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2009.09.22 06:14 |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 4

またも後出しジャンケン

 何度も言われていることですが、医療には不確実性があります。特に外傷の場合、絶対に後遺障害無く治癒せしめることなど出来るわけがありません。細かい 作業が必要な職業に従事しているのであれば、怪我を避けるのは自己責任であると思います。少し前の記事ですが、引用してみます。

医療ミスで中華料理に支障 市400万支払いで和解へ
09/09/09 共同通信社

 猫にかまれてけがをした指の診察を、神奈川県の平塚市民病院で受けた同市の40代の中華料理店長が、治療のミスで関節が動かなくなったなどとして、市に 約3400万円の損害賠償を求めた訴訟があり、平塚市は9日、一部の治療ミスを認め、男性に437万円を支払うことで和解すると発表した。

 男性は中華鍋を使った料理や細かい作業が必要な調理の際、支障が出るようになったという。

 市や男性の代理人によると、男性は2003年2月、自宅付近で野良猫に餌をやった際に右手親指をかまれたため救急外来を受診した。実際には骨まで傷が達 していたのに、治療が皮下脂肪の切開にとどまったため、翌月骨髄炎を起こして手術。親指の第一関節が動かなくなり、身体障害者の認定を受けた。

 和解案は横浜地裁が示したもので、市は今月の市議会の議決を経て正式に和解する。石山直巳(いしやま・なおみ)病院長は「万全の治療ができなかったことをおわびしたい」とのコメントを出した。


 当然のことですが、怪我をしたのは自己責任であり、病院が怪我をさせたのではありません。怪我をすれば、必ず元のように治るとは限らないのは前述の通りです。これで病院の責任を問うのはあんまりです。 

 地裁からの和解案ということは、争い続けた場合、和解案のような判決が出るのでしょう。でも、このような結果責任を認める弊害というのは計り知れないものがあります。少なくとも、高裁までは争って欲しかった気がします。

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2009.09.14 18:18 |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  bamboo  | 推薦数 : 2

ここにも後出しジャンケン

 遭難者を放置すれば死が避けられません。だからこそ過酷な状況の中、命を張って救助に向かったのに、結果が悪かったからと言って訴訟沙汰になれば現場の士気は保てないでしょう。

積丹岳遭難 遺族が道に賠償請求
2009年09月11日 asahi.com
■滑落死「救助法に謝り」 

 後志支庁積丹町の積丹岳(1255メートル)で今年2月、スノーボードをしていて遭難した札幌市の会社員男性(当時38)が道警の救助用ソリにいったん 収容されながら、ソリが滑落して死亡した事故をめぐり、男性の両親は11日、道を相手取り約8600万円の損害賠償を求める国家賠償請求訴訟を札幌地裁に 起こす。道警が救助方法を誤らなければ、男性の命は助かったと主張している。
(霜田紗苗)

 訴状などによると、男性は今年1月31日、スノーボードをするために友人2人と積丹岳に入った。友人は靴擦れが起きて山腹の休憩所で待機、男性は1人で 山頂を目指した。その後「登頂したが、視界不良なので野営する」という無線連絡が男性から入り、友人が110番通報。道警はヘリコプターで捜したが、男性 を見つけられなかった。

 道警は2月1日、救助隊員5人が雪上車で現場近くに行って捜索したところ、雪洞を掘って一晩を明かした男性を発見。男性と歩き始めたが、雪庇(せっぴ)を踏み抜き滑落した。

 救助隊は約200メートル下に滑落した男性をソリに収容。2人が上からロープで、1人が下から支えて引き上げていたが、隊員の1人が疲労で作業が困難と なった。尾根で待機中の隊員と交代するため、太さ3~5センチのハイマツにソリのロープを結び、全員が離れた時に重みで木が折れて再び滑落した。男性は翌 2日に発見されたが、病院で凍死が確認されたという。

 両親は、救助でソリを木に結びつける時には、複数の支点を作り確実に固定すべきなのに、救助隊は万全の措置を怠った、などとしている。両親は「息子の死を無駄にしないため、今回の救助方法を裁判で検証し、同じような不幸が繰り返されないようにしてほしい」と話している。

 事故当時、道警は朝日新聞の取材に、現場は約40度の急斜面で、吹雪のため視界は約5メートルしかなく、風速約20メートル、気温は零下20度だった、などと説明している。
(誤字も原文のまま)


 記事によれば、かなり過酷な条件であったと思われます。このブログの当時の記事を見ると、雪庇を踏み抜いたときには救助隊員3名も一緒に滑落したようです。まさに二重遭難の危機だったわけです。

 スノーボードで遭難したのは自己責任ですが、助ける方はあくまで(仕事とはいえ)善意です。放置すれば死ぬから、助かる可能性にかけて救助に出かけたのでしょう。絶対に救助できるという保証はなかったはずです。必ず助けられるようなら、そもそも遭難なんかしません。

 過酷な条件の中、人命を救いたい一心で、自らの命を危険にさらしてまで頑張った救助隊には、たとえ救助が成功しなくても、感謝で応えるのが筋ではないでしょうか。いつから他人が自分のために犠牲的奉仕をすることが当然だという風潮が出来たのでしょう。

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2009.09.12 18:05 |  診療  |  仕事 / 職場  |  その他(医療関連)  |  bamboo  | 推薦数 : 1

舌癒着症

 いつも勉強させていただいている“kikulog" で、一部の医師が舌癒着症という概念を主張していることを知りました。以前から「舌小帯短縮症」などの病名で知られているものとは異なる疾患で、呼吸障害を起こし、乳児突然死症候群との関連も取りざたされています。ただし、小児科学会の委員会は明確にこのことを否定しています。(サイト内を「舌小帯」で検索してください)

最初と最後だけ引用します。
 母乳栄養促進などの目的から,新生児および乳児の舌小帯に小切開を加えること は,日本のみならず諸外国においても古くから習慣的に行われてきたが,その医学的意味がないことが示されており,現在はほとんど行われなくなった 1)~4).このような病棟や外来で助産婦や医師によって行われていたレベルの舌小帯の切開とは異なり,一部の医師によって,先天性舌癒着・喉頭蓋・喉頭 偏位矯正術の名称で舌小帯に対する本格的な手術が行われている5).高度な舌小帯の短縮が上気道の変異をもたらし,呼吸障害を引き起こすと言う考えの基 に,先天性舌癒着・喉頭蓋・喉頭偏位症の診断名がつけられ,舌低部を切開し頤舌筋を切断する手術である.その手術の目的は,吸啜障害の矯正のみならず,呼 吸障害やそれに伴う低酸素血症を改善して乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生を予防するというものである.

中略

結  語

 今回の調査および文献的な考察から,乳幼児の突然死を予防するという目的で舌小帯に手術的侵襲を加えることの正当性を認めることはできなかった.本調査 の結果を踏まえ,小児の医療に携わる小児科および耳鼻咽喉科さらには口腔外科や小児外科の専門家により,舌小帯短縮症の手術の適応やその効果等に関し真摯 な議論がなされ,受け身である乳幼児を不当な麻酔や手術という侵襲から守るための措置を考えるとともに,子育て中の母親に適切な情報を提供してその無用な 不安を軽減をする努力をなすべきである.


突然死の予防手術だけでなく、哺乳や発音障害改善のための舌小帯手術についても否定的だということが分かります。

 ところが、何でもかんでも舌小帯のせいとして手術を勧める(歯科)医師もいるようです。乳児なら普通に見られるようなことを「症状」とし、手術の必要な人が95%に上るというのです。実際にはほとんどの人が手術を受けていないのですから、日本人の95%は特定の病人と言うことになります。挙げ句の果てにこんなのまであります。

 総合的に判断して、一部の医師が言う「舌癒着症」という概念は誤りであると思われます。成人が自分で進んで手術を受けるのであれば、まだ、自己責任といえるでしょうが、抵抗できない乳児に怪しげな手術をするのは許されない行為と言えるのではないでしょうか。

 以前ホメオパシーと助産師の関わりについて書いたことがありましたが、舌小帯についても助産師の関わりが大きいようです。このブログの記述を見ると、舌小帯の存在そのものが問題とされている疑いすらあります。

該当部分を引用してみます。
舌の裏側にスジがあるのは当然と思っていたら 違うんですね!
夫の舌を見せてもらったら つるんとしていました。


たいていの人にはスジがあります。ブログの著者に上記のように思わせる発言をしたのであれば、その助産師の言動は問題です。 

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 自治体などが安易に和解に応じることには批判があります。私自身、何度も批判しています。でも今回は、和解に応じることを擁護する意見を表明してみます。

 裁判所からの和解案の提示とは、要するに和解勧告です。「和解に応じないで裁判を続けるのであれば、結局は和解案に準じた判決になりますよ」ということ です。裁判を続けても、無駄に時間とコストを費やすだけです。和解案が提示される前に適切な対応をしておかないと間に合わないのです。紛争に関わることに なって、弁護士から聞くまでは知らなかったのですが。

   神奈川・平塚市、437万円支払いへ 
   地裁の和解案受け入れ 
   市民病院ミス訴訟

2009年9月10日 提供:毎日新聞社

 平塚市は9日、同市の男性(45)が猫にかまれた傷の治療にミスがあったとして市民病院に慰謝料など約3400万円を求めた訴訟で、横浜地裁が提示した和解案を受け入れ、約437万円を支払うと発表した。関連の補正予算案を同日、市議会に提出した。

 市によると、男性は03年2月、猫に右手親指をかまれ、同病院で8回治療を受けた。しかし、翌月に骨に細菌が入り炎症を起こし、緊急手術をしたが右手親指の第1関節が動かなくなった。男性はその後、身障者手帳の交付を受けた。

 男性は07年3月に提訴。市は男性の精神的苦痛なども考慮し、地裁の和解案受け入れを決めた。石山直巳病院長は「万全の治療を提供できなかったことをおわびします」とのコメントを出した。【渡辺明博】 


 この事例がどうなのかを論じるつもりはありません。和解案を提示したのが裁判所であることだけを指摘しておきます。双方にとって、和解を蹴って裁判を続ける意義はないものと思われます。

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