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2009.12.29 18:54 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 2

起訴猶予が増えた気が

 うっかりミスに刑事罰を与える無意味さに検察も気がついたのでしょうか。最近は起訴猶予になるケースも多いようです。我々ブロガーの声も少しは役に立ったのだとしたらとても嬉しい。

 ミスをしても良いと言っているのではありません。再発防止は絶対に必要ですし、何らかの行政処分が下されることに異存はありません。もちろん民事責任はあります。

 故意の行いは処罰で抑止効果が期待できますが、気をつけていても起こしてしまうミスは処罰では防げません。処罰よりも再発防止を優先した調査の出来る体制が必要です。

「過失重大でない」 医師を起訴猶予 岩手医大病院の患者死亡事故
2009年12月26日 提供:毎日新聞社
 盛岡地検は25日、業務上過失致死容疑で書類送検された岩手医科大付属病院循環器医療センターの40歳代の男性医師を起訴猶予にしたと発表した。処分は11日付。中川一人次席検事は「過失がないとは言えないが重大ではない」と理由を述べた。

 容疑は07年5月12日午後4時ごろ、心臓手術を受けた男性(当時70歳代)に、鼻から胃に挿入すべきチューブを誤って気管に挿入、栄養剤を投与し、多臓器不全で死亡させたとしている。【山中章子】



内科医を起訴猶予 筋弛緩剤誤投与で徳島地検
2009年12月28日 提供:共同通信社

 徳島県鳴門市の健康保険鳴門病院で、同市の男性入院患者=当時(70)=が誤って筋弛緩(しかん)剤を投与され死亡した事故で、徳島地検は28日、業務上過失致死容疑で書類送検された女性内科医(38)を起訴猶予処分とした。

 地検は処分理由について「示談が成立し、深く反省している」としている。

 女性内科医は昨年11月17日、解熱効果のある副腎皮質ホルモン剤「サクシゾン」を患者に投与しようとし、誤って名前のよく似た筋弛緩剤「サクシン」を選んで看護師に200ミリグラムの投与を指示、約4時間後に薬物中毒で窒息死させたとして、今年8月に書類送検されていた。

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 比較的良質な医療を、誰でも安価に受けられる、世界でも希な国日本。その日本で、国民は医療費が高い、質が悪い、何時でも診て貰えないのはおかしいとクレームを言います。実際にクレームを言う人は少ないのかも知れませんが、役人や報道機関という声の大きいところではそのような発言が目立ちます。私自身は、日本の医療は一度崩壊するほか無いだろうとあきらめています。

 でも、崩壊を防ぐべく努力を続ける人を応援したい気持ちもあります。頑張って声を上げている人がいるなら、その声を伝えるお手伝いくらいはしましょう。と言うわけで、全文引用です。

▽ 「タブー」といえども医療費増加を叫ぶ ▽
  もはや限界の医療現場、これ以上の効率化は不可能

 武蔵浦和メディカルセンター
  ただともひろ胃腸科肛門科
     多田 智裕

2009年12月25日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


 「医は仁術」ということで、今まで医者が医療行為に関するお金の話をするのは、タブーに近い雰囲気がありました。でも医療の現場では、医療費の増額が実現されないと、とても立ち行かない状況に追い込まれています。
 12月9日、中医協(中央社会保険医療協議会)総会は「2010年度診療報酬改定へ向けた意見書を厚生労働省へ提出しない」という決定をしました。これは、私たち現場の医師からすると、驚くしかない決定です。
 健康保険支払い側は、「診療報酬の引き上げを行なう状況になく、限られた財源を効率的かつ効果的に配分するよう見直していくべき」と主張しています。
 一方、診療側は、「過去のマイナス改定を回復し、診療報酬の大幅な引き上げによる医療費全体の底上げを行うべき」と主張しています。
 両者の主張が全く噛みあわず、意見がまとまらなかったのです。
 中医協は、健康保険制度や診療報酬の改定などについて審議する厚生労働省の諮問機関です。諮問機関が意見をまとめられなかったことで、2010年度の診療報酬改定は政治的な決着に委ねられることになったと言ってよいでしょう。
医療は人件費のかたまり、コスト削減には限界がある
 民主党は選挙の際に、次のようなマニフェストを掲げていました。「累次の診療報酬マイナス改定が地域医療の崩壊に拍車をかけました。総医療費対 GDP(国内総生産)比を経済協力開発機構(OECD)加盟国平均まで今後引き上げていきます」──。このように大幅な医療費増額を打ち出し、選挙に勝利 したのです。
 民主党が政権を取ったにもかかわらず、なぜ、これほどまでに医療費増額が進まないのでしょうか。背景には、「世の中はデフレなんだから、医療だって価格改善の余地があるはずだ」という国民感情が根強いのかもしれません。
 しかし、皆さんに知っていただきたいのですが、医療は人件費のかたまりです。いわばバリバリのサービス業です。小売業のように売り上げに占める人 件費率が10%台などということは到底あり得ません。人件費率は実に60%に達します(施設によっては80%を超えます)。ですから、外国から格安の原材 料や製品を仕入れて、患者がびっくりするくらい値下げする、といった戦略はとれません。
 この50~60%という人件費率は、業種で言うと美容室やエステとほぼ同じになります。例えば、1000円カットは洗髪やひげ剃りなどのサービスを廃止して価格を下げることに成功しました。
 しかし医療ではサービスの廃止や簡略化ができません。「医療の効率化によって医療費増加分を捻出せよ」ということは、「医療に関わる人たちの人件費を下げろ」または「もっと1人当たりの労働量を増やせ」と言っているのとほぼ同じことになります。
 つまり、「サービスのレベルを下げない」という前提に立つならば、医療費カットは医療従事者(医者だけでなく看護師、医療事務、看護助手などの「コメディカルスタッフ」も含む)の給料削減、または労働環境改悪に直結するということです。
人件費が安い海外に移転するしか手はない?
 ただでさえ、医師は過労死基準を超える過重労働にあえいでいます。これ以上人的資源の効率化を行なうことは、現実的には不可能でしょう。コメディカルスタッフの業務も似たような状況です。
 経済評論家の大前研一さんは著書『最強国家ニッポンの設計図』(小学館http://www.amazon.co.jp/gp/product/4093897166/)の中で、「今後の日本の高齢者問題を国内で解決するのは不可能であり、オーストラリアやフィリピン、タイなどで高齢者タウンや介護タウンを作るしかない」と喝破しています。
 要するに、他の産業と同じように人件費の安い海外に移転させれば、コストを下げてよい医療が提供できますよということなのでしょう。でも、逆に言うと、現実的に医療費を抑制しつつサービスも維持する方策は、いくら考えてもこれくらいしかないですよ、ということなのです。
 (ただし、高齢になったり介護が必要になってから海外に移住することをみんなが納得するのかどうか、そして、海外旅行に出かけないと親族に会えなくなってしまうという状況がみんなに受け入れられるのか、私には判断できません。)
すでに現場は限界を超えている
 以前、このコラムでも書きましたが、現在の日本の医療費は、医療の水準に対して、価格が世界で最も低い水準にあります。(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1337も参照ください)
 例えば、私が行なっている大腸内視鏡検査の代金は、日本では1万5500円です。ところが、同じ検査をアメリカで受けると100万円を超える施設も珍しくありません。良心的なところでも30万円くらいです。
 テレビで、したり顔で「混合診療は解禁して当然」と解説している経済評論を目にします。混合診療では、健康保険の範囲内の診療費は保険で賄い、範囲外の診療費は、患者が医者に支払うことになります。
 この経済評論家は、急増している大腸がんの予防的処置ができる大腸内視鏡検査が、1回30万円以上にまで高騰してもよいと本気で思っているのでしょうか?
 「医療費の安いタイなどの国に検査や処置を受けにいくメディカルツーリズムが流行っている」と紹介する記事もあります。ちなみに、大腸内視鏡検査 はタイで受けたとしても7万円くらいかかります。日本で受けた方がはるかに安いんですけど・・・と、私はツッコミを入れたくなります。
 もちろん、医療費は安い方がいいのが当たり前です。それでも、ここまで安いのにこれ以上効率化云々ということを言われても、「すでに現場は限界を超えている」というのが、私を含めた医療従事者の正直な実感です。
せめて世界の平均まで引き上げを
 医療従事者は、別に7000万円のボーナスが欲しいわけでも、200億円の退職金が欲しいわけでも決してありません。誰もが、安い値段で高水準の医療を提供したいと思っています。
 診療側が求めているのは、「医療行為に対する正当な評価と報酬」です。ただそれだけなのです。今、上がっている声は 「医療費があまりにも安すぎて、今の水準をとても維持できません」という悲鳴なのです。
 医療崩壊を食い止めるために、何よりも必要なものはマンパワーです。このままでは医療サービスの提供に最低限必要な人手を維持できないところまで来ています。
 日本の医療費は世界最低水準です。「せめてOECD加盟諸国の平均にまで上げてほしい」という要求(最終的には今と比べて50%くらいの増額になると思われます)は、まごうことなき正当な要求であると、私は個人的に考えています。
 冒頭の中医協総会後、診療側の辺見公雄委員は、会見で「(この内容で同意しては)全国で一生懸命働いている仲間を裏切ることになる」と語りました。現場に立つ者からすると、この一言だけで涙が出てしまうような発言です。
 感情論は脇に置いておくとしても、これまでのように、「上げるべきという意見もあれば、上げるべきではないという意見もある」という「両論併記」で、あいまいなまま流せる状況にないことだけは、皆さんに分かってほしいと思います。
 医療崩壊を阻止するためにも、そして、250万人の医療従事者たちが希望を持って働けるようにするためにも、最後の政治決着では、可能な限りの医療費増額が決定されることを期待しています。
 

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 一応「嘘は言っていない」と言い逃れできるような表現をとってはいるものの、明らかにミスリードを意図した書き方はあります。交通事故の当事者が和解金として五千万円支払い、市が300万円払った場合に、和解金のすべて(あるいはほとんど)を市が支払ったかのような書き方をするのは意図的と見なされても仕方がないかと思われます。「など」と言う言葉を入れれば何でも許されると思っているのだとしたら、報道機関としては失格です。

 二つの記事を見比べてください。いつもは批判の対象としている毎日新聞の記事の方が、金額を明らかにしている分だけ、今回はまともです。

女児死亡訴訟 島田市などが5300万円支払い和解
12/22 20:33更新 産経新聞

 平成14年に交通事故で静岡県島田市立病院に救急搬送された女児=当時(3)=が死亡したのは、病院の対応が不十分だったためとして、両親が市などに約6500万円の損害賠償を求めた訴訟は22日、静岡地裁(三木勇次裁判長)で、市などが約5300万円を支払うことで和解した。「適切な医療行為ができるよう最善を尽くす」との謝罪条項も盛り込まれた。
 訴状などによると、市立島田市民病院は搬送された女児の出血性ショックを見逃し、輸血用の血液の手配を怠ったため、手術の開始が遅れた。女児は術中に出血多量で死亡した。
 女児の両親は「二度と同じ悲劇が繰り返されないようにしてほしい」とコメントした。

 この記事だと和解金を支払った主体は病院の開設者である市のように見えます。5300万円のうちの300万円だけを支払った様には読めません。以下の記事と比べると「嘘」と言っても良いレベルかと思われます。

島田市民病院訴訟:市が300万円支払いなどで和解 /静岡

 交通事故に遭った女児(当時3歳)が死亡したのは搬送先の島田市民病院(島田市野田)の緊急対応に問題があったためだとして、両親が島田市と、事故当時、女児を車に乗せていた知人男性に約6500万円の損害賠償を求めた訴訟は22日、和解した。

 原告側の弁護士によると、和解は男性が5000万円、島田市が300万円をそれぞれ支払う内容。

 訴状などによると、女児は02年3月30日、県中部の国道で、両親の知人男性の車に同乗していた際、別の車と正面衝突。女児は島田市民病院に運ばれたが、肝臓破裂などによる出血多量で死亡した。

 原告側は「病院側が肝臓破裂などを見落とした。血液型の確認も行わなかったため、特殊な血液型だと気付くのが遅れ、手術中に出血多量で死亡した」と主張していた。

 病院側は和解を受け「救命救急全般に問題点を十分検証し、救急患者の治療に最善の努力を尽くしたい」とのコメントを出した。【山田毅】

毎日新聞 2009年12月23日 地方版

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2009.12.23 13:40 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 3

大淀結審

 福島県立大野病院の刑事裁判で有罪判決が出たら、私は今の職場を離れるつもりでした。以下の記事は奈良県南部の産科医療を破壊した事例に関わるものですが、今度は刑事ではなく民事です。それでもこれが被告の敗訴となるようでは、私の心中は穏やかではありません。やはり急性期の病院では勤務できないと考えざるを得ないでしょう。

 しかし、判決が3月始めでは、転職するには時期が悪いですね。危険の少ない症例だけを扱えて、のんびりと仕事の出来るような職場を、1年かけてじっくりと探すことにしますか。こんな心配が杞憂になることを祈っていますが。

判決は来年3月1日 奈良の妊婦死亡訴訟
2009年12月22日 提供:共同通信社

 奈良県大淀町立大淀病院で出産時に意識不明となり、約20の病院に転院を断られた後に死亡した女性の遺族が大淀町と担当医に約8800万円の損害賠償を求めた訴訟が21日、大阪地裁(大島真一(おおしま・しんいち)裁判長)で結審した。判決は来年3月1日。

 この日、死亡した高崎実香(たかさき・みか)さんの夫晋輔(しんすけ)さん(27)が意見陳述し「担当医が適切な指示をせずに妻の異変を放置した。妻を返してください」と述べた。被告側は「医師に手落ちはなく、責任は問えない。搬送の遅れは社会的な救急医療体制の問題だった」などと主張している。

 訴状によると、実香さんは2006年8月、分娩(ぶんべん)のため入院していた大淀病院で意識不明となり、約20の病院から受け入れを断られた後、転送先の医療機関で男児を出産したが、その後、脳内出血で死亡した。

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2009.12.14 05:44 |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 1

明確な基準を

 川崎協同病院の「延命治療中止」の有罪が確定しました。何で括弧付きかというと、私は延命中止ではなく、やはり殺人だと思っていたから。その根拠は筋弛緩剤の使用。元気な人を殺す毒薬を使うのは治療の中止などではなく、積極的な殺人だという判断です。でも、これは表面的な見方でした。

延命治療中止、有罪確定へ 医師の免責、要件示さず 最高裁が上告棄却 川崎協同病院事件 【1】
09/12/09 記事:共同通信社

 川崎市の川崎協同病院で1998年、昏睡(こんすい)状態の男性患者=当時(58)=が気管内チューブを抜かれ、筋弛緩(しかん)剤を投与され死亡した事件で、殺人罪に問われた医師須田セツ子(すだ・せつこ)被告(55)の上告に対し、最高裁第3小法廷は9日までに「法的に許されない」として棄却する決定をした。懲役1年6月、執行猶予3年とした二審東京高裁判決が確定する。

 医師による終末期の延命治療中止の違法性が刑事裁判で争われたのは異例で、最高裁が判断を示したのは初めて。医師の免責要件などへの言及はなかった。

 決定は7日付。5人の裁判官全員一致の意見だった。

 田原睦夫(たはら・むつお)裁判長は「必要な検査をせず、回復可能性や余命を的確に判断できる状況でなかった。回復をあきらめ、チューブの抜管を要請した家族も病状の適切な情報が伝えられておらず、抜管は男性本人の推定される意思ともいえない。法律上許される治療中止に当たらない」と判断。筋弛緩剤投与と併せて殺人罪の成立を認めた高裁判決を支持した。

 被告側は「男性の意思を推定できる家族の強い要請に基づき、チューブを抜いた。法律上許される」と、無罪を主張していた。

 決定などによると、男性は98年11月2日、気管支ぜんそくの発作による低酸素性脳損傷で入院。意識不明となり、被告は同16日、家族の要請で気管内チューブを抜いたところ、男性が苦しむ様子を見せたため看護師に筋弛緩剤を注射させ、死亡させた。

 一審横浜地裁は「回復可能性があり、本人の意思表示も家族の要請もなかった」と判断、懲役3年、執行猶予5年とし、二審は「家族の要請はあったが男性の意思表示はなく、死期も切迫していなかった」と判断した。


 これだけ読むと、抜管して苦しんでいるかのような体動が見られたので筋弛緩剤を使ったようですが、判決文 (pdf)を読むと、事はそう単純ではなさそうです。

 家族からの強い要請で抜管したら、そのまま無呼吸ですぐに亡くなると思いきや、苦しみだしたので複数の鎮静薬を投与、でも、無効だった。他の医師に相談したら筋弛緩剤を使うよう示唆された。そこで筋弛緩剤を使用した。これが事実認定の内容のようです。たぶんここはその通りなのでしょう。一方で、脳波無しには予後の判定は不能であるかのような判断がありますが、これは法的脳死判定との混同じゃないでしょうか。

 筋弛緩剤の使用は、言わばとどめを刺す行為ですから、(現状では)法的に許されないことに異存はありません。でも、家族や相談に乗った医師には何のお咎めもなく、何故ひとりの医師だけが訴追を受けるのでしょうか。主治医に罪を問うのなら、他の関係者にも何らかの罪を問うのが筋だと思います。(そうしろと言っているわけではありません)

 判決では抜管自体にも違法性を認めています。限りある医療資源を有効利用するためには、死が免れない状況で、単なる延命のために濃厚治療をすることは避けるべきです。でも、刑事罰の恐れがあるのであれば、濃厚治療を続ける他はありません。

 やはり立法機関や司法機関がきちんと基準を作り、現場にそれを示すべきです。何の基準も示さず判断を現場に丸投げし、後出しで、事例ごとに判断が変わる裁判で裁かれるようでは、現場は安心して仕事が出来ません。

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 「過ちて改めざる是を過ちと謂う」と言いますが、商売上の過ちは一回だけでも大変な損害を生じます。同じ過ちを犯すなんて考えられないことではないでしょうか。その過ちとは、これです

 リンク先まで読みたくない人のためにネット記事を引用してみます。
イトーヨーカドーの通販サイトが商品の価格を誤って表示し、数千円の食料を98円などで販売してしまった件で、さらなる進展があった。この騒動は10月17日の早朝に発生した。イトーヨーカドーの通販サイトでサバの缶詰や砂糖、サラダ油、ヘルシア緑茶など、多数の品物をセットで販売していたものの、誤って単品価格で掲載がおこなわれ、多くの人たちが「イトーヨーカドー祭りだ!」とばかりに注文しまくったのだ。

「どうせ注文の取り消しで祭りは終わるんでしょ?」と思いきや、イトーヨーカドーは律儀(りちぎ)にもすべての商品を誤表記価格のまま販売し、そして発送したのである。10月20日には続々と注文した人の家に商品が届き、『イトーヨーカドー祭りUP掲示板』という届いたことを報告する掲示板まで作られた。なかには冗談で数十個のセット商品を注文し、部屋が商品のダンボール箱に埋め尽くされて寝る場所がなくなったという人もいたようだ。

その騒動も商品が届いて終わりかと思いきや、今度は「即席コンビニエンスストア」ともいうべき転売を始める人が出現。『2ちゃんねる』には『イトーヨーカドー祭処分・交換オフ 』というスレッド(掲示板)作られ、イトーヨーカドーから届いた品物リストを掲載しつつ、受け渡し場所や連絡先のメールアドレスなどを公開し、あらゆる品物を定価の3~5割ほどの価格で転売しているのである。

たとえばだが、イトーヨーカドーはサバの缶詰を24個セットで98円で販売してしまったので、ひとつ30~50円で売っても十分利益は得られる(1缶50円で売っても24個で1,200円になる)。転売されている商品をいくつか紹介すると、以下の通りだ。

クリームシチューミクス、生風味スパゲッティソース、完熟カットトマト、トマトケチャップ、トマトケチャップチューブ、熟つぶケチャップ、マヨネーズ、プライムバーモントカレー、エクストラバージンオリーブオイル、マクビティソルト&チョコレートビスケット、食物繊維たっぷりフルーツグラノーラ、サトウのごはん発芽玄米、玄米ごはん、フランオリジナルホワイト、フランオリジナルショコラ、ココナッツビスケット、チェルシーミルクチョコレートスカッチ、スニッカーズファンサイズ、ヘルシア緑茶まろやか、サントリー烏龍茶、ふっくら焼けるお好み焼粉、伊藤園ベルガモット&オレンジティー……などなど。

どれもこれも定価の1/10やそれ以上の価格で安く手に入れたものばかり。ほぼタダ同然で仕入れたようなものである。なかには調味料ばかり購入してしまい、賞味期限が切れる前に使い切るのは不可能という人もいるようだ。それゆえ、転売という考えに至ったものと思われる。もし食べきれずに捨ててしまうようなことがあるともったいない。食べ物を粗末にするのは良くないことなので、もしほしいと思う品物があったら通常より安く購入できるこの機会を活かしてみるのもありかもしれない。
2009年10月21日16時30分 / 提供:ガジェット通信

 このネット通販店は12月7日に閉店し、翌日12月8日、名前も新たにリニューアルして開店します。そこで再び価格誤記。今度は取り扱う品物も多岐に渡るので、ものによっては10億円以上のものを5万円台で表示する始末。
(51,303円のトルクゲージを2万本で同じ価格)

 以前の間違いのときにだって原因を徹底的に調べると思うのですが、どうして同じ間違いをしたのでしょうか。やはり個人の注意力の問題として片づけたのでしょうか。

この件に関するお詫びはこれ。一部を引用します。
 今般の原因は、商品登録時の人為的なミスによる、ケース売価の単品売価への誤表記や、商品名における商品入り数の入力違い等によるものです。

 人為的なミスで済ませたら、また人為的なミスが起きそうな気がします。人為的なミスが起こりえないシステムや、たとえ人為的ミスが起きたとしてもすぐに気が付くようなシステムを組むつもりはあるのでしょうか。

 ところで、この件についてはネット上以外ではほとんど報道されていません。家内などは都市伝説のたぐいのデマではないかとまで言っています。お詫びが出ているのですからデマではないと思いますが、やはり広告主となる企業の不始末は報道できないものなのでしょうか。NHKくらいは報道しても良いと思いますが。

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2009.12.09 18:52 |  診療  |  仕事 / 職場  |  その他(医療関連)  |  bamboo  | 推薦数 : 3

最近切れたこと

 なんだか知らないうちに、いつの間にか患者からの苦情係になってしまいました。このようなブログを書いているのですから、医療安全には関心があり、実際に不手際があって患者に謝罪するのは仕方がないと思っています。私自身のミスでもないのに罵倒されるのも辛いものがありますが、実際に患者に迷惑をかけたのであれば職務ですから我慢もします。

 ところがですねえ、最近は理不尽なクレームも多いのですよ。それでも、素人故の勘違いだと思って我慢してきました。勤務時間中は麻酔業務に忙殺されながら、何とか時間を作ってトラブルになっている事例の検討をし、必要があれば対策を練ったり、患者や家族に会って説明をしたりしてきました。何で私がこんな仕事をしなければならないのだと思い、いい加減嫌になってきたときに、こんな事例がありました。

 形成外科で顔面の小さな良性腫瘍(直径2mmくらいのイボのようなもの)を取った患者が苦情を言ってきました。傷のあたりがふくれているような気がするので誠意見せろ(金返せ)と言うのです。術者は「何の異常もないので返金は出来ない」と断りました。そうしたら、「院長を出せ」と言い始めたというわけです。

 カルテには写真が貼ってあり、ほとんど傷跡も残らない綺麗な仕上がりで、クレームを受けるいわれはありません。対応した職員は、院長は会わないので私に会えと言います。実際にミスがあったのであれば、あるいは、ミスがあったと誤解されやすい状況なら会っても良いのですが、これは完全に言いがかりです。貴重な時間を割いてまで会うのはゴメンだと断りました。

 そもそも皮膚の腫瘍の切除は綺麗な傷跡にする義務はありません。あくまで病院と医師の好意によってコストをかけて美容整形手術のような縫合をしているのです。腫瘍が取り切れていれば手術は成功です。保険診療なのですから、保険診療で決められた要件を満たしていれば文句を言われる筋合いはありません。定食屋の料金で好意で十分高級な料理を出しているのに、自分の考えるフルコースの料理と違う気がするから金返せと文句を言われるのは腹立たしい限りです。

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2009.12.06 12:01 |  生活 / くらし  |  お金 / 株  |  その他(一般)  |  bamboo  | 推薦数 : 1

ブラックノート詐欺

ネタがないので、今日は昨日のTBSでやっていたブラックノート詐欺について一言。詐欺の手口は出来るだけ多くの人に広めた方が被害を防げると思う気持ちもありますが、ちょっとTBSのやり方に納得できないと思う気持ちもあって書いています。

どんな放送内容かというと、こんな内容でした。リンク先でも疑問を呈していますが、犯人逮捕や被害の弁済よりも番組作りを優先したTBSのやり方は非難に値すると思われます。犯人の住居も分かっているのに、逃亡の機会をたっぷりと与えています。手助けしているとしか思えません。

ブラック紙幣詐欺は、以前から知られている詐欺のようです。NTVでは6年前に放送したようで、それが契機となって犯人が逮捕されています。

TBSは始めから詐欺だと分かった上で番組を作っていたはずです。被害を出来るだけ少なくし、犯人逮捕をも視野に入れた取材をどれだけ意識したのでしょうか。私は途中から見たのですが、番組からはそのような意図は全く感じられませんでした。

追記
こんなところで紹介されていました
 

 

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2009.12.03 04:07 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 2

整備は医師の仕事?

  

 JALが経営破綻に陥りそうになり、公的資金を注入するかどうかが取りざたされていますが、JALの機長は機体整備をしているのでしょうか。機体の問題で事故が起きれば、機長が責任を問われるのでしょうか。操縦ミスで機長が責任を問われることはあっても、機体の整備不良で機長が責任を問われたケースはないような気がします。

 脳外科医は専門領域の手術に関しては知識も技術もあるでしょうが、手術器械に関しては素人です。名目上管理責任者になっていたとしても、実際に点検整備するのは手術部や医療技術部です。そこで手に負えないようであれば業者に任せます。本来なら、面倒な整備をしなくても支障がないような機械を供給する義務が業者にはあるのだと思います。

 業者の方も責任を問われては堪らないので、とても出来ないような点検スケジュールを説明書に記載し、アリバイ作りをしているのでしょう。その結果、名目上の管理責任者が責任を問われる事態が起きました。私もいろいろな分野の責任者になっていますので、何かあったら刑事責任を問われるのでしょうね。定年まであとわずかですが、それまで待たずに足を洗うべきでしょうか。「すべて任せていたので私は分かりません」という総理の言い訳が通用するかどうか見極めてからでも良いかもしれませんが。

手術中の女児死亡で医師を書類送検/神奈川県立こども医療センター
12月2日11時45分配信 カナロコ

 横浜市南区の県立こども医療センターで2006年、慢性硬膜下血腫の除去手術中の生後5カ月の女児=秦野市=が死亡する事故があったことが1日、分かった。県警捜査1課と南署は同日、業務上過失致死の疑いで、手術を担当した男性医師(61)=横浜市栄区=を書類送検した。医師は当時、同センターの脳神経外科部長で、県警は医師が手術器具の点検を怠ったことが事故につながったと判断した。

 送検容疑は、06年10月30日に同センターで行われた女児の脳の表面にたまった血液を取り除く手術で、窒素ガスの圧力でドリルを駆動させる器具で頭骨に穴を開ける最中に、器具から漏れた窒素ガスを女児の体内に流入させ、血管などがふさがれたことによる空気塞栓(そくせん)症で死亡させた、としている。

 県警によると、器具は使用のたびに油を差すなどして点検するよう取扱説明書に明記されていたが、医師は月1回程度しか行っていなかった。器具の連結部のゴム製パッキンが劣化しており、ガスが漏れたという。

 医師は調べに対し、「何回も使っていたので大丈夫だと思った」などと説明しているという。

 同センターは「(書類送検は)器具の管理責任を問われたものと理解しているが、手術自体に過失はなかったと考えている。患者の冥福を祈るとともに、引き続き捜査に協力したい」とコメントした。県病院事業庁によると、遺族の同意が得られなかったため、事故は公表していなかったという。 


 油を差していたらパッキンが劣化しなかったのかと言えば違うと思いますが、何より疑問なのは、ガスが漏れたからといってガス塞栓(窒素だから空気塞栓とは言わないでおきます)が起きるのかと言うことです。ガスが体内に入ったと言うことは、ドリルの先端からガスが吹き出したと言うことですよね。ガスが漏れても、駆動部分から漏れるだけで、ドリルの先端から漏れるはずはないと思うのですが、今度見てみなければなりませんね。

 それにしても、死因の判断が全くの間違いという可能性はないのでしょうか。どうしても釈然としません。

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