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2008.03.27 23:17 |  講演会  |  神経内科  |  精神科、心療内科  |  ちんすけ  | 推薦数 : 1

3/27片頭痛TV講演会

 19時半よりTVシンポジウム

テーマ:片頭痛に潜む心理的要因ー併存症の判別と対処法のコツー

演者:T大学医学部心療内科講師 H先生

頭痛の疫学:片頭痛8.4%

国際頭痛分類第2版(ICHD-Ⅱ)

片頭痛診断のポイント
拍動性や片側の頭痛でなくとも、中等度~重度の発作性の痛みで、日常生活に影響があり、吐き気などの随伴症状があれば、片頭痛と診断してよい。

片頭痛スクリーナー

片頭痛の薬の原則
・鎮痛剤は、単剤投与を基本
・随伴症状ある場合は、制吐薬等を併用
・投薬開始後3回目の発作までは、投薬内容を変更せず、経過をみる。

急性期片頭痛治療薬のエビデンスサマリー
薬剤名、エビデンスの質、お勧め度の順で
トリプタン、A、A
エルゴタミン、B、B
NSAIDs
アセトアミノフェン、B、A
アスピリン、A、A
イブプロフェンA、A

中等度~重度の第1選択薬は、トリプタン
軽症では、NSAIDsのみでもO.K.

片頭痛の急性期治療
Group1(確実な有効性):トリプタン、アセトアミノフェン+アスピリン、イブプロフェン
Group2(ほぼ確実):クロルプロマジン静注、ナプロキセン
Group3(不確実):エルゴタミン、アセトアミノフェン、メトクロプラミド
Group4,5(無効)

各トリプタンの特徴
・レルパックス:確実な効果、半減期が長い(再発しにくい)
・イミグラン:即効性、ペインフリー効果
・マクサルト:味、立ち上がりの早さ、飲みやすさ
・ゾーミック:もろくない、携帯のしやすさ、立ち上がりの早さ
マクサルト、ゾーミックは、口腔内崩壊錠なので、吐き気があっても飲みやすい。

緊張型頭痛(ICHD-2)
・片頭痛と対比、対照的に説明
・一次性頭痛の原因の半分以上で最多(病院受診するのは、片頭痛が多い)
・後頭部~頸部にかけての軽い痛み
・日常生活への影響はそれほどない

デパス、テルネリン、ミオナール等の頻用されている薬のエビデンスは低い。
NSAIDsには、高い評価がされている。
抗うつ薬(アミトリプチン)も高い効果

片頭痛が難治化する要因
・トリプタンの服用タイミングの遅れ
・予防薬が不十分
・共存/併存疾患の問題
・薬物乱用の影響

●トリプタンの服用タイミングの遅れ

症例

・痛くなってすぐ飲む
・アロディニア(頭、手足がぴりぴり。神経症状)が出てからでは遅い。
・前兆期・予兆期に飲んでも効かない
・制吐剤の併用(著効)or 鎮痛薬の併用

トリプタンが効かないとき
・タイミング:早期服用する(早すぎても効果なし。予兆期は効かない。)
・本当に片頭痛か?
・薬物乱用
・悪心、嘔吐による吸収障害

●予防薬が不十分

片頭痛の予防療法
保険適応があるのは、塩酸ロメリジンのみ(Group2)
2ヶ月間内服して、効果判定を

●共存/併存疾患の問題

心療内科で特に多い疾患:頭痛

初診患者50名の頭痛を主訴とする割合:24%に頭痛あり

頭痛と精神疾患の関係

1.頭痛の二次的症候としてのうつ、不安(いわゆる神経症)

2.頭痛のco-morbidityとしてのうつ、不安

3.うつ・不安の部分症状としての頭痛

4.頭痛の遷延化因子としての身体表現性障害

5.身体表現性障害の部分症状としての頭痛

片頭痛患者のうつ病生涯罹患率
→片頭痛あると、うつ病に4倍かかりやすい

パニック発作の既往の週間頭痛罹患率(男性)
→片頭痛あると、パニック発作起こりやすい

片頭痛と抑うつ

片頭痛患者→明らかにうつ傾向強い。

片頭痛とPanic

頭痛、心理:悪循環のメカニズム

では、うつや不安をどのように見つけるのか?

3つのスクリーニングと診断方法
・MINI(構造化面積)
・質問紙:SDS、SRQD、BDI
・簡便な質問による診断(2質問法)

代表的質問紙:STAI

症例

うつ、不安が随伴する片頭痛へのアプローチ

相互作用の少ないSSRIを処方

ジェイゾロフト
新しいSSRI
1日1回の投与
確実な効果と少ない副作用
線形性を持つ唯一のSSRI

抗うつ薬が痛みに効く機序
・疼痛閾値を上げる効果あり
・痛みの下行性伝導の2つの疼痛抑制系を介した効果

抗不安薬
注意必要。処方は、最初の1ヶ月を原則

症例

身体表現性障害の治療原則
・やたら症状がある
・ドクターショッピング
・薬剤をたくさん飲んでいる。
・1人の医師が主治医になるべき
・検査は必要最小限で
・診察は短時間、定期的に
・治すというスタンスではなく、支援する

鑑別のまとめ
・うつ病による頭痛
→SRQD、憂うつ、興味の消失、不眠
・パニック障害、全般性不安障害による頭痛
→STAI、動悸など発作的な症状
・身体表現性障害(身体化障害)
→多彩な主訴、薬が効かない
・幻覚妄想に伴う頭痛
→奇妙な訴え(脳をつかまれるような)

●薬物乱用の影響

症例1(治療成功例):もともとは片頭痛、薬物乱用頭痛
→バファリンの完全中止、ミグシス+トリプタンを処方
1ヵ月半後、頭痛が奇跡的に減少
3ヵ月後、ベースの痛みが低くなり、前兆がこの2ヶ月はない。

症例2(治療失敗例):片頭痛、薬物乱用頭痛
→同じような治療をしたが、半年後に、自己判断で、ナロンエースを服用

国際頭痛分類
薬物乱用頭痛(MOH)
改定診断基準のポイント:中止による頭痛の改善を要件としなくなった。

薬剤中止後の再発率
→6ヶ月までが高い。6ヶ月まで大丈夫なら、1年たっても大丈夫。

専門医へ紹介するケース
・性格の偏りがあり、治療関係が構築しにくい患者
・物質依存
・自殺念慮の存在
・トラウマ経験のある患者
・妄想的な訴えのある患者

ということで、有意義な講演でした。


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2008.03.27 12:56 |  アクセス数  |  ちんすけ  | 推薦数 : 0

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