第352回福山市医師会循環器病研究会
製品紹介 18:45~19:00
演 題
~レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の新時代~
アルドステロンブロックの重要性
M病院内科教授 S先生
ヒトの血圧測定が可能になってわずか103年
レニン発見(1898)!
RA系の出発へ Robert Tigerstedt
1956 SkeggsLT
レニン・アンジオテンシン系全貌解明成功
RA系抑制薬、高血圧研究者の夢が開花
ACE-I:1983 カプトリル
ARB:1998 ニューロタン
選択的アルドステロンブロッカー(SAB)
降圧治療の新たな選択肢
エプレレノン(セララ)(全く新しいタイプの降圧薬)
(食塩あってもなくても、同じように血圧下げられる)
どう使うか
・降圧薬としての使い方(適応・禁忌を理解)
・それぞれの専門家がRA系抑制薬に併用する臓器保護薬としての使い方
(心不全、心筋梗塞)
●1.アルドステロンとMR:基本事項
1953年:アルドステロン発見(牛の副腎から。最初の名前は、エレクトロコルチン。電解質ホルモンと考えられていた。)
by Simpson and Tait(後に、夫婦に)
1954年:アルドステロン構造決定 mineralcorticoid
アルドステロンの古典的な位置づけ
アルドステロンは、腎臓ホルモン
Naの再吸収とKの分泌
1992~1994
アルドステロンと食塩で、心臓に強い線維化が起きる by John W.Funder
心線維芽細胞には、MRは発現していない。
アルドステロンによる心線維かは、直接作用ではない。
2000~
アルドステロンの新しい臓器障害は、食塩の存在下で
血管炎、炎症細胞の浸潤を起こす
アルドステロンは腎臓だけのホルモンではなく、心血管系疾患のリスクホルモンである。
ミネラルコルチコイド受容体(MR)は、腎臓などの上皮組織だけではなく、心血管系などの非上皮組織にも存在する
食塩との関連:アルドステロンのみでは、心線維化は、起きない。
ニューギニアの高地に住む人々は、1日の食塩摂取量が低く、血中アルドステロン濃度は高値だが、血圧低く、心血管障害もない。
→アルドステロンが高いことが問題なのでなく、食塩とのバランスが重要
ターゲットは、アルドステロンか食塩か
●2.降圧薬としてのエプレレノン
2004
アルドステロン濃度は、血圧上昇、高血圧発症のリスクに関与
ラットのアルドステロン高血圧は、100%、中枢circumventricular MRを介する。
エプレレノン
高血圧に適応を持ち、実際に使用可能な国は、日本とアメリカのみ
→今後、日本から、エビデンスを
降圧薬としてのエプレレノンとスピロノラクトンとの違いを考える。
エプレレノン:ファーストラインの可能性
スピロノラクトン:対象をしぼって用いる。(4番目に使う薬)
内分泌性副作用
高K血症の問題
エプレレノンの特徴
1.MR選択性を高めた薬剤
2.ただし、そのMR拮抗作用は、スピロノラクトンより弱い薬剤
エプレレノンは、MR選択性が極めて高い。
スピロノラクトン
75~100mg使用で効果あるが、16~20%に内分泌性副作用が出る。
エプレレノンの副作用
非特異的なもので、特徴となるものはない
エプレレノンは、MR拮抗作用がスピロノラクトンより弱い
スピロノラクトンの代謝産物もMR拮抗作用を持つ。
スピロノラクトン代謝産物:血中濃度上がり、24時間持続
エプレレノンの代謝産物は、MR拮抗作用を持たない。
Kの変動
エプレレノン400mgと、スピロノラクトン100mgで同じくらい。
エプレレノン用量とK値上昇(>1.5mEq/L)の頻度
→適応選べば、50mg、100mgでは、ほとんどK値上昇しない。
セララ:非上皮組織のMRをブロック
エプレレノンで降圧されてもされなくても、血清K値は、変わりがない。
スピロノラクトンとエプレレノンの降圧曲線と高K値症の副作用の頻度
スピロノラクトン:降圧利尿薬
エプレレノン:血管作用型(?)降圧薬
エプレレノンは、適応でない人をしっかり見極める。
降圧薬として用いる際の注意点は、腎機能である。
日本人を対象としたエプレレノンの臨床効果 (8w)
→性ホルモン関連有害事象なく、高K血症は1例も認めず
低レニン性高血圧患者でも、血圧が下がった。
黒人/白人高血圧患者を対象とした
エプレレノンとロサルタンの効果
→エプレレノンは、黒人も白人も血圧を下げた。
レニンプロフィール、食塩感受性に関わらず降圧
(参考:黒人高血圧は、低レニン性高血圧で、食塩排泄しにくい。
塩分制限のうえ、利尿薬使用しないと下がりにくい。)
セララ自験例
腎臓悪い人を除いて使用すると、血清K値は、ほとんど変わらない
期待される対象
・糖尿病合併高血圧患者
・肥満と伴う高血圧患者(メタボリックシンドローム)
糖尿病とアルドステロン
新規糖尿病発症の予防は?
1型糖尿病:アルドステロンは、膵臓β細胞の機能低下を起こす。
インスリン分泌は、セララで回復
2型糖尿病:アルドステロンは、インスリンシグナルを抑制。
セララで回復。
メタボリックシンドローム伴う高血圧は、食塩感受性高血圧であることが多い。
脂肪細胞とアルドステロン
●3.臓器保護薬としてのエプレレノン
高食塩下のアンジオテンシンⅡによる血管障害、蛋白尿は、エプレレノンで抑制できる。
RA系抑制薬では、予想以上にアルドステロンはコントロールされていない。
重要になってきたRA系抑制薬のアルドステロンブレイクスルー対策
RALES研究は、アルドステロンブレイクスルー対策として計画され、大きなインパクトを与えた。(ACE-Iにスピロノラクトン追加)
EPHESUS(2003)
エプレレノンは、投与1ヵ月後に総死亡率を確実に低下させた。
さらに進展する心血管系薬としてのセララ
スタディ進行中
腎臓
適応を熟知した腎専門医が使用
クレアチニンクリアランス50未満は、禁忌
微量アルブミン尿、蛋白尿を伴う糖尿病患者は禁忌
RAASの新たな概念
ーアルドステロンが中心にー
Potent No Inducer
ーヒトは血管から老いるー
ACE-I
スタチン
アルドステロンブロッカー
参考:2007年11月1日の先生のセララTV講演会
http://blog.m3.com/magic/20071101/1