広島県内科会学術講演会
19時より情報提供
19時1分より特別講演
「市中肺炎、院内肺炎治療の考え方~新型インフルエンザにおける細菌感染の重要性を含めて」
T大学加齢医学研究所抗感染症薬開発研究部門教授 W先生
薬剤耐性菌をいかにおさえるかがポイント。
耐性菌は、人類が出現する前から存在している。
抗生物質は、微生物が他の微生物を負かすために作った物質を模倣しただけのものであり、その物質から身を守る耐性菌も自然界に存在する。
したがって、我々の抗生物質に耐性の細菌が存在するのは当然である。
有効率を上げて、耐性菌を抑える
1.選び方と2.使い方が重要
1.選び方
ガイドラインを参考にする。
耐性菌の分離頻度は、カルバペネム系薬採用数の少ない病院で高い
カルバペネム薬を一番使ってるのは日本。
しかし、耐性菌少ない。
カルバペネム薬が6種類もあるため。
耐性菌を軽減させる使い方:特定薬剤に偏った使用を行わない
2.使い方
PK/PD理論
濃度依存性:キノロン他 濃度が上がれば、殺菌力が強くなる
時間依存性:βラクタム他 濃度より接触時間の方が重要
ゾシン
%Time above MIC≧30%(≧50%)
緑膿菌は、1日4回。それ以外の菌は、1日3回
ハベカシン
投与量倍増、投与回数半減で、Cmax/MICを向上
クラビット
投与量増量、投与回数減少で、AUC/MICを向上
ジスロマックSR
フロントローディングによるPKの改善
コンプライアンス
1日投与回数が多いと/投与期間が長いとコンプライアンスが低下する
高用量、短期間投与は、コンプライアンスを高めて、耐性菌出現を抑える。
最近の考え
・PK/PD
・First-loading
・高用量・短期間投与
・服薬コンプライアンスの向上
抗菌薬治療は、Hit & Away
後半は、新型インフルエンザの話
インフルエンザワクチンは、アメリカでは、スーパーマーケットで接種できる。
A型インフルエンザは、少しずつ姿を変えながら、繰り返し流行する。(抗原循環説)
新型インフルエンザは、H5N1を想定していたが、実際は、H1N1だった。
鳥インフルエンザ(H5N1)の死亡率は国によって大きく違う。それはなぜか?
H5N1の致死率:インドネシア、ベトナムは高く、エジプトは低い。
(インドネシア、ベトナムでは、抗インフルエンザ薬は、大学病院にしかない。)
H5N1は、抗インフルエンザ薬の早期投与開始で、救命可能である。
H5N1の広汎なヒトーヒト感染は起こらない
→広くパンデミックは起こらない
SARSでは、HLAの型により、感染率が有意に異なる。
過去にH5サブタイプのインフルエンザのパンデミックはない。
スペインかぜの死亡は、細菌性肺炎が大部分
過去の新型インフルエンザによる死亡のほとんどは、細菌性肺炎によるものであり、今後予想される新型インフルエンザでも同様と思われる。
2009年新型インフルエンザと細菌感染ーCDCの報告ー
1位:肺炎球菌
2位:黄色ブドウ球菌
世界での肺炎球菌ワクチンの普及度:日本は低い。
自治体による肺炎球菌ワクチンへの公費助成
肺炎球菌ワクチンは、日本だけが再接種禁忌だった。
平成21年10月20日より再接種可能になった。
5年ごとの接種を勧めている国もある
ということで、大変有意義なご講演でした。
参考:過去のご講演
2009年4月13日
http://blog.m3.com/magic/20090413/12010年1月7日
http://blog.m3.com/magic/20100107/1