| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
ある日のちょっとしんどい当直の出来事です。
近所のスーパーで心肺停止の患者さんが倒れていると通報があり、救急隊により急いで搬送されてきました。こちらも身元不明。とにかく蘇生に全力を挙げ、せめて家族が見つかるまでは、と蘇生処置を続けました。ところが、全く蘇生処置に反応せず、搬送10分後には、瞳孔散大、心静止、自発呼吸なしと生命徴候なく各種治療に反応せず、蘇生を続けました。
「何とか家族が来るまで。」
「自分の親だったらせめて、、と思いますよね。」
「できるだけ頑張って見よう。」
並行して身元の確認を急いだのですが、所持品もほとんど何も無く、財布も小銭入れだけでした。警察によると、スーパーにこんな軽装でくるからには近くの人に違いない、と考え聞いて回りまったそうですが見つからなかったようです。かれこれ1時間近く蘇生処置を続けましたが全く反応せず。
「かれこれ1時間以上経つけど、家族は連絡取れた?」
「イエ、まだです。」
「近所の人とか分からないの?」
「それがさっぱり分からなくて、警察も頭を抱えてるんです。」
「いくら何でも、全く反応がないからどう考えてももう戻らないよ。」
先が見えなくなり、蘇生中止としました。
ご遺体を霊安室に安置し、警察の検死を済ませ家族が見つかれば・・・と思って、じっと待っていたら。家族が見つかったとの連絡。
それから30分後には、霊安室が大変なことになりました。奥さんと息子さんが到着し、絞り出すような嗚咽と
「ウソだろう!」
「おとうさん!」
の涙声、なんともいたたまれない場面です。少し落ち着いたところで、家族の方にお話を・・・
「この度は、・・・。」
「どういう状態だったのですか?」
「詳しい状況は警察よりお聞きください。何か治療中の病気はありましたか?」
「もともと、狭心症で治療中でしたが、最近調子がいいからってあまり薬飲んでいなかったみたいです。」
「関係しているかは分かりませんが、状態から見て、心臓に何かがあったとしか言えません。心筋梗塞のひどいのを起こしたか?あるいは、不整脈を起こしたかいずれかと思われます。詳しく追求するためには解剖が必要ですが・・・」
「解剖は、絶対必要ですか?」
「事件性は無いとの警察の話ですので、ご家族のお気持ちですが・・・」
「ならもう連れて帰りたいのですが。」
「苦しんだのでしょうか?」
「そのような形跡は見当たりません。」
その後、丁寧にお見送りをしました。
コンビニ救急のつらい日でした、ご冥福をお祈りします。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)