3月に書いた日記の事例が起訴猶予になったとのこと。不起訴とは違い、刑事責任がないわけではないが大目に見ようと言うことなので、諸手をあげて喜ぶわけには行かないが、まあ、よしとしよう。只、最後の一言は気になる。
記事:毎日新聞社【2008年11月29日】
新潟地検:業過失致死容疑の医師2人を起訴猶予「過失問うのは酷」 /新潟
新潟地検は28日、止血に失敗して患者を死亡させたとして業務上過失致死容疑で今年3月に書類送検されていた40歳と31歳の男性医師=いずれも十日町市=を26日付で起訴猶予にしたと発表した。
2人は04年3月、勤務していた刈羽郡総合病院で、柏崎市の男性(当時28歳)のへんとう腺の手術で、血が止まらなかったため止血手術を行った。その際、胃の中にたまった血を抜くのを怠って、筋弛緩(しかん)剤を投与し、血を逆流させ呼吸不全で死亡させた疑いで書類送検されていた。地検は「(筋弛緩剤を扱う)専門の麻酔医ではなく、二人に過失を問うのは酷な面がある」とした。【畠山哲郎】
ベテラン麻酔科医として、私だったら無事に済んだかと言えば、
多分済んだと思う。でも、あくまで多分であって、
絶対ではない。麻酔科医だったら罪を問われるのだとしたら、やっぱり恐ろしい。
コメント
コメント一覧
結果責任、後出しじゃんけんはどうしてもやめられないのでしょうね。
検察も大野病院の件で懲りて、起訴はしにくい雰囲気があるのでしょう。
でも、この件は、民事では敗訴の可能性があると思います。
その場合にどんな風に書かれるのでしょうか。
たとえ敗訴となったとしても、医師の責任ではなく、医療体制の不備を認定して欲しいと思います。
しかし、こういうことが今後の医療事故予防のために役に立つことがあるのでしょうか。それともまた、医療体制が変わらず医師個人の過失で終わるのでしょうか。
今後、耳鼻科勤務医としてとても怖いのですが。。。
他の記事では示談の情報もあるのですか。
示談で済んだのであれば、それはそれで良かったと思います。
でも、安心して働ける環境もなしに責任だけ取らされるのであれば、怖いですよね。
扁桃摘出は経験ありますが、術後出血はめったにないです。
胃の内容を確認することを怠ったということらしいのですが、この場合どのような確認方法があったと考えられるのでしょうか。主治医はどうすればこの患者さんを救えましたでしょうか。耳鼻科医の中には複数系統の太い吸引管を準備すれば吐血しても大丈夫だったとかいう人もいますが、、。ふせぎきれないような、、。いろいろ妄想してしまいます。
ガクガクブルブル、私も一人医長ですので扁摘やめたいです。
実はここはミラーサイトでありまして、本家の方にも、この件については書きました。
麻酔科医にとって、扁摘後の出血は確認するまでもなくフルストマックです。
フルストマックということになれば、対処法はいろいろとあります。
導入前に吐かせてしまう。
吐かせないように輪状軟骨を圧迫して導入。(セリック法)
導入前に十分酸素投与し、導入後は呼吸させない。
最近は見たことはありませんが、意識下挿管。
ざっと考えてもこれだけの対処法が浮かびます。
後出血が起きたとき、万全の体制をとれない施設では、もう手術してはいけないのかもしれませんね。
扁摘の術後出血は非常に恐ろしい状況ですが,この記述は現実を全く無視しています.胃の中に溜まった血液(凝血塊)は胃管を入れたとしても抜くことは非常に困難です.あると想定して対処しなければなりませんが,それでも状況によっては筋弛緩薬を投与せざるをえない状況もあるでしょう.書き方が的外れです.
出血が多ければ気管挿管さえ大変です.
状況をもう少し詳細に示さないとどこに問題があったのか全く見えてきません.
麻酔科専門医にとっても扁摘の術後出血は恐ろしい病態です.
「麻酔科専門医にとっても扁摘の術後出血は恐ろしい病態です」と言うのはその通りで、その前の私のコメントでの対処法を行えば絶対に安全というわけではありません。麻酔科以外の方、誤解無きよう。
日記本文にもありますように、多分大丈夫というレベルであって、絶対大丈夫とは言えないのです。
新聞記事中の「その際、胃の中にたまった血を抜くのを怠って、筋弛緩(しかん)剤を投与し」と言う言いぐさは、他人のことだと思って簡単に言ってくれるものだと思います。
胃管を入れて吸引しても引けないだろうことも、Level3先生のおっしゃるとおりです。
胃管を入れると出血源をつつく恐れもあり、私なら入れないでしょう。
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