20時15分に会場に到着。
平成22年度若手医師セミナー
ER診療のパールズ
F大学医学部地域医療推進講座 T先生
途中より参加
胸腰椎圧迫骨折
訴えでは、痛みが尾側に表現されて、腰椎2方向の撮影指示では、見逃しあり
→腰椎2方向、胸腰椎移行部2方向の撮影指示が必要
撮影の指示の出し方が勝負
呼ばれやすいドクターを演じる
打撲、捻挫の説明
・怪我した日のX線写真では骨折は写らないことが少なくないです。
・症状から骨折も疑われるので、X線写真でははっきりしませんが、あるものとして、軽く固定しておきましょう。
・2日後に、うちの病院の整形外科に再評価に来てください。
・骨折が数日後にわかっても治療は同じですから心配いりません。
ガラスによる切創縫合後の説明
・傷の中のガラスを1つ取り出しましたが、残念ながら、小さいガラスが残っていることがあるんです。
・縫う時にも、傷の深いところまで探しましたが、ガラスはみつかりませんでした。
・小さいガラスが残っていても、心配ないんです。
・時には腱や神経が切れていて、専門医に治療していただく必要がでてくる場合もありますので、必ず、明日、形成外科に来ていただきたいんですが、よろしいでしょうか。
急性胃腸炎の説明
・現時点では、おなかの風邪が最有力です。
・でも、盲腸も、こんな感じで始まることがあります。
・今は、盲腸の場所を押しても痛がりませんから、一旦帰りましょう。
・マジックで印をした場所を時々押してください。
・押して痛がる場合にはすぐERを再受診してください。
・再評価は、8~12時間後です。
ERでは、説明能力の習得が重要
初期診断できなかったことが医療過誤になるのではなく、
ER1回の受診では限界があり、再評価が必要なことを説明しなかたことが医療過誤になる。
→上手な上籍医の説明能力を盗め!
適切なタイミングのコンサルテーション
胆道結石の重症度、緊急度の鑑別は、
自発痛、圧痛、発熱、AL-P、GOT、GPT、Bilで
消化管出血の重症度、緊急度の鑑別は、
血圧、Hb、BUN、MCVで
医学的に軽症でも、不安でERを受診する患者が多い
研修医は慣れとともに軽症患者に冷たくなる
→医療過誤・医療訴訟のリスクが増大
一見、精神科疾患のように見えるため、気質的疾患、中毒、外傷を積極的に探さず、診断が遅れる
症例
・排尿時、ぷつぷつした感じ→S状結腸癌の膀胱浸潤による結腸膀胱内ろう
・精神科で診てもらいたい→甲状腺機能低下症
・言動がおかしい→慢性硬膜下血腫
精神症状で受診する要注意群
(いきなり精神科紹介は駄目!)
・12歳以下、40歳以上
・精神科受診歴なし
・突然の発症
・バイタルサインの異常
・見当識障害
・幻視、幻触覚
・失禁、発汗、眼振
・糖尿病、心血管系疾患あり
・最近、入院歴あり
・最近、投薬内容変更あり
過換気症候群を軽視して、トラブルに巻き込まれる。
SpO2が96%以下の過換気症候群は、ありえない
過換気症候群の対応
・安心させる
・何が起きているか説明する
・しゃべらせる
・袋による再呼吸、鎮痛剤は、?
過換気症候群のピットフォール
1.主訴から、危険な病気を過換気症候群と誤認してします。
ギランバレー症候群、重症筋無力症、肺高血圧症+肺動脈血栓塞栓症
対策:パルスオキシメータ
2.危険な病気が起きて、その症状を我慢しているうちに過換気症候群が合併
急性心筋梗塞、クモ膜下出血、脳梗塞
3.過換気症候群が合併症を作る場合がある
脳梗塞(←脳血管のれん縮)例:もやもや病
急性冠症候群(←冠状動脈のれん縮)例:虚血性心疾患
対策:経過観察の名目で放置しない
対策:病歴聴取
PHA(Post-hyperventilation Apnea)
過換気の直後に無呼吸が出現!
・転換性障害に多い?→Hysterical Apnea
・どの過換気症候群でもあり?
鎮痛剤注射は危険?
袋による再呼吸は危険?!
過換気症候群を3つに分けて考える
1.Simple Hyperventilation Syndrome
1)合併症無し
2)合併症あり(脳梗塞、急性冠症候群)
2.Secondary Hyperventilation Syndrome
本格的な急病、外傷に過換気症候群が合併
3.Complex Hyperventilation Syndrome
特定の精神科疾患(例:転換性障害)のある患者での過換気症候群
PHA(Post-hyperventilation Apnea)があるので、袋による再呼吸、鎮痛剤注射は要注意
既往に精神科疾患があるために、気質的疾患、中毒、外傷を積極的に疑わず、診断・治療が遅れる。
精神科疾患の既往は医師の目を曇らせる。
理解し難い患者さんの言動を理解するにはまず全てを許しなさい
演技力が重要
多くの良い医師たちは、患者を前にした時の職務は、ある程度演技をすることだとわかっている。彼らは、何万回も、癒し屋としての役を演じることを要求されるし、その役を演じなくてはならない。
それは個人的な偏見、苛立ち、自分とは異質と感じる患者に対するネガティブな感情を排除することである。
このような役を演じるために生まれた天性の役者たちがいる一方で、自分の言うべき台詞を教えてもらう必要がある役者たちもいる。
医師の台詞
×「子供は熱を出すもんですよ」→○「夜中の子供の熱は心配ですよね。」
先生の娘さんが最初に熱を出したときは、妻(看護師)と2人でおろおろした。
→医療従事者でもそうなのだから、素人の方が心配するのは当然
最後に、各科専門医への対診法
ということで、とても有意義なご講演でした。
先生が合間に話される話のネタ本もわかりました。
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