16時より、学術講演会COPD Forum 岡山会場
Opening Remarks
O先生(K大学呼吸器内科教授)
Key Note Lecture
「JRS新ガイドライン改訂のポイント」
A先生(T大学大学院呼吸病態制御学教授)
JRSガイドライン 2009年6月第3版
1.定義
タバコ煙の有害性を明記
世界では、COPDの50%は、タバコ以外の原因(バイオマス等)
COPDの亜型
気腫優位型→気腫型COPD
気道病変優位型→非気腫型COPD(3割はこれ)
2.診断基準
基本的に第2版そのまま
1秒率は、年齢が上がると、下がっていくので、年齢ごとに正常値を決める考え方もあるが、そうすると煩雑になる。
FEV1<70%の診断基準だと、
高齢者のCOPDをoverdiagnosisしている可能性あり
追記として
・喘息との鑑別
・線維化病変の合併
について、記載
3.病期分類
これまでは、
I期:軽症
Ⅱ期:中等症
Ⅲ期:重症
Ⅳ期:最重症
としてた。
FEV1と息切れとの関係:相関しない
重症度の決定因子は他にもあり
FEV1=病期≠重症度
COPD=
?
Σ(COPDn),
n=1
重症度は、総合的に判断するべき
病期分類≠重症度分類
I期:軽度の気流閉塞
Ⅱ期:中等度の気流閉塞
Ⅲ期:高度の気流閉塞
Ⅳ期:極めて高度の気流閉塞
と、改訂された
4.全身併存症と合併症
全身併存症と肺合併症
COPDの全身的影響
COPDの病態生理
COPDは全身性疾患→包括的な重症度の評価
肺癌、気胸にも注意
全身併存小と呼吸器合併症に対する管理指針
・心血管病変合併COPDに対するβ1ブロッカーは、生存率を改善
・スタチン使用は、COPDやインフルエンザによる死亡率を減少
→勧めてるわけではない
喘息合併COPD
症状が夜間・早朝に見られる
アトピー素因、末梢血・喀痰中好酸球↑
→COPD重症度に関わらず、吸入ステロイド必要
スピリーバ、LABAどちらでも可
ロイコトリエン薬も有効
5.治療(管理)指針
COPD管理目標
1.症状および運動耐容能の改善
2.QOLの改善
3.増悪の予防と治療
4.疾患の進行抑制
5.全身併存症および肺合併症の予防と治療
6.生命予後の改善
安定期COPDの管理指針
I期でも息切れの強い人、Ⅱ期でも無症状の人がいる
第2版は、GOLDのガイドラインと同じ
カナダのガイドライン:FEV1、息切れ
FEV1の低下だけではなく、症状の程度を加味し、重症度を総合的に判断したうえで、治療法を選択する
呼吸リハビリをより早期に
患者教育が重要
スピリーバ(orLABA)
↓
スピリーバ+LABA(+テオフィリン)
↓
繰り返す増悪には、吸入ステロイド追加
↓
酸素療法
↓
外科療法、換気補助療法
全身併存症の管理
メッセージ1:定義
タバコが主な原因であると明記
気腫型COPDと非気腫型COPD(亜型)
メッセージ2:診断
従来通り
喘息との鑑別、合併
線維化病変との合併
メッセージ3:病期分類
I期:軽度の気流閉塞
Ⅱ期:中等度の気流閉塞
Ⅲ期:高度の気流閉塞
Ⅳ期:極めて高度の気流閉塞
FEV1は、重症度とイコールではない
メッセージ4:重症度
FEV1と重症度から総合的に判断
メッセージ5:全身併存症、肺合併症
積極的な予防、治療への介入
メッセージ6:管理指針
FEV1だけでなく、症状も
早期から禁煙、併存症の管理
リハビリ
スピリーバ第一選択
Special Lecture
「COPDの最新治療戦略ーJRS新ガイドラインに与えたUPLIFTのインパクトー」
N先生(T大学大学院医学系研究科呼吸器内科学教授)
COPDは、なぜ重要な疾患なのか?
WHOによる世界の死亡順位の予測2020年
3位COPD
取り残された生活習慣病COPD
米国の各種疾患死亡率
→COPDは、右肩上がりに上昇
(1965年~1998年で+163%)
日本においても、COPDによる死亡は激増
・喫煙との関連
・今後も増加が続く傾向
・高齢者における高い罹患率
COPDは、医療費負担の大きい疾患
アメリカ:COPDの年間医療費320億ドル
NIHは、COPD研究を目的としたセンターを設立
COPDの臨床経過
増悪の頻度別にみたCOPD患者の生存率
増悪が1年に3回以上あると、死亡リスク4.3倍に
5年生存率が30%
COPD管理目標
1.症状および運動耐容能の改善
2.QOLの改善
3.増悪の予防と治療
4.疾患の進行抑制
5.全身併存症および肺合併症の予防と治療
6.生命予後の改善
COPD管理目標への有用性は、UPLIFT前後で、
1.○→○
2.○→○
3.△→○
4.△→△
5.?→○
6.?→○
UPLIFT
先行治療:LABA、吸入ステロイド、合剤は、実施可能
FEV1の経年的変化量
4年間継続して、呼吸機能を有意に改善した
傾きに関しては有意差なかった
UPLIFT(4年間)
コントロール -42cc
スピリーバ -40cc
TORCH(3年)
プラセボ -55cc
サルメテロール -42cc
フルチカゾン -42cc
合剤 -39cc
(健常者のFEV1年間減少量は、-30cc)
健康関連QOL(SGRQ)の経年的スコア
スピリーバ群が、改善効果があった
COPD増悪の改善
スピリーバ群は、増悪の発現を14%低下させた
スピリーバ群は、増悪による入院を14%低下させた
(TORCHでは、合剤群は、プラセボに比較して、増悪を25%低下させた)
死亡率
スピリーバ群は、コントロール群に比較して、死亡を13%低下させた
(TORCHでは、合剤は、プラセボと比較して有意差なかった)
最近の大規模臨床試験(TORCH、UPLIFT)により、
気管支拡張薬が、COPD患者の予後に影響を与えることが証明された
スピリーバによる治療は、生命予後を改善する(-13%)
UPLIFTサブ解析結果、ATSで発表
(2009.5/15~20 San Diego)
・StageⅡ
・先行治療されてない群
中等症COPD患者に対するスピリーバの効果
GOLDステージⅡ(中等症)患者サブ解析
FEV1経年的低下に影響を与えた
スピリーバ群 43ml/year
コントロール群 49ml/year
p<0.05
ステージⅡにおいて増悪を抑制した(20%)
まとめ
スピリーバは、ステージⅡにおいて、呼吸機能(ピークのみ)の経年的低下と増悪を有意に改善した
定期的治療(SABA除く)を受けていないCOPD患者
経年的低下量(ピーク、トラフとも)を有意に抑制した
まとめ
健康関連QOLを有意に抑制
呼吸機能(ピーク、トラフ)経年的低下量、健康関連QOLの改善効果
ガイドライン2009では、スピリーバが第一選択に
スピリーバによるCOPD早期介入の意義は大きい
スピリーバによるCOPD継続治療の意味は大きい
スピリーバの継続治療は、生活の質を維持しながら、生命予後を改善することが期待できる
COPDの発症分子機構は、未解明である
先生のCOPD研究へのアプローチ
1)組織モデルからのアプローチ
2)分子生物学からのアプローチ
TAZノックアウトマウスは、COPD動物モデルとなりうる可能性
Can we change COPD?
→Yes,we can.
Discussion
COPD新ガイドラインが日常診療に与えたインパクト:省略
Closing Remarks
T先生(O大学大学院医歯薬学部総合研究科血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科学教授)
ということで、大変有意義な講演会でした。