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1500万円支払い命じる 地裁判決 熊本・氷川の医療過誤訴訟
2011年2月24日 提供:毎日新聞社
症状改善のための措置を取らずに男性(当時85歳)が死亡したとして遺族4人が氷川町の病院を運営する医療法人に慰謝料などを求めた訴訟の判決が23日、熊本地裁であった。長谷川浩二裁判長は「適切な治療がされたとは認められない」として計約1500万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は05年11月、肺に異常があったことから検査のため入院した。血清ナトリウムの濃度が低下したが注意義務に違反し、食塩水を輸液するなどの適切な治療をしなかったという。同年12月に意識を失うなど急変し、06年2月に転院先の病院で死亡した。長谷川裁判長は「病院に注意義務違反があったと認めざるを得ず、症状急変との因果関係もあった」と指摘した。【遠山和宏】
損賠訴訟:労災病院過失に賠償命令 術後脳障害、呉の女性側に8660万円 /広島
中国労災病院(呉市)で、へんとう摘出手術を受けた後に大量出血で窒息し、重い脳障害が残ったとして、呉市の女性(61)と家族らが、独立行政法人・労働者健康福祉機構に約1億900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、広島地裁であった。野々上友之裁判長は、病院側の過失を認め、約8660万円を支払うよう機構に命じた。
判決によると、女性は07年2月、へんとう肥大と睡眠時無呼吸症候群の治療のため、へんとう摘出手術を受けた直後に大量出血を起こした。担当医は女性に全身麻酔薬と筋弛緩(しかん)薬を投入し、再挿管による呼吸の確保を図ったが、出血で視野が得られず断念。窒息による低酸素脳症を起こし、障害が残った。
判決で野々上裁判長は「全身麻酔を導入すれば患者の嚥下(えんげ)機能が消失し、気道閉塞(へいそく)の危険を高めることが容易に想像できる」と指摘。「自発呼吸を温存し意識がある状態で、麻酔導入を試みるべきだった」と過失を認めた。
同病院は「コメントは差し控えたい」としている。【中里顕】
毎日新聞 2011年2月24日 地方版
何の後ろ盾もない個人が組織を相手に戦うのは大変なことです。理不尽な扱いを受けたとしても、その証拠を集めることも大変ですし、資金にも限りがあります。たいていは泣き寝入りするほか無いのですが、たとえかなわぬまでも、一矢を報いたいと戦いに臨む人はいます。一寸の虫にも五分の魂と言うわけです。個人が組織を相手に無謀とも思える訴訟を起こしたとき、私はこのような構図を浮かべていました。ついこの間までは。
腎不全のため、血液透析を必要としているある患者(患者X)が いました。患者Xはある医院(A医院)で透析を受けていましたが、特定の女性看護師に執着し、ほかの看護師の関与を拒否するようになりました。当然のことながらトラブルとなり、A医院の看護師全員が関わりを拒否するようになりました。こうしてA医院での透析ができなくなったのですが、透析を受けなければ患者Xは死んでしまいます。紹介元の病院(B病院)の腎臓専門医(医師Y)は、次の施設を探しながら、それまでの透析をB病院で続けました。そして何とか次の医院(C医院)を見つけて患者Xの透析を依頼しました。ただし、書面上はA医院からC医院への紹介です。
ところが、医療の世界は狭いもので、A医院での悪評はすぐにC医院に伝わりました。実は看護師同士で交流があったのです。悪評を知ったC医院は診療を断りました。仕方なく、医師Yはさらに次の医院を探して、結局その医院が患者Xを受け入れました。こうして患者Xは透析を続けられることとなり、命をつなぐことができました。医師Yは患者Xの命の恩人として感謝されこそすれ、恨まれる筋合いは全くないはずです。
ところが患者Xは何を勘違いしたのか、C医院で断られたのは医師Yが告げ口をしたからだと思いこみました。そこで、B病院に苦情を申し入れました。医師Yの誹謗中傷によって透析を妨害されたというわけです。同じ事を警察にも相談し、A医院から医師Yに注意するように(警察から)指導して貰った(患者X談)とのことです。
悪いことに、昨今は苦情に対してはとりあえず下手に出る風潮となっています。また、患者Xは自分のことだと分からないように医師Yに注意をするようB病院に対して求めていましたが、そんなことは不可能なので、事務方が当たり障りのない謝罪もどきの返事を出したようです。その対応に気が大きくなったのか、患者Xはなんと医師Yを被告として慰謝料請求の訴訟を起こしたのです。
当然のことながらこんな訴訟で原告に勝ち目はありません。結局は原告敗訴で結審し、過日判決が確定しました。患者Xは弁護士費用と裁判の費用でかなりの出費があったはずです。
(請求は少額ですが、裁判の進め方を見ていると少額訴訟制度の利用ではなさそう)
発端は自分の不始末で、明らかに自業自得です。でも、その自覚はみじんもありません。本人は当然自分が勝つものと思っていたようです。満額は無理でも、四分の一くらいは取れると思っていた節があります。訴訟前の調停では、実際に裁判所はそれくらいの額の和解勧告を出していました。世の中は弱者とされる者には甘くできていて、患者Xも、それに期待したのでしょう。判決では証拠による事実認定に徹してくれたので、問題なく原告の請求は棄却されました。
医師Yの代理人は弁護士がつとめ、その費用はB病院が負担しました。諸経費を含む費用は慰謝料の請求額を超えていたものと思われますが、それでも不当な請求を蹴った行為は正しかったと思います。
医師2人を書類送検 左右取り違え腎臓摘出
2011年2月7日 提供:共同通信社
栃木県警小山署は4日、腎臓がん手術の際、左右を取り違えて正常な腎臓を摘出したとして、業務上過失傷害の疑いで、小山市民病院(同県小山市)に勤めていた男性医師2人を書類送検した。2人は容疑を認めているという。
送検容疑は昨年2月10日、同病院の泌尿器科長で執刀医だった男性医師(49)と別の男性医師(40)は、小山市の男性患者(70)の手術で健康な左の腎臓を誤って摘出、損失させた疑い。
小山署によると、執刀医は手術箇所の皮膚に印を付け忘れ、もう1人の医師はコンピューター断層撮影写真の裏表を間違えて示したため、左側を摘出したという。
同病院は、男性患者は転院先で抗がん剤治療を受けており、容体は安定していると説明している。