第369回 福山地区内科会学術講演会
■演題『めまい・難聴における最近の知見~危険なめまいを見逃さないために~』
■演者 Y大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学分野教授 Y先生
抄録
「Y大学で行っている簡易的眼球運動解析法をビデオで供覧する。赤外線CCDカメラ、ビデオ、コンピュータがあれば簡単に行える方法であり、良性発作性頭位めまい症(BPPV)の診断に有用であることを示す。三半規管が原因のめまいであるBPPVの疾患概念は、内科を含め一般的となったが、中枢性疾患を常に念頭に於いて診療を行う必要がある。BPPV様の眼振所見を示す中枢性疾患を呈示する。
また、高齢者のめまい症例に対しては、安易な内耳性めまいの診断は危険であり、常に中枢性疾患を念頭に置く必要性について述べる。めまい・難聴を主訴とする中枢性疾患を示し、危険なめまいを見逃さないポイントについて解説する。」
めまい疾患の頻度(2001)
市中病院、大学病院
末梢性
1)BPPV(疑い含む): 42%、15%
2)メニエール病(疑い含む):10%、20%
3)前庭神経炎: 3%、6%
4)めまいを伴う突発性難聴:1.5%、4%
5)その他: 7%、14%
中枢性
1)椎骨脳底動脈循環不全: 7%、9%
2)聴神経腫瘍など: 1.2%、2%
3)その他: 2.8%、7%
めまい症: 25.5%、23%
BPPV(良性発作性頭位めまい症)
・特定の頭位により誘発される回転性めまい
・一定の頭位で誘発される眼振を認める。
・他の脳神経症状を認めない。
・半規管結石症(9割がこれ):眼振潜時、疲労現象、1分以内
・クプラ結石症:眼振潜時が短く、長く続く眼振
・頭痛が少ないのが特徴
眼球運動画像解析法
・赤外線CCDカメラをめまい患者の眼振観察に使用
・末梢性めまいの診断向上に
・BPPV:時計回りにクルックルッと回る。数10秒で止まる。
高齢者は、内耳性めまいとの鑑別が困難
・内耳動脈は、椎骨動脈の分枝である。
・その他の脳神経症状のない症例では、原因の同定が困難
・垂直性眼振を認めた場合は、中枢性
・方向交替性上向性眼振、方向交替性下向眼振の場合の鑑別が困難
AICA領域梗塞
・難聴
・めまい
・小脳症状
AICA症候群 全小脳梗塞の5%(実際は、もっと多い)
・めまい 100%
・難聴 90~97%
・顔面神経麻痺 38~44%
・小脳症状 27~67%
・患側顔面、健側体幹の温痛覚障害 41~52%
・同側のホルネル徴候 8.7~10%
→24時間以内の補液が重要
AICA症候群における神経耳科学的検討
・感音難聴の障害部位(30例中)
末梢性14例、中枢性4例、不明12例
・平衡障害について
温度眼振検査にて、86%にCP
メニエール病の治療手順
メニエール病は、ストレスと関連ある現代病
・生活指導、行動療法
・マイナートランキライザー常量依存
・うつ傾向:診断、治療
・うつ病:耳鼻咽喉科での限界
STAI:状態、特性不安検査
状態不安:今、不安が高い
特性不安:もともと不安になりやすい人
VAS(Visual Analogue Scale)
特性不安高い人は、治りにくい。→精神科
特性不安低い人は、改善しやすい。
ということで、内科医師向けに、ポイントを絞った講演で、とても有意義でした。