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2008.08.22 23:11 |  講演会  |  骨粗鬆症  |  ちんすけ  | 推薦数 : 1

8/22骨粗鬆症講演会

骨粗鬆症学術講演会

【特別講演】 19:10~20:30

「ビスフォスフォネート治療の最前線と問題点~顎骨壊死を含め~」
T大学医学部保健学科教授リハビリテーション部長 H先生

●1.骨粗鬆症治療の現状

骨粗鬆症患者は、非常に多い。

骨粗鬆症にかかっている女性の割合
・50代女性:10人に1人
・60代女性:3人に1人
・70代女性:2人に1人

2002年の統計によると、
骨粗鬆症患者数は、約1100万人、治療患者数は、20~25%

日本整形外科学会によると、1996年と2006年では、治療薬が大きく変わった。明らかに骨折の予防効果のエビデンスのあるALNアレンドロネート(商品名ボナロン、フォサマック)、RISリセドロネート(商品名ベネット、アクトネル)、RLXラロキシフェン(商品名エビスタ)が使われるようになった。

大腿骨頚部・転子部骨折患者の術後の薬物治療について
→行うが50%。1位は、アレンドロネート、リセドロネート

●2.顎骨壊死の発生率と危険因子

顎骨壊死(ONJ)
(BONまたは、BRONJとも呼ぶ)

ONJの症例
露出した壊死骨

ステージ1:感染(-)
ステージ2:感染(+)
ステージ3:病的骨折、壊死による骨の消失

ONJ
薬物治療の影響(2003年~)

MarxとRuggieroは、ONJがビスフォスフォネート剤の投与と関連性があることを提唱した。

ONJの診断基準
①米国口腔外科学会のもの
②欧州骨粗鬆症WGのもの

NRONJ発生頻度
経口アレンドロネート
①の報告では、0.7件/10万人年
②の報告では、1件未満/10万人年
注射アレンドロネート
①の報告では、0.8~12%
②の報告では、95件/10万人年

ONJ発症のメカニズム:よくわかっていない。

骨の露出サイズと経口ビスフォスフォネート製剤の投与期間には、明確な指数関数的関係あり

骨代謝マーカーが抑えられている人ほど、高いリスク

ONJの危険因子
・米国口腔外科学会
ステロイド、糖尿病、喫煙、飲酒、口腔衛生の不良、化学療法剤
・米国歯科医師会
歯科治療、高齢、ステロイド、歯周病、癌患者

BIS処方に際しての注意
経口製剤
・投与前:歯科受診の際には、服薬を伝える。口腔衛生と定期的なデンタルケア
・投与中:侵襲的歯科手術必要になった場合、3年以上内服orステロイド併用なら、3か月休薬。3年未満の内服で危険因子ないなら、中止必要なし。
・投与中にBRONJ発生:BIS休薬
注射製剤
・投与前:歯科検診を受ける。歯科処置必要な場合は、開始前に完了する。
・投与中:手術部位が治癒するまでは、BIS治療の延期が望ましい。
・投与中にBRONJ発生:BIS継続のリスクベネフィットを考慮して、決定。

アレンドロネート使用例での心房細動発生

●3.骨折の発生率と危険因子

介護が必要となった原因
1位 脳卒中
2位 高齢による衰弱
3位 骨折・転倒

大腿骨近位部骨折(頚部、転子部、転子下骨折)の1年後のADLを調査
→寝たきり2倍に、生活自立半分に

大腿骨近位部骨折の生存率(日本)

大腿骨近位部骨折の性・年齢階級別患者数、発生率

50歳日本人女性が死ぬまでに大腿骨近位部骨折を起こす割合は?
→5人に1人

大腿骨近位部骨折発生率は、経年的に上昇している。(鳥取県調査、1986~2006年)

フィンランドの大腿骨近位部骨折患者数推移(50歳以上)
→下がってきている。ビスフォスフォネート製剤が適正使用されているため。

骨粗鬆症の定義

骨粗鬆症の診断基準(2000年改訂版)

脆弱性骨折予防のための薬物治療開始基準(ガイドライン2006)
→リスクの累積を考慮してないので、問題あり

FRAXTM(WHO骨折評価ツール)
http://www.shef.ac.uk/FRAX/tool_JP.jsp?locationValue=2

FRAXの問題点
・大腿骨頚部骨密度を入力。
・計算方法は、ブラックボックス
・どれくらいで治療開始かは、わからない。

脆弱性骨折
・fragility fracture
・insufficiency fracture

●4.新しい治療戦略

骨粗鬆症治療薬の分類
・骨吸収抑制剤
 ビスフォスフォネート
 SERM
 エストロゲン
 カルシトニン
 イプリフラボン
・骨形成促進剤(日本では未発売)
 副甲状腺ホルモン(PTH)
 蛋白同化ホルモン
・どちらにも属さないもの
 ビタミンD3、ビタミンK2

推奨グレードすべてAは、リセドロネート、アレンドロネートのみ
大腿骨近位部骨折予防効果あり

治療対象による予防効果の違い
リセドロネート(Hipスタディ)NNT91
リセドロネート(アルツハイマー患者対象)NNT16

骨粗鬆症の総死亡率に及ぼすビスフォスフォネートの効果
→Zoledornate5mg/年1回注射で、28%減少

ということで、有意義な講演でした。

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