第10回 福山市医師会インフルエンザ講演会
19:15~ 製品情報
19:30~
特別講演
「インフルエンザに関する最近の話題」
H病院臨床研究部長 I先生
日本臨床内科医会は2000/2001年シーズンからインフルエンザ多施設研究に取り組み、数多くのエビデンスを蓄積してきた。
日本臨床内科医会インフルエンザ研究の概要
1)ワクチンの有効性、安全性
有効率70%:非接種で発病した人の70%は、接種をしていれば、発病が避けられた。
インフルエンザワクチンの有効率は、昨年40%。
2)迅速診断
迅速診断キットが陽性化するまでの時間:5分でプラトーに
抗原量との関連:陽性となった時間は、ウイルス量と反比例
良い検体(たくさんのウイルス)なら、1分くらいで出る。
ウイルス量と症状
早期だと、取りこぼしがでる。
発症からの経過時間と感度
24時間以内(特に12時間以内):感度84%、偽陰性あり。
24時間以降は、感度90%
インフルエンザの典型的症状は、突然の発症、38℃以上の高熱、上気道炎症状、全身症状
キット陽性で4項目すべて該当は、70%
4項目すべて陽性で、陽性試験予測率は、90.7%
B型は1年おきに流行してるので、今年は、B型が流行る?
A型とB型の症状の差
A型、B型とも、咳が多い。
鼻汁:A型、B型とも、低年齢ではあるが、高齢になると、鼻汁少ない。
消化器症状は、大人でも出る。
3)抗インフルエンザ薬
アマンタジン(商品名;シンメトレル):A型に有効
ノイラミニダーゼ阻害薬:A型、B型に有効
オセルタミビル(商品名;タミフル)
ザナミビル(商品名;リレンザ)
抗インフルエンザ薬の有効性
タミフルとシンメトレルの有効性
発症から解熱までの時間(発熱時間)は投薬開始が早いほど短い。
初回内服からの解熱時間には、差がなかった。(内服後約30時間で解熱)
タミフルとリレンザの有効性
タミフル投与後、A型は30時間前後で解熱。
B型ではA型よりも解熱時間、発熱時間とも有意に長く有効性が劣っていた。
リレンザはA型とB型の有効性の差が小さく、B型ではタミフルよりも有効性が高かった。
リレンザは吸入薬で、ウイルス増殖部位の気道粘膜に直接到達。
喀痰よりは少ないが、鼻腔洗浄液にも薬物濃度あり
抗インフルエンザ薬の耐性
各国のアマンタジン耐性H3N2ウイルスの検出頻度は、2003年から中国、香港で増加
2005/2006では、日本でもシンメトレル耐性株
タミフル投与前後のIC50は、各年齢層でみて、おちていない。
→タミフル耐性ウイルスが、次の患者にうつる確率は低い。
5年間の研究でタミフルは、毎年高い有効性がみられた。
(過去5シーズンで、タミフル投与後の解熱時間の推移に大きな差はななかった。)
A(H1N1)耐性株が、フランス、ノルウェーで出てきた。
2007~2008/3/31
タミフル耐性A(H1N1)ウイルスが、いろんな国で発生
(タミフル使われてない国でも)
熱は、シンメトレル、タミフルとも、下がるが、熱以外の症状は、タミフルの方が、シンメトレルよりも、よくなる。
インフルエンザ罹患時に抗菌薬の投与を受けた患者で、セフェム系の抗菌薬に比べ、クラリスが咳や鼻汁の改善を早めていることがわかった。
(解熱は、差がなかった。)
鼻腔洗浄液中の炎症性サイトカインの変化。タミフルは、サイトカインを抑える。
マクロライド薬は、サイトカインを抑える作用あり
タミフルの投与を受けた患者で、小児や成人の肺炎合併率は少ないが、高齢者では高く、65~79歳では2%、80歳以上では13%
高齢入院患者では、血清アルブミン値が低いほど、肺炎の合併率が大
United Healthcare Database試験(米国FDA)によると、
インフルエンザ診断後30日以内の全死亡率は、タミフル投与により、1/11に減少
ということで、実践的な内容で、大変有意義なご講演でした。
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