を続けました。ところが、全く蘇生処置に反応せず、搬送10分後には、瞳孔散大、心静止、自発呼吸なしと生命徴候なく各種治療に反応せず、蘇生を続けました。

 

 「何とか家族が来るまで。」

「自分の親だったらせめて、、と思いますよね。」

「できるだけ頑張って見よう。」

 

 並行して身元の確認を急いだのですが、所持品もほとんど何も無く、財布も小銭入れだけでした。警察によると、スーパーにこんな軽装でくるからには近くの人に違いない、と考え聞いて回りまったそうですが見つからなかったようです。かれこれ1時間近く蘇生処置を続けましたが全く反応せず。

 

「かれこれ1時間以上経つけど、家族は連絡取れた?」

「イエ、まだです。」

「近所の人とか分からないの?」

「それがさっぱり分からなくて、警察も頭を抱えてるんです。」

「いくら何でも、全く反応がないからどう考えてももう戻らないよ。」

 

先が見えなくなり、蘇生中止としました。 

ご遺体を霊安室に安置し、警察の検死を済ませ家族が見つかれば・・・と思って、じっと待っていたら。家族が見つかったとの連絡。

  それから30分後には、霊安室が大変なことになりました。奥さんと息子さんが到着し、絞り出すような嗚咽と

 

「ウソだろう!」

「おとうさん!」

 

の涙声、なんともいたたまれない場面です。少し落ち着いたところで、家族の方にお話を・・・

 

「この度は、・・・。」

「どういう状態だったのですか?」

「詳しい状況は警察よりお聞きください。何か治療中の病気はありましたか?」

「もともと、狭心症で治療中でしたが、最近調子がいいからってあまり薬飲んでいなかったみたいです。」

「関係しているかは分かりませんが、状態から見て、心臓に何かがあったとしか言えません。心筋梗塞のひどいのを起こしたか?あるいは、不整脈を起こしたかいずれかと思われます。詳しく追求するためには解剖が必要ですが・・・」

「解剖は、絶対必要ですか?」

「事件性は無いとの警察の話ですので、ご家族のお気持ちですが・・・」

「ならもう連れて帰りたいのですが。」 

「苦しんだのでしょうか?」

「そのような形跡は見当たりません。」 

 

その後、丁寧にお見送りをしました。

 

コンビニ救急のつらい日でした、ご冥福をお祈りします。

 

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

トラックバック

この記事のトラックバック URL

http://blog.m3.com/matuyama/20061108/1/trackback

コメント

コメントはまだありません。

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。