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1.実技ワンポイントレッスン むくみの診たて ~むくみをどうみるか~ |

第230回福山胸部疾患研究会
製品紹介 19:15~
特別講演 19:30~
「高齢者肺炎の予防ならびに治療の新戦略」
T大学病院老年科准教授 O先生
1.高齢者肺炎の成立機序
肺炎死亡率の経時的変化→増加
現在、人口10万人当たり85人
平成15年肺炎による死亡:65歳以上95%
ー肺炎は、老人の友ー
高齢者難治性肺炎の胸部レントゲン像、CT像(背側から)
1)高齢者肺炎と不顕性誤嚥
高齢者市中肺炎患者においても、不顕性誤嚥が効率に認められる。
嚥下の3相
・口腔相(随意相)
・咽頭相(反射的)←重要
・食道相
2)不顕性誤嚥と大脳基底核病変
嚥下反射時間(Swallowing latency)の簡易測定方法
NHKためしてガッテン(平成19年2月21日放送)
元気な方は、2秒前後だが、肺炎を繰り返す方は、10秒から20秒。30秒の方も。
肺炎を繰り返す高齢者のMRI像
ー両側大脳基底核領域におけるラクナ梗塞の重要性ー
正常群、片側にラクナ群、両側にラクナ群では、
嚥下反射時間:正常<片側<両側(どの群も日中<夜間)
特に、両側群の夜間に長くなる。(肺炎の始まりは夜?)
不顕性誤嚥発生率:正常群<片側群<両側群
2年間の肺炎発生率
正常群10%<片側群25%<両側群50%
3)不顕性誤嚥とドーパミンおよびサブスタンスP
動物モデルでの嚥下反射の検証
ドーパミン受容体拮抗薬の投与により、モルモットの咽頭・喉頭粘膜内のサブスタンスP濃度を有意に減少させる。
肺炎患者・健常人における喀痰中のサブスタンスP濃度
→健常人の喀痰には、サブスタンスPが多く含まれていた。
咳反射(咳反射感受性)の測定法
クエン酸を薄い濃度からだんだんと濃い濃度のものを吸入させていき、どの濃度で咳が出たか
→肺炎を繰り返す患者で、咳反射が落ちている。
誤嚥性肺炎の発症機序
不顕性誤嚥(嚥下反射↓、咳反射↓)→肺炎の発症
1のまとめ
1.肺炎を繰り返す高齢者は、嚥下反射、咳反射が低下し、不顕性誤嚥
2.嚥下反射は、特に夜間就寝時に低下しやすい
3.不顕性誤嚥は、大脳基底核のドーパミン作動神経に関係
4.サブスタンスP低下
2.誤嚥性肺炎の予防法
1)薬物療法
a)ACE-I
嚥下反射を改善し、咳反射を更新させる
脳卒中後高血圧患者におけるACE-Iの肺炎予防効果
ACE-Iの肺炎予防効果の機序
ACE-Iは、サブスタンスPの分解酵素でもある。
b)カプサイシン
赤唐辛子
カプサイシンと嚥下反射時間
カプサイシントローチは、来年発売予定
(穴をあけたのは、誤嚥しても大丈夫なように)
嚥下反射、咳反射に対するカプサイシントローチの効果
カプサイシンの作用機序
末梢神経に働いて、サブスタンスPの遊離を促進する
c)ドーパミン、アマンタジン
アマンタジン(シンメトレル)の肺炎抑制効果
d)シロスタゾール
脳卒中後患者におけるシロスタゾールの肺炎抑制効果
シロスタゾールの作用機序
大脳基底核に作用して、脳血流を増やすのだろう
e)葉酸
葉酸欠乏すると、肺炎の発症多い。
葉酸補充により、嚥下反射改善し、肺炎の発症頻度↓
作用機序
ドーパミン合成の補酵素
f)半夏厚朴湯
脳血管障害患者、脳変性疾患患者における肺炎の発症を抑制する
g)黒胡椒アロマパッチ
アロマセラピーによる脳血流改善部位
島皮質の血流をよくする。
ブラックペッパーアロマパッチをパジャマの襟の裏側に貼る。
(表だと、患者がはがしてしまうことがあるから。)
咳反射は有意差なかったが、嚥下反射は、10数秒から5秒未満に改善
血中サブスタンスP、嚥下回数も有意に増加。
特に、食べられない方に適している。
h)クエン酸モサプリド(ガスモチン)
胃ろうでも、誤嚥が起きる患者に
胃食道逆流が起きる
ガスモチンは、PEG施行患者における肺炎の発症を抑制する。
30分前に投与する
ガスモチンは、PEG造設後患者の生命予後を改善させる
作用機序
幽門部に働いて、胃から十二指腸への流れをよくするのでは。
☆「飲み込みやすい」食事の工夫
ステップアップ
嚥下障害に対するTRPM8アゴニスト
ミント(メントール)入りゼリーの開始
ミントは、嚥下反射時間を有意に改善させる。
平成19年9月販売開始。
2)口腔ケア
口腔ケア用品
スポンジブラシ、歯間ブラシ、舌クリーナー
口腔ケアした群は、口腔内雑菌を減らし、嚥下反射時間が短縮
唾液中のサブスタンスPが少しずつ増加
ADLもアップしてくる
→歯肉刺激が脳を活性化するのだろう
口腔ケアは、高齢者介護施設入所者の肺炎を抑制する
3)食後2時間の座位保持
食後2時間の座位保持と発熱日数
食後2時間座位保持群は、1人あたりの平均発熱日数が有意に低下
4)抗精神病薬の使用頻度の抑制
抗精神病薬と嚥下反射
抗精神病薬投与により、嚥下反射時間が伸びる
ベンゾジアゼピン系薬は、有意差なかった。
抗精神病薬は、脳のドーパミン受容体拮抗作用を持っているのだろう
2のまとめ
1.予防に有効な薬剤
2.口腔ケア、座位保持、抗精神病薬↓を組み合わせて使う
3.ワクチン投与による高齢者肺炎の予防
1)BCGワクチン
細胞性免疫と液性免疫とTh1/Th2サイトカインバランス
ツ反は、細胞性免疫に関係
ツ反+及びツ反ー患者における肺炎の発症頻度(20か月)
→ツ反ー群の方が、肺炎発症率が多かった。
ツ反ー患者におけるBCG接種による肺炎発症の抑制効果
2)インフルエンザワクチン
インフルエンザ後の肺炎球菌性肺炎多い。
寝たきり高齢者におけるインフルエンザワクチン1回接種後の各抗体価の上昇率
→1回打っただけで、しっかりと抗体価上昇
寝たきり高齢者におけるインフルエンザワクチン接種の効果
→発熱日数↓、呼吸器症状↓、心不全↓(有意差なし)、入院↓(有意差なし)
3)肺炎球菌ワクチン
市中肺炎の起炎菌の30%は、肺炎球菌
肺炎球菌の膜構造
莢幕のよろいでおおわれているので、貪食細胞が捉えにくい。
ワクチン接種により、貪食作用が促進される
肺炎球菌ワクチンの発熱日数抑制効果、入院率抑制効果
死亡率は有意差なかった。
肺炎球菌ワクチンの使用に関する勧告(CDC)
65歳以上は、A。64歳以下は、基礎疾患ありで、A
日本における肺炎球菌ワクチンの使用量は少ない。
肺炎球菌ワクチン公費助成の状況
3のまとめ
1.高齢者は、細胞性免疫低下→BCGワクチンを
2.インフルエンザ1回で有効
3.肺炎球菌ワクチン
今後は、インフルエンザワクチン+肺炎球菌ワクチンを
4.高齢者肺炎の治療ー難治例への対処法
難治症例にいかに立ち向かうか
エンピリック治療における抗菌薬の選択
1.適切な抗菌剤の選択、
エンピリックテラピー
カルバペネム+クリンダマイシン+ミノサイクリン
2.薬剤耐性菌への配慮
頻回に培養を。
3.適切な水分補給
IN OUTのバランス
高齢者は、脱水、心不全起こしやすい
4.凝固能亢進しやすい
DIC併発の有無
5.重症度を見極め、場合によってはベンチレーターによる呼吸管理
ARDS起こしやすい
6.状況によって、好中球エラスターゼ阻害薬、フラグミンを使用
7.回復早期からADLの向上を目指し、誤嚥予防につとめ、再発を防止
高齢肺炎患者に対するACE-I+アマンタジン併用療法の有用性
→抗生剤使用回数↓、入院日数↓、医療費↓、MRSA肺炎↓、入院中死亡↓
おわりに
MRI脳ドックによると、65歳以上の健常人の2~3割に
大脳基底核のロイコアライオーシス→ドーパミンの減少
積極的に予防策を
質問コーナー:省略
ということで大変有意義な講演でした。
以前受講した講演と内容が似てるな~と思ってたら、同じT大学の同じ医局の先生でした。
