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2010.11.30 17:29 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 4

鑑定次第

 机上の空論の鑑定で涙を流した医師も多いことと思いますが、実情を反映した鑑定さえしてもらえれば裁判官もきちんと判断してくれるようです。まずは判決前の記事を全文引用します。

医療事故:専門外の診療で急死 当直医の責任どう判断 あす控訴審判決--福岡高裁
毎日jp
 胸痛を訴えた男性が大分県宇佐市の病院で当直医の診断を受けた後に急死した医療事故を巡り、1審大分地裁中津支部が病院の過失を認め遺族に約5100万円を賠償するよう命じた訴訟の控訴審判決が26日、福岡高裁(広田民生裁判長)で言い渡される。病院側は控訴審で「地方の病院は当直医の確保がやっと。夜間・休日の救急医療を担う当直医に専門医と同レベルの注意義務を課せば、地域医療の崩壊が加速する」と主張しており、高裁の判断が注目される。【岸達也、高芝菜穂子】

 1審判決によると05年11月18日夕、胸部に痛みを訴えた男性会社員(当時42歳)が救急病院を受診。病院は当直態勢で、内科の医師が心電図などを基に逆流性食道炎の疑いと診断し、胃薬を処方した。男性は病院を出た約10分後に倒れ、別の病院に搬送されたが、急性心筋梗塞(こうそく)で死亡した。内科医は急性心筋梗塞の治療経験がなかったという。

 心電図の自動解析装置は「異常なし」と判定していたが、1審は、心電図検査が急性心筋梗塞の所見を示していたと認定。循環器の専門医への相談や血液検査、超音波検査をすべきだったとして病院側の過失を認めた。病院側は判決を不服として控訴した。

 控訴審で病院側は循環器病の専門医、木村剛・京都大教授の鑑定書を提出。木村教授は当時発症していたとみられる心臓疾患と逆流性食道炎などの症状が酷似しており「専門外の当直医に、専門医でなければ気づかない軽微な心電図の変化などから診断を要求するのは無理」と指摘した。病院側の弁護士は「高裁の判断が1審同様なら、専門医がそろわない救急病院は難しい患者を引き受けづらくなる」と話している。

 一方、遺族側の弁護士は「事故が起きた病院には循環器の医師もおり、適切な措置を講じていれば救命できた」としている。


 自動解析装置が当てにならないこともあるのはその通りですが、専門外の医師の判断だって、専門家から見たら当てになりません。当該病院に循環器の医師がいたことは事実でしょうが、24時間いつでも配備できるほどいたはずはありません。

 そもそも日本の救急医療は、宿直扱いの当直医によって支えられています。毎日いろいろな科の医師が交代で行い、徹夜で働いても、宿直扱いなので次の日も通常業務です。休日や夜間に急病になったからといって、専門医に診て貰える診療体制ではないのです。その代わり、安上がりでコンビニ並みのアクセスが可能となっています。よその国だって、初診で専門医に診て貰えることはないでしょう。

 専門医にいつでも診てもらえるのは、昔風に言えば、王侯貴族だけです。国民全部にそれだけの医療を保証するなんて事は不可能です。高裁でも病院敗訴となれば、専門外は診ないという風潮が加速するでしょう。救急の現場に各科の専門医をそろえることは不可能ですから、要するに救急医療が崩壊すると言うことです。

 そして判決は、以下の通りです。木村剛教授の鑑定がものを言ったのでしょう。 

診断めぐり遺族が逆転敗訴 「当直医に専門判断は酷」
10/11/29 記事:共同通信社

 大分県宇佐市の佐藤第一病院を受診した男性会社員=当時(42)=が帰宅途中に急性心筋梗塞(こうそく)で急死したのは診断ミスが原因として、遺族が同病院を経営する医療法人明徳会(宇佐市)に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は26日、約5100万円の支払いを命じた一審大分地裁中津支部判決を取り消し、請求を棄却した。

 広田民生(ひろた・たみお)裁判長は判決理由で、男性を診断した当直医の専門が一般内科で、急性心筋梗塞の治療に携わった経験がないと指摘。「循環器専門医と同等の判断を要求するのは酷で、心電図で急性心筋梗塞の疑いを見逃したことはやむを得ない」と遺族の主張を退けた。

 一審判決は「心電図が急性心筋梗塞の所見を示しており、当直医が見落とした」として、病院側の過失を認めていた。

 判決によると、男性は2005年11月18日夕、胸の痛みを訴えて佐藤第一病院を受診。当直医が心電図検査で逆流性食道炎の疑いがあると診断し、男性を帰らせた。男性は帰宅中に倒れ、別の病院に搬送されたが、急性心筋梗塞で死亡した。


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 医療用の麻薬は決して気持ちのいいものではないのに、手に入りやすい環境にいると好奇心を抑えられないものなのだろうか。同業者が商売道具の薬物に手を出すのを見るのは悲しい。薬物に手を出したくなったら、これでも読め

 以下は麻酔科医による麻薬不正使用の記事。(上の記述はこの記事を読めという意味ではありません。念のため。)

横浜市大の麻酔科医、自分に麻薬使用容疑 看護師と共謀
2010年11月18日15時8分 asahi.com

 横浜市立大学付属市民総合医療センター(同市南区)の麻酔科医の男(37)が、麻薬系鎮痛剤「フェンタニル」を自ら使っていた疑いが強まり、神奈川県警は18日、麻薬及び向精神薬取締法違反(使用、共同所持)の疑いで男を逮捕した。男は同病院に入院していた。

 県警は同日、同僚の看護師の吉村文香容疑者(31)=同市磯子区汐見台3丁目=も同法違反(共同所持)の疑いで逮捕した。

 県警薬物銃器対策課によると、2人は共謀して8月中旬~同月下旬、吉村容疑者の自宅のクローゼットに、約20~30ミリリットルのフェンタニルが入った注射器2本を保管していた疑いがある。吉村容疑者は容疑を認め、「医師の男に頼まれて、保管していた」と供述しているという。

 男は8月下旬、体調を崩して入院した。様子がおかしいため、病院が県警に「麻薬を使用しているかもしれない」と相談。男の尿からフェンタニルが検出されたという。

 男は同病院の高度救命救急センター集中治療部の麻酔科医で、2003年ごろから同病院に勤務していたという。

 フェンタニルは麻薬指定されている鎮痛剤。07年に国立循環器病センター(大阪府)の麻酔科医が逮捕されるなど、麻酔科医の不正使用が目立っている。


 いつも報道を批判しているのに、「麻酔科医の不正使用が目立っている」なんて書かれて、ぐうの音も出ないのが悔しい。

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 今回取り上げる記事は様々なところで話題になっています。たとえば「助産院は安全?」うろうろドクター様「新小児科医のつぶやき」などです。

 人類は未開の時代からお産をして今に繋がっているわけですから、医療の介入が無くても無事に子供を産める能力を持っては居ます。でも、未開の時代には、多くの妊産婦と子供が亡くなっていただろうと思われます。医療の介入によって、我々はより安全なお産を手に入れているのです。

 それでも医療の介入を拒んで運を天に任せるのも一つの選択ですから、傍がとやかく言うことはないのかも知れません。子供は親を選べないので気の毒ですが、そこも目をつぶりましょう。でも、いよいよ自分だけで産めなくなってから、検診も受けずに飛び込みで医療を受けようというのはやめて欲しい。自分の責任で選択したのであれば、最後まで自分で始末を付けましょう。

医師・助産師頼らず自宅出産 朝来の大森さん夫婦 
2010年11月17日 asahi.com

 朝来市和田山町の山あいにある朝日地区で、農業や養蜂などを営みながら自給自足の生活を実践している大森げんさん(29)、梨紗子さん(30)夫婦に10月、三男かやちゃんが生まれた。妊娠の確認以外は医師にも助産師にも頼らず、定期的な妊婦検診も一度も受けなかった完全な自宅出産。17日に産後1カ月を迎えるが、母子ともに健康だ。

 かやちゃんの誕生は10月17日午後11時ごろ。同6時ごろから陣痛が始まり、本格的に産む体勢を取り始めて3時間ほどで生まれた。「産むのは3人でもういいわ、と思うほど痛みはあったけれど、スムーズでした」と梨紗子さん。

 長男つくし君(6)を助産院で、次男すぎな君(3)を病院で産み、毎月の妊婦検診などで自分の思いとは違う出産になった経験から、「私がリラックスできたら赤ん坊にもストレスのないお産になる。体重を増やさないなど妊娠中の自己管理さえできれば家族だけで産める」と言い切る。

 大森家の田畑は農薬や化学肥料を使わず、耕しもしない自然農法。煮炊き、風呂、暖房の燃料はまき、食事は玄米に菜食が中心だ。できるだけ自然の恵みをそのまま生かす生活だ。梨紗子さんは出産直前まで田畑や家の周りの草刈り、まき割りを無理のない範囲で普段通りこなした。「山で百姓をしていると、どんどん不自然なことはしたくなくなる。自然の力で暮らしてきたからこそ自宅出産をやり通す力が私にあった」と話す。

 夫のげんさんは「適切な出産方法を選ばずに最悪の結果になれば罪に問われるのかなと思ったこともあるが、出産に向けてきちんと準備をしているので大丈夫と思えるようになった。信じてあげることが大事です」と言い、家族の理解と協力の大切さを強調する。

 母子保健を担当する朝来市の担当者は、妊娠中の適切な健康管理や異常分娩(ぶんべん)のリスクに備えるためにも、産科での受診や妊婦検診は欠かせないとしている。大森さん夫婦にも受診を勧めていたが、自宅出産の意思が固いことから様子を見守っていたという。

 梨紗子さんも「本当に家で産みたいと望み、自己管理のできる人でないと危険です」と、安易な気持ちでの自宅出産を戒める。一方で、「家で産みたい人が家で産むことができ、何かあったらサポートできるような環境があったらいいな」とも願っている。



 自然農法というのは化学合成された農薬や肥料を使わない農法だと思っていたのですが、耕しもしないのですか。そこまでこだわるのなら、洞穴に住み、ヒゲを剃ることも散髪もせず、煮炊きもしないで生のものを食べ、もちろん風呂などは問題外で、冷暖房もせず、裸で暮らしたらどうだろう。過酷な環境で働く産科医のことも知らず、あまり脳天気なことを言われると、こんな毒でも吐きたくなりますな。

 あまり車の通らない道を横断するときでも、普通は左右を見てから渡ります。「何も見ないで渡ると気持ちがいいよ、2回やったけど大丈夫だったよ」と言われても、まねをしてはいけません。ましてやそんな自慢話を新聞で紹介してはイカンでしょう。

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 こんにゃくゼリーについては今までにも何度か書きました。
http://plaza.rakuten.co.jp/tinyant/diary/200903060000/
http://plaza.rakuten.co.jp/tinyant/diary/201001140000/

 以下に引用する事例は、やはり当事者に一番の問題があるのだろうと思います。自己責任という言葉はこの国では死語なのでしょうか。何故か記事では触れられていませんが、この事例は冷凍しないで下さいという但し書きに抵触し、小さな子供に与えないで下さいという但し書きにも抵触して摂取させた上での事故だったと記憶しています。

こんにゃくゼリー:窒息死事故17日判決 危険性争点に

 こんにゃくゼリーで窒息死した兵庫県内の男児(事故当時1歳9カ月)の両親が製造元のマンナンライフ(本社・群馬県)に対し、「商品に欠陥がある」などとして製造物責任法(PL法)などに基づき約6240万円の損害賠償と製造差し止めを求めた訴訟の判決が17日、神戸地裁姫路支部で言い渡される。こんにゃくゼリーは、寒天などの代わりにこんにゃく粉末を用いた食品で、崩れにくく口の中でも溶けない。乳幼児や高齢者の窒息事故が相次ぎ、過去にも企業責任を問う訴訟があったが、いずれも和解し、判決は初めて。

 訴状によると、男児は08年7月、凍らせたミニカップ入りゼリー「蒟蒻畑(こんにゃくばたけ)マンゴー味」をのどに詰まらせて脳死状態となり、約2カ月後に多臓器不全で死亡した。両親は(1)寒天やゼラチンのゼリーよりも硬く、弾力性が強い(2)のどをふさぎやすい大きさ(3)吸い出すと、のどに詰まりやすい(4)いったん気道にはまると、除去が困難--と指摘する。

 マ社は「餅よりも危険性が低く、食品として通常の安全性を備えている」と反論。凍らせて食べたことや、大人が見ていなかったことを指摘し、過失相殺も主張している。

 消費者庁把握のこんにゃくゼリーによる窒息事故は94年以降54件(うち死亡22件)。最新の死亡がこの事故で、発生の2カ月後に国民生活センターの公表で発覚した。マ社は翌月、製造を休止し、包装袋の警告表示を大きくするなどして2カ月後に再開した。

 一方、EU(欧州連合)や豪州、カナダなどでは、内外の事故を受けてゼリーへのこんにゃく使用を禁じ、米国は製品の大きさなどを規制した。日本では、管轄官庁がないことが09年の消費者庁発足の一因となった。消費者庁は今年9月、安全指標づくりを始めたが、危険性が「餅やアメよりも高い」とする同庁と、「アメと同程度で餅に次ぐ」とする国の食品安全委員会の見解が対立し、足踏みしている。判決は指標の行方にも影響しそうだ。【山川淳平】

毎日新聞 2010年11月14日 9時33分(最終更新 11月14日 10時15分)


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