第30回糖尿病合併症研究会
【製品紹介】19:00~
【特別講演】19:15~
「変貌する日本人の糖尿病合併症:久山町研究」
K大学大学院医学研究院環境医学教授 K先生
大変有意義なご講演でした。
久山町は、96%が市街化調整区域で、住宅が建てられず、人口が安定している。
40歳以上の年齢構成が、全国平均と一致した。
職業構成、栄養摂取状況も全国平均レベル
過去50年において、日本の平均レベルだった。
久山町研究の集団
第1集団1961
第2集団1974
第3集団1988
第4集団2002
久山町研究の特徴
・40歳以上の全住民を対象
・前向きの追跡研究
・研究スタッフによる健診・往診
・受診率80%
・剖検率80%
・追跡率99%以上(行方不明者は、3名のみ)
剖検交渉のVTR上映
くも膜下出血発症率の国際比較
久山町研究では、年齢が上がるにつれ、上昇
(突然死でも、久山町では、剖検し、死因が特定できる。)
糖尿病と心血管病の時代的変化(年齢調整すみ)
第1集団から第4集団になるにつれ、
肥満、高コレステロール血症、耐糖能異常は増加する。
2002年の第4集団において、
男性23.6%、女性13.4%が糖尿病
男性の6割が、糖尿病or予備軍。女性の4割が、糖尿病or予備軍
年齢階級別にみた糖尿病の頻度の時代的変化
高齢者の糖尿病が増えてきている。
今の高齢者は、若いときから、ライフスタイルが欧米化している。
高血圧頻度の時代的推移(年齢調整すみ)
男性は、ほとんど変わらない。
降圧薬服用者の頻度は、増加している。
血圧値の推移(第1集団→第4集団)
男性:162/91→148/89
女性:163/88→149/86
心血管病発症率の時代的変化(第1→第2→第3集団)
脳卒中:8.4→5.2→4.4 減っているが横ばい
虚血性心疾患:2.1→2.4→2.5 変化なし
脳梗塞発症率の時代的変化
男性減少、女性横ばい
脳梗塞のタイプ別に
ラクナ梗塞
男性減少、女性横ばい
アテローム血栓性脳梗塞
男性:減少したが、また増加
女性:減少し、横ばい
心原性脳塞栓:全く減ってない
減ったのは、ラクナ梗塞のみ
男性
第1集団:ラクナ71%、アテローム19%、脳塞栓10%
↓
第3集団:ラクナ40%、アテローム32%、脳塞栓28%
日本人の脳梗塞が欧米化している。
突然死頻度の時代的変化:今も昔も10%
1962年:突然死の70%が脳卒中
1992年:突然死の76%が心疾患
突然死のタイプが変わった。
心疾患の1時間以内の突然死が増加
突然死例の死因
水面下で、粥状動脈硬化が増えてきている
高血圧治療により、ラクナ梗塞のみ減少
危険因子の変化(第1集団→第3集団)
脳梗塞
年齢、高血圧、心電図、耐糖能異常→年齢、心電図、耐糖能異常、BMI、喫煙
虚血性心疾患
年齢、高血圧、心電図、BMI、喫煙→年齢、耐糖能異常、喫煙、男性
現在の動脈硬化の最大の危険因子は、糖尿病
脳梗塞:糖尿病群で、2倍多い。
虚血性心疾患:女性で、4倍多い。(男性は、優位な危険因子になってない。喫煙の関係か。)
メタボリックシンドロームの定期(修正日本基準)
腹囲:男性≧90、女性≧80が望ましい。
脳梗塞
メタボ(+)が、メタボ(-)よりも高くなる。
糖尿病(+)、メタボ(-)1.0倍
糖尿病(+)、メタボ(+)5.4倍
メタボ合併のない糖尿病は、ほとんど発症しない。
虚血性心疾患
メタボ(+)が、メタボ(-)よりも高くなる。
糖尿病(+)、メタボ(+)5.1倍
メタボ合併のない糖尿病は、ほとんど発症しない
高齢者認知症の患者数の推計
年度が新しくなるにつて、患者数増加
糖尿病と認知症に関する追跡調査
糖尿病あると、アルツハイマー病起こしやすい。
65才以上認知症の調査(久山町)
2005年:1566名中、193名が認知症。8人に1人が認知症
認知症発症の危険因子
17年で、1/3が認知症になる。
高齢者が生涯に認知症になる確率40%
認知症の病型別内訳
アルツハイマー型 45%
脳血管性 30%
混合型 12%
レビー小体型 4%
→85%は、アルツハイマー型と脳血管性
耐糖能(+)群は、耐糖能(-)群に比べ、認知症が2.5倍に
認知症発症率
IGT(境界型)の段階から発症率高い。
アルツハイマー型も、脳血管性も
空腹時血糖は全く関係ない。
食後2時間血糖値が高いほど、発症率増加
糖尿病と老人斑
・食後2時間血糖値が高いほど
・空腹時インスリン値が高いほど
・HOMA-IRが高いほど
→老人斑増加
糖尿病と認知症の関係
・アルツハイマー型 増加
・脳血管性認知症 減少して、また増加
認知症が増加したのは、高齢者の糖尿病が増加したから。
糖尿病と悪性腫瘍
重症糖尿病の多くは、癌で亡くなった。
悪性疾患死の相対危険度は、
HbA1c7~7.9%で、2.2倍
HbA1c8.0~で、3.1倍
高血糖は、癌の危険因子
第1集団は、糖尿病になると、動脈硬化疾患で、若死にしてた可能性あり
HbA1cと胃癌
1988~2002年
HbA1c高いほど胃癌になりやすい。
ヘリコバクターピロリ(+)で、糖尿病(+)→胃癌発症増加
ということで、大変有意義なご講演でした。
久山町研究関連ホームページ
http://www.envmed.med.kyushu-u.ac.jp/about/index.html
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