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第8回福山地区感染症制御研究会
【一般演題】
「擦式アルコール製剤を使用した効果的な手指消毒の指導への取り組み」
F病院看護部 K先生
【特別講演】
「進化するICT活動」
O大学医学部附属病院感染制御部教授 A先生
抄録
「院内感染対策は、医療法の改正などによって制度として病院に必須の機能となりました。しかし、実質的にICT(インフェクションコントロールチーム)が病院にとって、制度としての「飾り」ではなく、経営的、医療安全上の利点と診療分野としての存在価値を創出できるか否かが、今後の課題であると言えます。この課題を乗り越えるためには、ICTを進化させ、各職種の役割分担を明確に行い、感染症の予防から治療まで体系化することが必要と考えます。進化するICT活動について意見を述べたいと思います。」
感染症医療の展望
治療から予防へ
定着→感染→感染症
すべてのプロセスが感染症治療
予防→治療
(例)アスペルギルス肺炎
院内工事のとき、アスペルギルスが定着しないように、目張りをする
VATの概念の導入
VAP発症までの概念
口腔・咽頭定着
↓
細菌を含む分泌物の気管内チューブカフ周囲から漏れ
↓
気管、気管支定着
↓
VAT
↓
VAP
VAP予防としてのVATの概念
VATに対する抗菌薬治療
VAT
胸部レントゲンで異常なし
喀痰グラム染色で嫌気性菌
ペニシリン系 SBT/ABPC投与後、数時間で熱下がる
VAT治療により
VAP1/2に減少
ARDS1/3に減少
肺炎で死亡1/5に減少
肺炎になる前に治そう!!
MRSA感染症治療の新しい知見
多くは、保菌者
1.感染症と定着
血液・髄液からMRSA→MRSA感染症
喀痰のグラム染色で、有意の貪食像→MRSA感染症
鑑別困難なら治療的診断
2.薬剤感受性
市中型MRSA
NORSA
(多剤に耐性でないMRSA)
院内感染の10%は、NORSA
持ち込みの30%は、NORSA
40%の株は、市中型
MRSAであっても、感受性を確認して、抗菌薬の決定、変更を行う
ミノマイシン、ダラシン、マクロライド、フルオロキノロンの感受性を確認
3.抗菌薬選択
敗血症、肺炎→バンコマイシン、ザイボックス
髄膜炎、関節炎、心内膜炎(バイオフィルムを形成)→バンコマイシン+リファンピシン
血液に侵入することの少ない皮膚、軟部組織→ミノマイシン+ST合剤
バンコマイシンとザイボックス
髄膜炎、肺炎(気道定着に伴う)→ザイボックス
バンコマイシンに対するMICが高くなった場合→ザイボックス
ザイボックス
14日以内に血小板チェック。10万まで落ちたら中止
4.耐性菌抑止
抗MRSA薬のサイクリングが有効か?
・バンコマイシンorタゴシッド
・リファンピシン+ST合剤
・ザイボックス
・ハベカシン
・ミノマイシン+ST合剤
のサイクリング
新型インフルエンザ
蟻とキリギリス
蟻:日本の対策(流行を抑えようとしている。)
キリギリス:アメリカの対策(最初から季節型と同様の扱い)
結果的には、キリギリスが良かったのでは。
蟻では、10月までにワクチン間に合わなければ、大爆発する。
アメリカは山を越した。
この冬のことを考えると、アメリカは有利な条件となった。
ワクチン接種するか、感染しなければ、終わらない
感染流行の第一波を超えたと考えられる米国では、秋以降の季節性と並行して起こる新型インフルエンザの流行を少なく抑えることができると予測される。
新型インフルエンザの危険因子
喘息、糖尿病、免疫不全、心疾患、妊娠
鳥インフルエンザは、新型より怖い
エジプトでは、30人のうち、4人死亡
発病して4日以内に病院に行った人は全員助かった
→早期治療で治る
ということで、大変、有意義なご講演でした。