とても残念なことですが、PK戦の末、サッカーワールドカップ決勝トーナメントで侍ジャパンはパラグアイに負けました。PKは成功する可能性が高いとはいえ、やはり失敗する可能性もそれなりにあります。たまたま重要な局面でその失敗が出てしまったからと言って、誰もそれを責められません。
PKをはずした駒野を一番責めているのは、おそらく駒野自身でしょう。もちろん心ない罵声を浴びせる人達もいるでしょうが、彼らは少数派だと思いますし、おそらくはサッカーファンですらないのではないかと思います。多くのサッカーファンは、駒野の心情を慮り、励ましとねぎらいの言葉を心の中でかけているのではないでしょうか。
医療においても、望んでいた結果を得られないという意味で失敗することはあります。PKが枠内に飛ばないような手技的な失敗もありますし、症例自体が思いの外困難で失敗することもあります。問題は、医療の場合は患者の命がかかっていることです。
たとえどれだけ重要なものがかかっていようとも、失敗は一定の確率で起こるべくして起こります。技量によって確率に大小はあるでしょうが、失敗に無縁の医師はいません。駒野が一つのPKをはずしたからと言って駒野が下手だと言えないように、一つの失敗をした医師が無能だとは言えません。
今まで医療過誤を理由として、多くの医師が被告または被告人として法廷に立たされました。駒野を責める人たちを心あるサッカーファンが白い目で見るように、特に大きな責任があるようには見えない医師たちを責める裁判に対して駄目出しをする風潮があれば、医師達も心おきなく技術を発揮できるのではないでしょうか。
駒野、実はPK達人…まさかの失敗に悔し涙
パラグアイ0―0日本(PK5―3)──PK戦で日本の3人目を務めた駒野だったが、ボールは無情にもクロスバーをたたいた。
オシム監督時代のPK練習では、遠藤、中村俊とともに最後まで外さなかった3人のうちの1人で、目立たないが実はPKが得意な選手。2007年のアジア杯では、準々決勝の豪州戦、3位決定戦の韓国戦でPKキッカーに指名され、いずれも決めている。だが、この日は運に見放され、ボールの行方を確認した駒野は、天を仰いで頭を抱えた。試合後は悔し涙を流し、松井らチームメートから抱きかかえられてピッチを後に。報道陣の問いかけにも無言で、目を腫らしてバスに乗り込んだ。
(2010年6月30日08時40分 読売新聞)
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どんな困難な症例でも目の前で命が危険に晒されていたら救いの手を差し伸べるしかない医師にも言えますよね。
医師も応召義務に縛られた上で打率10割を期待されても困りますよね。
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