19時より広島医科学セミナー
~基礎から臨床まで~
情報提供後、
特別講演I
「COPD増悪に対するアプローチ」
C大学大学院医学研究院加齢呼吸器病態制御学准教授 T先生
慢性呼吸器疾患は、増悪すると、元に戻らない。
COPD
・中枢気道の炎症
・末梢気道の炎症:病理でしかわからない。呼吸機能で。動くと息苦しい。
・気腫性病変
喘息:安静時でも呼吸困難
COPDの治療戦略
1.安定期の呼吸機能を内科的治療により最大限に改善する。(スピリーバ)
2.いかに増悪を抑制するか?
3.全身性炎症反応/栄養障害を改善する
→全身性疾患としてのCOPDに対する治療
(喘息は肥満で悪化する)
喘息の治療戦略
1.喘息発作を可能な限りゼロに近づける
→吸入ステロイドをいかに使用するか?
2.いかに、増悪を抑制するか?
COPD治療薬の位置づけ
喘息治療薬の位置づけ
換気機能障害によるCOPD重症度別治療
COPD・喘息の増悪を考える
重症度別増悪
・気管支炎を起こして、咳、痰が増加→軽症の増悪
(ウイルス性上気道感染かもしれない)
・気管支炎を起こして膿性痰が増加→中等度の増悪
(細菌性の上気道感染)
・気管支炎を起こして、基礎疾患で
あるCOPDの病変の増悪を起こし、→重症の増悪
息切れが増悪
・気管支炎を契機とする喘息発作を→重症の増悪
合併して、息切れが増悪
増悪とは?
症状の変化、治療の変更に基づく定義
増悪症状の時間経過
労作時の息苦しさの増強
どうして増悪が重要なのか?
COPD、喘息
「軽快しても、肺機能は基のレベルには戻らない」
何が増悪を起こすのか
気道感染症(ウイルス、細菌)
右心不全
COPDにおける気道炎症
・肺胞上皮細胞アポトーシス
・肺胞壁破壊
・肺胞構造リモデリング
喘息における気道炎症
・気道炎症
・気道壁リモデリング
COPD・喘息における増悪
ウイルス・細菌
↓
気道上皮細胞
↓ ↓
好中球増悪時↑ 好酸球増悪時↑
↓ ↓
気道炎症の増強、平滑筋のれん縮
増悪に対する治療戦略は?
気管支拡張薬、ステロイド薬、抗菌薬
増悪が治った後に、予防戦略を
COPDの気道感染 ←抗菌薬
↓
COPDの気道炎症↑ ←全身性ステロイド薬
ステロイド投与は、特に増悪初期の呼吸機能を回復
COPDの予防は?
COPD増悪の抑制
→去痰薬は増悪回数を抑制する。
去痰作用以外にN-acetylcysteineは、
1)アンチオキシダント作用
2)抗炎症効果
を有している
ムコダインによるCOPD増悪抑制
→去痰作用だけではない
感冒、増悪の回数を減少
ムコダインの感染防御に対する作用
ムコダインの好中球遊走抑制効果
ムコダインとモンテルカストの
アレルギー性炎症抑制効果
気道過敏性抑制効果
ムコダイン
・Th2リンパ球に対する影響
・Th1リンパ球に対する影響
・気道過敏性抑制効果
・MUC5AC抑制作用
・酸化ストレスにより誘導されるアポトーシス抑制効果
・抗アポトーシス作用
・炎症性サイトカイン産生抑制
PEACEスタディ
ムコダインのCOPD患者における増悪抑制効果の検討
ムコダイン VS コントロール
ドロップアウトすくなかった。9割以上の達成率
→ムコダインにより、増悪頻度の減少、感冒回数の減少、QOLの改善
全身性疾患としてのCOPD
COPDの死因(欧米)
心血管疾患27%
悪性腫瘍(肺癌)21%
肺疾患(呼吸不全)35%
COPDの死因(日本)
5~6割が呼吸不全。
悪性腫瘍(肺癌)は20%
心血管疾患は少ないだろう
1.全身性の炎症反応:高感度CRP↑
2.栄養障害と体重減少
3.骨格筋の萎縮
4.心血管系障害(動脈硬化性疾患)
COPDと全身性炎症
補中益気湯によるCOPDの治療
→COPDの栄養状態・免疫機能を改善
→全身性炎症の改善
→食欲↑、気力↑
→増悪回数↓
→QOL、生命予後の改善
COPDにおける栄養の評価
補中益気湯で、Pre-アルブミン(栄養の指標)が改善し、炎症が改善した(CRPが下がった)。TNF-αも抑えられた。
ムコダインは、呼吸器系の炎症を抑制。
(おそらく、全身性の炎症も抑えるだろう。)
増悪の多くは、気道感染が契機となる。
増悪の病態を理解することは、治療戦略につながる。
予防戦略:ムコダイン
ということで、有意義でした。
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