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2010.03.10 23:30 |  講演会  |  呼吸器  |  ちんすけ  | 推薦数 : 0

3/10喘息・COPD講演会

第240回 福山胸部疾患研究会学術講演会

情報提供 19:00~

特別講演 19:20~
『COPDと喘息の病態比較と気管支拡張薬の使い方』
  -短時間作用型気管支拡張剤の使い方-
講師 O大学大学院医学研究科呼吸器病態制御内科学教授 H先生

抄録
「「喘息とCOPDの治療の類似点・相違点」
両疾患の治療における大きな相違点は吸入ステロイド薬(ICS)と長時間作動型抗コリン薬と短時間作動型β2刺激薬(SABA)の位置付けがある。喘息では、ICSが第1選択薬として抗ロイコトリエン薬や長時間作動型β2刺激薬(LABA)が追加されるが、一般的にステップダウン療法が基本である。一方、COPDでは長時間作動型抗コリン薬などの気管支拡張薬が中心で、一般的に疾患の進行に応じてのステップアップ(ワイズ)療法が基本となり、ICSは重症以上で増悪を繰り返す例にのみ推奨されている。SABAに関しては、喘息では連続使用で耐性が認められることからSABAをほとんど使用しないことが治療目標の1つになる。一方、COPDでは通常量で耐性が認められないことから、患者のQOLの向上や運動能力向上のために症状に合わせて軽症から最重症までの全ての患者に頓用でSABAを積極的に使用する必要がある。」

COPD/喘息の違い
発症年齢:50歳以上/年齢は問わない
喫煙歴:20pack year以上/関連なし
家族歴:まれ(α1アンチトリプシン欠損症除く)/多い

気道過敏性
COPD:完全ではない?気管支拡張薬により部分的には回復。禁煙により肺機能の低下を抑えることが可能
気管支喘息:ほとんど可逆的

COPD/喘息の違い
症状:通常慢性緩徐に進行/日により異なる、日内変動
咳・痰:非特異的、一般的/まれ(発作時)
特異的IgE上昇:まれ/一般的
末梢血好酸球の増加:まれ/一般的

呼気NO測定
喘息患者では、健常者・COPD患者に比し、有意に高い。

組織
喘息:気道上皮の剥離、基底膜網状層の肥厚、好酸球性気道炎症
COPD:気道上皮の扁平化成、好中球性気道炎症

気管支喘息
感作物質
  ↓
CD4+、Tリンパ球、好酸球(喘息性の気道炎症)
  ↓
完全に可逆的、気流制限、日内変動

COPD
有害物質(タバコ)
  ↓
CD8+、Tリンパ球、好中球(COPD性の気道炎症)
  ↓
完全に可逆的ではない、進行性

COPDにおける運動時の動的肺過膨張
労作時呼吸困難、運動能力の低下

COPDの一般症状
労作時の呼吸困難
喀痰を伴う咳(慢性)
喫煙歴
これらが揃うとCOPDと診断される可能性が高い

まずは原因の除去
喘息:アレルゲンの除去、アスピリン喘息での薬の選択、感染予防
COPD:喫煙の除去(禁煙)

気管支喘息
ステップ1~4において、吸入ステロイドが基本薬
喘息コントロールと目標:SABAの吸入をほとんど使用しない
(GINA2006によると、週に2回以下の使用)

COPD
スピリーバが基本薬
禁煙とFEV1の経年的変化の関係
禁煙の早期介入の重要性
軽症COPD:可逆性大、重症COPD:可逆性小

喘息:吸入ステロイドを中心に、ステップダウンの治療

COPD:気管支拡張薬を中心に、ステップアップ治療

気管支喘息
SABAは、リリーバー。なるべく使わない治療を目指す。

COPD
SABAは、アシストユース。発作時などの息切れに合わせて使用し、活動性の向上を目指す。

長時間作動型気管支拡張薬(持続時間≧12時間)

COPD
気管支拡張効果は、スピリーバが最大
治療効果不十分な場合には、多剤併用が勧められる。

スピリーバ
疾患の進行を予防、死亡も減少させる

テオフィリンの薬理作用
メカニズムはっきりしない
・横隔膜の筋力↑
・肺の血管抵抗↓
・心拍出量↑
・抗炎症作用(ユニフィル1T、血中濃度5以下)

COPDにおける労作時呼吸困難に対するアミノフィリン点滴の効果
重症COPD→運動時の息切れが改善
軽症COPD→有意差はないが、息切れ感が増強

テオフィリンの併用効果
安定期COPDでは、スピリーバ、セレベント併用例に、さらに経口テオフィリンを併用すると、
追加的な気管支拡張効果あり

少量テオフィリンにより、誘発喀痰中の好中球↓
→COPDの炎症をコントロールする可能性

COPDの炎症と早期介入
・ICS+LABA配合剤
・少量テオフィリン薬
・スタチン(抗炎症+抗酸化作用)

成人安定期COPDにおける吸入ステロイドの位置付け

喘息:ステップ1~4で、吸入ステロイド

COPDにおける高用量吸入ステロイドのスタディ
→プラセボと変わりなかった。

吸入ステロイドは、重症のCOPDに使うと、増悪の回数が減った。

喘息:配合剤の有用性
1.投与初日から効果を実感できる
2.単剤吸入よりも、PEFの改善が高い
3.セレベント単独使用の心配がなくなる
4.コンプライアンス、アドヒアランスの向上

LABAの安全性
吸入ステロイドとの併用による影響

アドエアの位置付け:全ステップで。

3年間のCOPD全死因死亡率
→アドエアは下げた。

COPD肺炎の発生確率と、肺炎による死亡率

COPD(重症以上)に配合剤(エビデンスは、重症COPDのみ)

短時間作動型気管支拡張薬(持続時間<6~8時間)
1.SABA
2.テルシガン(抗コリン薬)

COPD
SABAは、運動時の呼吸困難の予防に有効で、重症患者では、入浴などの日常生活の呼吸困難の予防に有用
SABA:運動前後や、日常生活での急激な息切れ(COPD急性増悪時含む)時に使用

COPD+高齢
運動時息切れ
  ↓
運動をさける
  ↓
運動機能の低下
  ↓
運動時息切れ
(悪循環)

デコンデションニングの改善は、呼吸器リハビリ

20分以上の運動を週に3回

口すぼめ呼吸

運動を始める前の動機付け

1.薬物療法の指導
2.気道のクリーニング
3.呼吸方法の指導
4.運動時の酸素療法
1.2.にSABA有効

安定期COPDにおけるスピリーバとメプチンエアーの追加効果

メプチンエアーとスピリーバの併用効果

メプチン吸入による1秒量及び最大吸気量に対する効果
メプチン>アイロミール、サルタノール

COPD
安定期の管理:スピリーバ
労作時息切れの予防・改善:メプチンエアー

アシストユース
COPD患者の活動性の向上を目指したSABAの使用方法
SABAの併用による活動性の向上

喘息・COPDにおけるSABA、LABAの使用上の注意

喘息
LABAは、吸入ステロイドと必ず併用

COPD
SABA、LABAの連用使用
薬剤耐性は心配いらない
症状の軽減のため、SABAを適宜使用し、活動性を上げる

COPD増悪で亡くなる人が、心筋梗塞で亡くなる人より多い

COPDの急性増悪の理由
上・下気道の感染症が最も多い

増悪期の管理
ABCアプローチ
A抗菌薬、B気管支拡張薬(SABA)、C全身ステロイド

呼吸困難の増悪に対する第1選択薬は、SABAの吸入である。

COPD増悪時の薬物療法
1)SABA
2)ステロイド:2週間以内の短期連用 0.5~1mg/kg 体重60kgなら、30mg
3)抗生物質:レスピラトリーキノロン
4)去痰薬

ワクチン(急性増悪の予防)
インフルエンザワクチン
肺炎球菌ワクチン

COPD増悪の原因ウイルス
ライノウイルス
インフルエンザウイルス

メプチンの可溶性TCAM-1合成抑制作用(in vitro)

急性増悪の予防
1)禁煙で、1/3に減る
2)ワクチン
3)薬物療法
 1.吸入ステロイド、β2刺激薬、抗コリン薬
 2.去痰薬(ムコダイン)
 3.少量マクロライド薬(びまん汎細気管支炎のみに。耐性菌の問題)

全身疾患としてのCOPD
肺癌合併、循環器疾患、うつ等

質問コーナー :省略

ということで、大変有意義なご講演でした。

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