通常の人工呼吸の容量と、障害を起こすほどの容量との間にはかなりの隔たりがある。よほどとんでもない1回換気量でなければ、重篤な結果を招くことはないのだが。
9560万円支払いへ 川崎市、過失認め患者側に 川崎病院医療事故
記事:毎日新聞社【2008年11月19日】
川崎市立川崎病院で05年6月、手術後に人工呼吸器を装着した男性患者が脳に障害を負う医療事故があったと、市が18日公表した。市は呼吸器の点検が不十分だったことを認め、患者側に9560万円を支払う方針で、25日開会の定例市議会に提案する。長秀男院長は「患者の家族や市民におわび申し上げる」と謝罪した。
市病院局によると、05年6月3日深夜、消化器系疾患で川崎病院に救急搬送された市内の40代男性会社員を緊急手術した。術後の翌4日午前4時40分ごろ、麻酔医が人工呼吸器を装着したところ、約20分後に血圧と脈拍数が低下し、空気が皮下組織にたまるなど容体が悪化。低酸素脳症で言語や記憶などに支障をきたす高次脳機能障害を負った。
男性は今年3月、呼吸器の異常は使用前点検が不十分だったためとして、市に約2億3800万円の賠償を求め東京簡裁に民事調停を申し立てた。男性は別の病気で4月に死亡、遺族が引き継いだ調停で、簡裁が9560万円支払いの調停案を示していた。
市病院局は「酸素を含むガスが呼吸器から過度に入り、肺が膨らんだことで心臓や血管が圧迫され、脳への血流が阻害されたと推測される」と説明。医師の設定や機器に異常は確認されず原因ははっきりしないが、十分な点検を怠った過失を認めて調停に応じる方針を決めた。市議会の議決を経て、年内にも調停が成立する見通し。【笈田直樹】
空気が皮下組織に溜まったと言うことは、緊張性気胸になったのであろう。つまり、大量の1回換気量で人工呼吸をしたので、肺が破れ、胸腔内圧が高まって循環動態に深刻な影響があったということと考えられる。
そうだとすれば、確かに術前の人工呼吸器の設定の点検がおろそかだったのだろう。でも、死因は別の病気だったとのこと。死因とミスの因果関係がなかったのだとすれば、何で賠償と言うことになったのだろう。いつもの事ながら、報道はちっとも知りたいことを教えてくれない。
コメント
コメント一覧
>十分な点検を怠った過失を認めて
これって日本語の文章としておかしくないですか?
小生には意味不明に思えてなりませんが。
そうですね、医師の設定も異常ではなかったと書かれていますね。
私は換気量の設定が大きすぎたのだと早とちりしていました。
麻酔器によっては、500mlに設定したつもりが1500mlになり得るものもありますので。
コメントを書く