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2008.08.27 23:53 |  講演会  |  糖尿病  |  ちんすけ  | 推薦数 : 1

8/27インスリン講演会(尾道市)

第57回尾道市医師会生活習慣病関連講演会 

情報提供: 18:45~  

特別講演:「超高齢社会に進む日本の新たなインスリン治療」
講師:K大学大学院医学研究科内科学講座老年内科学教授 Y先生 

65歳以上の人口が総人口に占める比率
7%:高齢化社会
14%:高齢社会
21%:超高齢社会

超高齢社会は、日本のみ

高齢化社会から高齢社会への到達年数の国際比較
フランス115年
スウェーデン85年
西ドイツ、イギリス45年
アメリカ75年
日本は、25年。10年で、超高齢社会に(2005年)。2013年には、25%に。

出生率・合計特殊出生率の年次推移(日本)
第1次ベビーブーム:4.32
第2次ベビーブーム:2.14
2005年:1.25(最低の出生数106万人)
2007年:1.34
日本の人口を維持するには、2.08必要

各国の合計特殊出生率
米国は、2.08を維持
フランス、スウェーデンは、2.08に近づきつつある。

対GDP比の比較
日本、米国<ドイツ<フランス<スウェーデン

人口減少このまま進んだら(朝日新聞2006年1月)
20世紀:83万人/年増加
21世紀:86万人/年減少
2100年:4109万5千人
2200年:852万人
3300年:人口0に

今後も進行する少子高齢化
小児人口(0~14歳):減少
生産者人口(15~64歳):2000年をピークに、以後低下
高齢者人口(65歳以上):増加
1997年に初めて、高齢者人口>小児人口
現在は、高齢者1人を4人で支えているが、2050年には、高齢者1人を1.3人で支える計算に

ここから、糖尿病の話

糖尿病患者増加。特に、60代、70代で増加。

尿糖+者における空腹時血糖値と75gOGTT2時間血糖値の相互関係(加西市集団検診)
→高齢者では、2時間血糖値が大(高齢者は、負荷をかけると異常出ることが多い。)

加齢に伴う耐糖能低下のメカニズム
・加齢に伴う体組成変化。骨格筋↓、脂肪組織↑(相対的に)、インスリン抵抗性↑
・運動量の低下
・糖質過剰の食事内容
・インスリン初期分泌の遅延・低下(特に、日本人)
・加齢に伴うミトコンドリア機能の低下

2型糖尿病の治療(アメリカ糖尿病学会、ヨーロッパ糖尿病学会共同声明)
期待されるHbA1c低下値
食事・運動療法 1~2%
   ↓
経口剤1剤 
   ↓ 経口剤で、0.5~1.5%
経口剤2~3剤 
   ↓
インスリン導入 1.5~2.5%

インスリン治療患者の年齢分布
2型糖尿病:加齢に伴い増加

2型糖尿病治療戦略
ステップ1.経口剤単独
ステップ2.経口剤併用
ステップ3.+基礎インスリン
ステップ4.基礎+追加インスリン

BOT(basal supported oral therapy)

Treat to Targetの概念
目標値をできるだけ、健常人のHbA1cに近づける。

APOLLOスタディ
経口剤+ランタス VS 経口剤+リスプロ3回
→HbA1cは同程度下がった。空腹時血糖はランタス群の方が下がった。低血糖はランタス群が少なかった。

LAPTOPスタディ
ランタス+アマリール+メルビン VS 混合型インスリン2回
→ランタス群の方が、HbA1cよく下がり、低血糖も少なかった。

GOAL A1cスタディ
2型糖尿病の高齢者に対するランタス投与による血糖コントロール、安全性
→軽い低血糖(<70)はあったが、低血糖(<50)は少なかった。HbA1c下がった。

BOT有効性、安全性の比較
経口薬→ランタス1回 VS 経口薬→レベミル1回(必要に応じて2回)
→HbA1c低下度と低血糖頻度には、差がなかったが、
52週時の投与量と注射回数は、レベミルは2回打ちが55%で、インスリン投与量もレベミルが多かった。

各種インスリンの作用動態
レベミルは、NPHとランタスの中間に位置する。

U先生(N大)によると、1型糖尿病患者の超速効型インスリン(ヒョーマログ)の使用実態は、
・QQQ+NorUを1回 28.6%
・QQQ+Nを2~3回 16.9%
・CSII 1.2%
・その他の使い方が、53.3%

オーダーメイドインスリン療法
RRRN→QQQL
一人ひとりのライフスタイルにあった小児・高齢者におけるオーダーメイドインスリン療法
Mix-R-Q-Lから、Lの隔日投与まで

ランタス注ソロスター
・操作が簡単なキット製剤
・注入時の押し込みが軽い

Haakスタディ
総合評価:ソロスター>フレックスペン>ヒューマカート、(ログ)キット

老年病の特徴と薬物療法
高齢者は、
・多疾患を合わせ持つ
・多ドクターにかかる
・多剤併用となる
・薬剤の副作用
・症状が非典型
・腎機能↓
・ADL、QOLを損なう

老年医学的総合機能評価法における3つの構成要素
○身体面(病気とADL)
○精神・心理面(認知症、うつ病)
○社会・経済性(介護・住居)
3つの○の交わったところ:生活機能

高齢者総合機能評価
CGA Comprehensive Geriatric Assessment
1.身体機能
2.認知機能
3.基本的ADL
4.社会的ADL
5.主観的幸福度
6.うつ
7.社会的サポート
8.経済余裕度

認認介護:軽い認知症患者が、重い認知症患者を介護
どちらかが亡くなったら、56%は、長男の嫁が介護することになる

高齢者を対象としたCGAの実際
糖尿病、非糖尿病、認知症の比較
2.認知機能(MMS)のみ、差がついた。非糖尿病>糖尿病>認知症
他の項目では差が出なかった。

糖尿病 VS 早期認知症における、MMS下位項目の比較
糖尿病群:注意力↓
早期認知症群:時間見当識↓、遅延再生↓

健常高齢者糖尿病 VS 虚弱高齢糖尿病(自立できない。介助必要)
→虚弱群の方が、年齢↑、罹病機関↑、インスリン治療↑

高齢者糖尿病の虚弱となる主な原因
1/3は、認知機能の低下
・視力障害
・脳血管障害後遺症
・末期腎不全

虚弱高齢糖尿病における総合機能評価
MMS:在宅22.9%、非在宅16.7%
キーパーソンの存在:在宅91.4%、非在宅46.8%

2型糖尿病における認知症の相対危険度
・久山町スタディによると、血管性認知症2.8、アルツハイマー型認知症2.2
・いろいろなスタディを総合すると、血管性認知症2~3倍、アルツハイマー型認知症はデータのばらつきあり。差のないのが多い。
・Rotterudamスタディによると、血管性認知症2.0、アルツハイマー型認知症1.9

アルツハイマー専門誌:アルツハイマーは、3型糖尿病

ロジグリタゾンを早期のアルツハイマー患者に投与
→認知機能の低下を遅らせた。

The 'CNS hypothesis'
高インスリン血症は、脳のインスリン濃度が減る。
記憶とインスリン、インスリン受容体

高インスリン血症とアルツハイマー病
・脳内のインスリン作用の障害
・Aβの脳からのクリアランスの障害
・脳での炎症と血管内皮障害

糖尿病における認知症の発症機構

  糖尿病
    ↓
  発症機構
・動脈硬化(脳梗塞)
・細小血管症
・糖毒性
・インスリン
    ↓
  脳の病変
血管性認知症、加齢、アルツハイマー型認知症
    ↓
糖尿病性認知症

老年症候群 Geroatroc Syndrome(I先生)

糖尿病
  ↓
高血糖


・        etc.
  ↓
 老化

糖尿病患者は、男女とも寿命が10年短い

高齢者のHbA1cの目標に関しては、エビデンスなし

質問コーナー
・低血糖は、認知機能を低下させる。
脳はブドウ糖以外にいろいろなものを栄養源に。
しかし、高齢になると、ブドウ糖のみに。
高齢になると、末梢と脳の血糖値に差がでる。
脳を守る意味で、血糖値は高めにという考えもあり。
エビデンスはないが、高齢者では、HbA1cの目標値=年齢/10という考え方も
大血管障害、細小血管症を起こさないためには、HbA1cは6.5~7に

ということで、大変有意義な講演でした。

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