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2009.10.29 05:30 |  診療  |  仕事 / 職場  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 2

ダメ元がダメならダメ?

 医療をしていると、ほとんど救命は不可能だが一縷の望みを託して治療に望むことはあります。心肺機能が低下し、そのままでは死を免れないときの心肺補助装置の使用は、ダメでもともとの場合が多いでしょう。ダメでもともとの場合にダメだったら刑事罰というのであれば、どうしたらよいのでしょう。何もせず、そのまま死なせろと言うことですね。

カテーテル挿入で患者死亡…大阪医療センター
09/10/19読売新聞

 大阪市中央区の国立病院機構「大阪医療センター」で、人工心肺装置の装着手術を受けた男性患者(69)が、カテーテル挿入時に血管を損傷し、死亡していたことがわかった。大阪府警は、医師の挿入ミスの可能性があるとみて、業務上過失致死容疑で捜査を始めた。

 府警や同センターによると、男性は今月5日、経営する大阪市の工場で起きた火災で一酸化炭素中毒などで意識不明となり、同センターに搬送された。11日に人工心肺装置を取り付ける手術を受けたが、医師が太ももの静脈からカテーテルを挿入した後、容体が急変し、同日中に死亡した。

 病院から届け出を受けた府警が13日、遺体を司法解剖した結果、死因は左太ももの静脈損傷による出血性ショックと判明したという。同センターの斉藤三則管理課長は「現段階では医療過誤ではないと判断している。院内に検証チームを設置し、原因を究明したい」としている。
 

 解剖する医師は臨床の現場を知りませんから、静脈に損傷があって死亡すればこんな判断をするのかも知れません。この事例の人工心肺装置というのは、PCPS と言われる心肺補助装置と思われます。通常は大腿部の動静脈を穿刺しますから、それらの血管は傷つくわけですが、さすがにそれを「損傷」とは言わないでしょう。言うのかな。

 おそらくは静脈を穿刺するときに貫いたのだろうと思います。これは良くあることで、引き抜いてきて、血液が逆流するところで進めれば血管内に針を進めることが出来ます。通常はこれを失敗とは言いません。そもそも、大腿静脈を損傷したくらいで人間は死にません。それで死ぬようならカテーテルの挿入は不可能です。

 この事例は意識不明から6日後に PCPS を行っています。つまり、いよいよ死が免れない状況になってきたので、何とか持たせようとしたのでしょう。そして、装着のための手技中に坂を転がり落ちるように亡くなったものと思われます。ダメでもともとの治療をして、実際にダメだっただけのように思うのですが、そうですか、業務上過失致死ですか。

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2009.10.16 17:46 |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  bamboo  | 推薦数 : 2

院生も労働者

 多くの大学病院で、大学院生が無給で働いています。無給どころか授業料を払っているのです。授業料を納めながら労働をすることが博士になるための不文律なのです。雇用関係ではないのですから、医療紛争や労災の時に問題になるだろうといつも心配していました。

 実際に事故が起きれば、大学側が素直に責任を認めるわけもなく、結局は裁判にゆだねられます。それでも、形式論ではなく、実情を見据えた判決が出てホッとしました。

医大院生は勤務医と同じ 「過労で交通死」鳥取大に賠償命令

2009/10/16 13:57更新 イザ!

 鳥取大医学部の大学院生で医師だった男性=当時(33)=が付属病院で徹夜勤務をした直後に交通事故死したのは、睡眠不足や過労を生じさせた大学側の責任だとして、両親が鳥取大に損害賠償を求めた訴訟の判決で鳥取地裁は16日、約2千万円の支払いを命じた。

 朝日貴浩裁判長は判決理由で「大学院生の業務内容は勤務医と大きく変わらず、業務の性質は精神的負荷が高いものだ」と認定。「大学側には(過酷な勤務で)事故発生が十分予測可能だった」と安全配慮義務違反を認めた。

 研修などの名目で無給のまま医療業務に従事している院生の医師について、「雇用」する側の大学に安全配慮義務があることを認める司法判断。医大院生の過酷な勤務実態は国会などでも問題化しており、各地の大学で進む雇用契約締結の動きにも影響しそうだ。

 研修医については平成17年の最高裁判決が、労働基準法上の「労働者」に当たるとの初判断を示したが、原告側代理人によると、院生の労働者性を認めた判例はないという。

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2009.10.14 04:13 |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  bamboo  | 推薦数 : 1

陰性証明

 メディアは危機感を煽った方が商売になります。新型インフルエンザにしても、防護服に身を固めた茶番劇を何度も放送するなどして、危機感を煽ってきました。そのおかげで、パニックになった学校や企業は陰性証明を求めるようになってきました。

 そもそもインフルエンザを発症していなければ検査で陽性になるはずもなく、家族が発症したから検査しろと言われても医学的には意味がありません。私の息子も発熱と下痢があったとき、職場から陰性証明を持ってこいと言われました。仕方がないので、知り合いの開業医に頼みましたが、症状からインフルエンザとは思えなかったので、後ろめたい気がしました。検査薬も余っているわけではないからです。

 インフルエンザが疑われる症状がある場合であれば検査する意味はありますが、検査が陰性の場合、検査が陰性である証明は出来てもインフルエンザではない証明は出来ません。陰性だからと言って、安全が保証されたわけではないのです。症状があるなら症状が治まるまでは休むべきですし、出来るだけの配慮は必要です。

 煽っておいて落ち着くように求めるのはマッチポンプのような気もしますが、何もしないよりは良いと思います。やっとこのような報道もされるようになってきました。

「陰性証明」求め来院続々 厚労省「不要」企業に通知へ 新型インフルエンザ
2009年10月10日 提供:毎日新聞社

 新型インフルエンザの感染拡大で、発症していない人が「陰性証明」を出してもらおうと医療機関を訪れるケースが続出し、自治体や医師会が自制を呼び掛けている。家族が感染した場合、勤務先や学校が出勤・登校を認めるのに、陰性証明を求めているためだ。しかし「陰性」を完全に証明することは医学的に無理があるうえ、医療機関の負担増にもなっている。厚生労働省は近く、日本経団連などを通じて企業に対し「陰性証明を求める必要はない」との通知を出す。

 滋賀県は9月中旬からホームページ(HP)上で「陰性証明・完治証明を求めることはお控えください」との文書を掲載している。県健康推進課によると「陰性証明を出すよう求められた」という相談が8月ごろから増え始めたためだ。

 東京都大田区も「学校や会社も、必要ない検査は求めないで」とHPに掲載。大阪府医師会は「発症前の検査に医学的な意義はない」とするポスターを作製した。

 医療機関が陰性証明を求められた場合、簡易検査キットを使って感染しているかどうかを判断するが、キットは本来、発熱などの症状が出てから約12時間たたないと陽性反応が出ない。厚労省新型インフルエンザ対策推進本部は「症状がない人に簡易検査キットを使っても陰性の証明はできない」と説明する。また滋賀県健康推進課は「未発症の人に陰性証明を出すことは、医療機関の負担増になる。本来必要な発熱患者のための検査キットが不足することも心配」と話す。

 医療現場では、訪れた人に、検査キットの数が限られていることや、判定できないことを丁寧に説明して断っている医師もいる。大阪府高槻市、高橋医院の高橋徳院長(62)は「接客業などで『陰性証明書』を求めるようだ」と話す。

 企業などが陰性証明を求める背景には、小学校や幼稚園が「治癒証明書」の提出を求めてきた流れがあるようだ。厚労省は「家族が感染しても、症状がないなら、経過を見ながら通常勤務を続け、異常を感じたら休めばよい」と説明している。【林田七恵、高野聡】

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2009.10.09 05:38 |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  bamboo  | 推薦数 : 2

感謝知らずの・・・

 いつもメディアには叩かれっぱなしの日本の医療ですが、ちゃんと海外の医療と比べて貰えれば、その良さが分かるものです。日本では当然と思われていることが、実は、国際的に見れば羨望の的と言うこともあるでしょう。たまにはこういう記事も書いてくれるのですね。

1位は日本 最下位は米 先進16カ国の医療制度評価
東京新聞 2009年9月29日 夕刊

 【ニューヨーク=阿部伸哉】カナダの非営利調査機関「コンファレンス・ボード・オブ・カナダ」は二十八日、先進国の医療制度ランキングを発表し、日本は十六カ国中で一位に、米国は最下位となった。

 医療保険制度改革の議論が進む米国で何かと引き合いに出されるカナダも十位と振るわなかった。

 調査は二〇〇六年のデータに基づき、平均寿命やがん死亡率、乳幼児死亡率など十一項目で評価。「A」ランクは日本、スイス、イタリア、ノルウェーの四カ国。カナダは「B」、米国は英国、デンマークとともに最低の「D」だった。医療保険制度の財政状況は勘案されなかった。

 国民皆保険制度がない米国では、隣国カナダの皆保険制度が批判、称賛の両面でたびたび比較対象になる。調査でカナダは米国より上位だったものの、急を要さない治療では長期間待たされる実態や、生活習慣病患者の多さなどが課題として指摘された。


 税金は高いけれど、社会保障が充実しているので「世界で最も住みやすい国」と言われるデンマークが最低ランクというのには驚きました。医療を充実させようと思ったら、どこかにしわ寄せを持っていかない限り、大変なコストがかかります。予算の配分によっては、医療に手が回らないこともあるのでしょう。

 米国は自己責任の国ですから、まともに医療を受けられないのは当然です。日本も米国型社会を目指していますから、今後は最低ランクに落ちるのでしょう か。2006年には一位に輝いた日本の医療ですが、それを少ないマンパワーと少ない医療費で達成していることは忘れて欲しくありません。それを可能にして いるのは、医療従事者の献身的な努力です。

 ヨーロッパ諸国と比べたら格段に安い税金で、しかも、その多くが公共事業などに流れ、医療には少しだけしか配分されない状況で、それでも頑張っている日本の医療を少しは見直してみませんか。

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2009.10.07 12:19 |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  bamboo  | 推薦数 : 3

複雑な気持ち

 勤務医が労働基準法の通りに働き、時間外勤務手当を受給することになれば、おそらくほとんどの公立・公的病院は壊滅するでしょう。診療報酬は、医師のサービス残業を前提にして決められているとしか思えないからです。

 通常の診療ですらサービス残業なのですから、学習や待機時間まで時間外勤務とすれば、もはや病院の存続は不可能です。でも、日本の医療が医師の犠牲の上 に成り立っているのであれば、やはり是正すべきなのでしょう。犠牲を強いなくとも成り立つような医療体制を構築するのは行政の仕事です。医師がかぶること はありません。

 そうは言っても、修行中の医師に対しても単純な労働者扱いが正しいのかというと、少々疑問に思います。ずっと同じ病院にいるのであればコストをかけて育 成する意味もありますが、2年経ったら退職することが分かっている医師にコストをかけるだけの余裕はないでしょう。研修医には研修医でも出来るような雑用 だけをやって貰い、知識や技術を必要とする業務はベテランの医師がこなした方が時間もコストもかかりません。

 あまり時間外手当のことを言えば、研修そのものに悪影響を与える可能性が高いと思います。もちろん、かつてのような奴隷労働を強いることには断固反対しますが。

 この記事のような事例が広まると、ちょっと複雑な気持ちになるのでした。

神戸大病院、残業代不払い=研修医らに1億6000万円
 神戸大学付属病院の研修医ら延べ788人に総額約1億6000万円の残業代を支払っていないとして、神戸東労働基準監督署が同大に是正勧告をしていたことが30日、分かった。4月までに全額を支払ったという。
 神戸大によると、労基署が指摘した不払いの期間は2007年2月~08年9月。是正勧告を2回、立ち入り調査を3回受けた。
 同病院は、研修医らに対し、医療行為に従事する時間や指導を受けている時間について、労働時間として自主申告するよう指示していた。しかし、労基署は自主的な学習などで院内にいた時間すべてを労働時間とすべきだとしたという。
 神戸大付属病院総務課の話 長時間の時間外勤務が恒常化しないよう、適切な労務管理に努めたい。
(2009/09/30-13:29)時事ドットコム

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