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< 大淀結審 | メイン | 医療崩壊容認派の私ですが >
 一応「嘘は言っていない」と言い逃れできるような表現をとってはいるものの、明らかにミスリードを意図した書き方はあります。交通事故の当事者が和解金として五千万円支払い、市が300万円払った場合に、和解金のすべて(あるいはほとんど)を市が支払ったかのような書き方をするのは意図的と見なされても仕方がないかと思われます。「など」と言う言葉を入れれば何でも許されると思っているのだとしたら、報道機関としては失格です。

 二つの記事を見比べてください。いつもは批判の対象としている毎日新聞の記事の方が、金額を明らかにしている分だけ、今回はまともです。

女児死亡訴訟 島田市などが5300万円支払い和解
12/22 20:33更新 産経新聞

 平成14年に交通事故で静岡県島田市立病院に救急搬送された女児=当時(3)=が死亡したのは、病院の対応が不十分だったためとして、両親が市などに約6500万円の損害賠償を求めた訴訟は22日、静岡地裁(三木勇次裁判長)で、市などが約5300万円を支払うことで和解した。「適切な医療行為ができるよう最善を尽くす」との謝罪条項も盛り込まれた。
 訴状などによると、市立島田市民病院は搬送された女児の出血性ショックを見逃し、輸血用の血液の手配を怠ったため、手術の開始が遅れた。女児は術中に出血多量で死亡した。
 女児の両親は「二度と同じ悲劇が繰り返されないようにしてほしい」とコメントした。

 この記事だと和解金を支払った主体は病院の開設者である市のように見えます。5300万円のうちの300万円だけを支払った様には読めません。以下の記事と比べると「嘘」と言っても良いレベルかと思われます。

島田市民病院訴訟:市が300万円支払いなどで和解 /静岡

 交通事故に遭った女児(当時3歳)が死亡したのは搬送先の島田市民病院(島田市野田)の緊急対応に問題があったためだとして、両親が島田市と、事故当時、女児を車に乗せていた知人男性に約6500万円の損害賠償を求めた訴訟は22日、和解した。

 原告側の弁護士によると、和解は男性が5000万円、島田市が300万円をそれぞれ支払う内容。

 訴状などによると、女児は02年3月30日、県中部の国道で、両親の知人男性の車に同乗していた際、別の車と正面衝突。女児は島田市民病院に運ばれたが、肝臓破裂などによる出血多量で死亡した。

 原告側は「病院側が肝臓破裂などを見落とした。血液型の確認も行わなかったため、特殊な血液型だと気付くのが遅れ、手術中に出血多量で死亡した」と主張していた。

 病院側は和解を受け「救命救急全般に問題点を十分検証し、救急患者の治療に最善の努力を尽くしたい」とのコメントを出した。【山田毅】

毎日新聞 2009年12月23日 地方版

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コメント

コメント一覧

御指摘の点ともう一つ気になるのは、両方の記事が伝える6500万円の請求の内訳です。この訴訟には二つの事件が含まれています。

 1.知人男性が起した交通事故
 2.島田市民病院の医療過誤

この二つの賠償が同時に行なわれています。そのため、

 1.結果として死亡に対する女児の逸失利益
 2.島田市民病院の注意義務違反(慰謝料的なもの?)

女児死亡は事実ですから、逸失利益は変わらないと見ます。問題は島田市民病院の医療過誤が無ければどれぐらい生き残る可能性があったかの裁判所判断です。

そうなると原告の6500万円の内訳は、

 1.逸失利益5000万円
 2.注意義務違反1500万

こう考えるのが妥当かと思われます。ここで島田市民病院は300万円ですから、医療裁判のパターンとして、「高度の蓋然性」による注意義務違反認定ではなく、「相当程度の可能性」であった可能性を考えます。いわゆる「ぶぶづけ和解」です。

結局のところ、単なる交通事故の死亡事故で、病院にやや不手際があったとした訴訟と思うのですが、どんなものでしょうか。

つまり島田市民病院からすれば、最悪、死亡との因果関係まで事実認定されて6500万払う可能性があったものが、300万の「ぶぶづけ和解」に終わった訴訟です。

島田市民病院が6500万円は言いすぎですから、最悪は、

 1.注意義務違反に対する賠償訴訟
 2.死亡に対する逸失利益

後は知人男性が大怪我をさせたことに対する賠償請求みたいな感じでしょうか。それが全部で6500万円です。

それでも5000万円の逸失利益が残ったのは、元が交通事故であり、病院に因果関係がなければ知人男性に因果関係ありとなっただけのような気もします。

通常は別の訴訟になる気もするのですが、二つが一緒であるところが特徴的とも思えます。どうせわからないでしょうが、原告がどういう請求をしていたのか興味深いところです。
written by Yosyan / 2009.12.27 15:58
Yosyan 先生、コメントありがとうございます。

事故を起こしたのが知人と言うことで、おそらくは病院の責任を重く見た訴訟だと思いますが、詳細は分からないですね。金額を見ると、裁判所の判断は病院にはたいした責任はなかったと言うことなのでしょう。それでは記事として面白くないのでしょうね。
written by bamboo / 2009.12.27 22:02
亡くなられたお子さんのご冥福をお祈りします。

ただ金額の欄を除けば、毎日の記事もいかにも医療側に責任があるような書き方であることは否めませんね。
written by Paul Carpenter / 2009.12.28 08:34
Paul Carpenter 先生、コメントありがとうございます。

「金額を明らかにしている分だけ」と言う表現が私の感想を表しています。
記事にすること自体が病院バッシングなのでしょうが。
written by bamboo / 2009.12.28 17:39

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