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「割りばし死」2審も無罪、「過失なし」…東京高裁
記事:読売新聞 2008年11月21日
東京都三鷹市の杏林大学付属病院で1999年、保育園児杉野隼三ちゃん(当時4歳)ののどに割りばしが突き刺さっているのを見落として必要な診療を行わず死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた元同病院医師・根本英樹被告(40)の控訴審判決が20日、東京高裁であった。
阿部文洋裁判長は「被告の医療措置に過失はなく、救命も困難だった」と述べ、無罪とした1審・東京地裁判決を支持、検察側の控訴を棄却した。医療事故の刑事責任追及に対し、厳しい司法判断となった。〈関連記事3面〉
根本被告は99年7月10日、耳鼻咽喉科の救急当直医として、綿あめの割りばしをくわえたまま転倒し搬送された隼三ちゃんを診察した際、必要な検査を行わず、傷口に消毒薬を塗るなどしただけで帰宅させ、翌朝、隼三ちゃんを頭蓋内損傷で死亡させた、として起訴された。死亡後の解剖で約7・6センチの割りばし片が脳に刺さっているのが見つかった。
06年3月の1審判決は、診断ミスがあったことは認めたが、治療しても延命の可能性が低かったとして無罪を言い渡したため、検察側が控訴していた。
この日の判決は事故について、特異な例で当時は診療指針が確立していなかったとしたうえ、隼三ちゃんの意識障害も強くはなかったことなどから、「割りばしによる頭蓋内損傷を疑って問診をしたり、コンピューター断層撮影法(CT)検査などを行ったりする注意義務はなかった」と、被告の過失を否定した。
また、救命の可能性についても、仮にCT検査を行ったとしても、割りばし自体を見つけることはできなかったなどとして、「延命も確実に可能だったとはいえない」と結論づけた。
父「受け入れられぬ」
隼三ちゃんの父正雄さん(57)と母文栄さん(51)は判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。正雄さんは「医師に過失がないというのは到底受け入れられない」と語り、文栄さんも「判決の結果は残念だが、隼三の死が無駄にならないよう病院や医師が努力して下されば」とうつむいた。
判決が隼三ちゃんの死を「特異な例で医師が想定するのは極めて困難」と認定したことに対し、正雄さんは「私たちは高度な医学処置を望んだわけではなく、もっと問診をしてほしかっただけ。このままでは同じことが繰り返される」と訴えた。
一方、根本英樹医師は東京高裁の法廷に紺色のスーツ姿で出廷。阿部裁判長が主文を言い渡すと、軽く一礼し、判決理由の読み上げの間は、うつむいたままだった。弁護人は判決後、「痛々しい死に対して、深い哀悼の意を表したいと思います。長い苦しい時間だったが、今日の判決でその苦労も報われた思いです」とする根本医師のコメントを発表した。
当直医らを聴取:名称似た薬剤取り違え 健保鳴門病院
記事:毎日新聞社【2008年11月21日】
健保鳴門病院の医療事故:名称似た薬剤取り違え 鳴門署、当直医らを聴取 /徳島
◇70歳患者死亡
健康保険鳴門病院(鳴門市撫養町黒崎)で明らかになった薬剤の誤投与による医療事故。筋弛緩(しかん)剤を点滴された患者が死亡する深刻な事態に、19日夜会見した増田和彦院長は「事故を繰り返すことのないよう、医療安全への取り組みを見直し、再発防止に努める」と述べ、謝罪した。病院から届けを受けた鳴門署は、業務上過失致死の疑いもあるとみて、当直医ら関係者から事情を聴いている。【岸川弘明、深尾昭寛】
死亡したのは、10月下旬から肺炎などで入院していた鳴門市内の男性患者(70)。病院によると、男性は近く退院できる状態まで回復していたが、17日午後9時過ぎに39・4度の高熱を出した。通常の解熱鎮痛剤では喘息(ぜんそく)発作を起こす患者だったため、女性当直医が解熱効果のある副腎皮質ホルモン剤「サクシゾン」の処方を決めた。
当直医は電子カルテから薬剤を処方するため、コンピューターに「サクシ」と入力。検索結果の画面には筋弛緩剤「サクシン」のみが検出され、当直医は十分確認せず200ミリグラムを処方した。サクシンは手術時の麻酔などに使われるが、毒薬指定されており大量投与では死に至る可能性もあるという。
薬剤師は使用目的を把握せず「通常の使用量を逸脱していない」と判断しサクシンを調剤。筋弛緩剤の使用を不安に思った看護師は「本当にサクシンでいいんですか」「どれくらいの時間で投与するのですか」と確認したが、サクシゾンと思い込んでいた当直医は「20分くらいで」と投与を指示したという。
点滴後、病室を見回った看護師が午後11時45分ごろ、男性の異変に気付き医師や家族に連絡。男性は呼吸停止し、心臓マッサージや人工呼吸が施されたが18日午前1時45分に死亡が確認された。死因は急性薬物中毒による呼吸不全とみられる。
名称が似た二つの薬剤を取り違える医療事故は過去にもあり、厚生労働省が注意喚起していた。00年11月には、富山県内の病院でサクシンを注射された男性患者(当時48歳)が死亡。その際、医師は「サク」の2文字で薬剤を検索していた。鳴門病院でも取り違えを防ぐため、5年ほど前からサクシゾンを取り扱っていなかったが、今春着任した当直医は事情を知らなかったという。
「社会常識欠けた医者多い」=麻生首相が発言、すぐに陳謝
11月19日17時57分配信 時事通信
麻生太郎首相は19日、首相官邸で開かれた全国知事会議で、地方の医師不足問題に関連して「社会的常識がかなり欠落している人(医者)が多い。とにかくものすごく価値判断が違う」などと述べた。首相はその後、記者団に「まともな医者が不快な思いをしたというのであれば申し訳ない」と陳謝したが、医師の資質を批判したとも受け取れる発言で、今後波紋を呼びそうだ。
同会議で首相は、「地方病院での医者の確保は、自分で病院経営しているから言うわけじゃないが大変だ」と強調。その上で、「小児科、婦人科が猛烈に問題だ。急患が多いところは皆、(医師の)人がいなくなる」「これだけ(医師不足が)激しくなってくれば、責任は医者の(方にある)話じゃないか」と述べ、産婦人科に対する診療報酬加算などの対応が不十分との認識を示した。
問題の発言は、医師の多くが産婦人科などでの過重な勤務を敬遠して開業医に流れる現状に、知事側が懸念を示したのに対して飛び出した。首相は同日夜、記者団に「医者は友達にもいっぱいいるが、おれと波長が合わねえのが多い」としながらも、「そういう(社会常識の欠落という)意味では全くない」と釈明した。
9560万円支払いへ 川崎市、過失認め患者側に 川崎病院医療事故
記事:毎日新聞社【2008年11月19日】
川崎市立川崎病院で05年6月、手術後に人工呼吸器を装着した男性患者が脳に障害を負う医療事故があったと、市が18日公表した。市は呼吸器の点検が不十分だったことを認め、患者側に9560万円を支払う方針で、25日開会の定例市議会に提案する。長秀男院長は「患者の家族や市民におわび申し上げる」と謝罪した。
市病院局によると、05年6月3日深夜、消化器系疾患で川崎病院に救急搬送された市内の40代男性会社員を緊急手術した。術後の翌4日午前4時40分ごろ、麻酔医が人工呼吸器を装着したところ、約20分後に血圧と脈拍数が低下し、空気が皮下組織にたまるなど容体が悪化。低酸素脳症で言語や記憶などに支障をきたす高次脳機能障害を負った。
男性は今年3月、呼吸器の異常は使用前点検が不十分だったためとして、市に約2億3800万円の賠償を求め東京簡裁に民事調停を申し立てた。男性は別の病気で4月に死亡、遺族が引き継いだ調停で、簡裁が9560万円支払いの調停案を示していた。
市病院局は「酸素を含むガスが呼吸器から過度に入り、肺が膨らんだことで心臓や血管が圧迫され、脳への血流が阻害されたと推測される」と説明。医師の設定や機器に異常は確認されず原因ははっきりしないが、十分な点検を怠った過失を認めて調停に応じる方針を決めた。市議会の議決を経て、年内にも調停が成立する見通し。【笈田直樹】
田母神論文: 陰謀論にはまる危うさ
2008年11月13日 朝日新聞
唐沢俊一 評論家、「と学会」会員
世の中には荒唐無稽な主張を展開する「トンデモ本」があふれている。私は、トンデモ本を研究する「と学会」会員として、数多くのトンデモ本を読んできたが、田母神論文にはトンデモ陰謀論の典型的なパターンが表れているように感じる。
「日本はルーズベルトの仕掛けた罠にはまり真珠湾攻撃を決行した」「張作霖列車爆破事件はコミンテルンの仕業」「盧溝橋事件の仕掛け人は中国共産党」といった、都合のいい俗説を検証もせずに取り出し、整合性も考えずにつぎはぎにしている。自説の正当性を証明するプロセスをすっ飛ばす。一次史料を参照せず、「誰々の本に書いてある」という二次史料引用しかない。空幕長であれば、一次情報にアクセスすることもできたはずだが、そうした形跡がまったくない。これはすべてトンデモ陰謀論の特徴だ。
読み物作家などと違い、政治や歴史を研究する人間は、すっきりした解答という誘惑を退けなければならない。複雑な状況を、単純化せず、根気よく分析していくには、非常な労力と時間が必要だが、田母神氏にはそれが我慢できず、手あかのついた陰謀論に走ったのだろう。
論文から唯一読み取れるのは、いま日本や自衛隊が置かれている状況について、田母神氏が憤りを感じていることだ。給油問題や米国との関係の変化などで、自衛隊をめぐる状況は不安定で先が見えない。その状態への不安とフラストレーションがあるのではないか。満たされないものを抱いている人間は、安易な解決に飛びつきがちだ。氏は、物事の処理や判断が速い、有能な人物だといわれている。実は、そういう即断即決型の人ほど、トンデモ陰謀論にはまりやすい。「誰々が悪い」という、理解しやすい解答に行ってしまいがちだからだ。
田母神氏の論文からは、世の中を変えようとする意志が感じ取れない。本気で変えたいのなら、懸賞などに応募するのではなく、地道に勉強会などで自衛隊の中に自分の思想を浸透させていき、やがて政治や社会に影響を及ぼそうと考えるはずだ。「言いたいことを言った」といだけで、自分は大きなことをしたという自己満足に浸っているのではないか。こうした「言いっ放し」も陰謀論によく見られるものだ。
ただ無視できないのは、ブログなどで、この論文について「どこが悪いんだ」という声が多いことだ。ネットの世界には、黒か白か、右か左かをはっきりさせたがる人が多い。そうした単純化は陰謀論と親和性が高い。複雑な政治的問題を、一つの「悪」を設定するだけで、すべて片付けようとする。嫌中、嫌韓という風潮も、悪役を手っ取り早く見つけたいという欲求の表れだろう。そうした白か黒かの二元論が社会で急激に広まり、考え方の豊かさや多様性が失われている。
いま日本でも、「9・11米国自作自演説」などがもてはやされるようになっている。それは、国民の間に、社会状況や経済状況、生活についての不安やフラストレーションが高まり、余裕がなくなってきていることの表れではないか。グローバル化で複雑になりすぎた社会に人間がついていけなくなり、陰謀論という悲鳴を上げている。
田母神論文を、陳腐で幼稚だと笑い飛ばすのは簡単だが、こうした陰謀論に空幕長という要職にある人間がはまってしまうという現状の危うさにこそ、気づかなければならない。
「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思いますよ。忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」(二階俊博経産相)
患者とさぬき市和解 病院でリハビリ中脳こうそく
記事:毎日新聞社【2008年11月8日】
02年、さぬき市寒川町石田東の大川総合病院(現在のさぬき市民病院)でリハビリ中の事故で骨折、その後手術ではなくリハビリを続けられ脳こうそくを発症したのは同病院の注意義務違反があるなどとして、同市内の男性(74)が同病院を運営する同市に対し、約5500万円の損害賠償を求め高松地裁に提訴した裁判で、同市と男性が今月4日、市が男性側に850万円を支払うことで和解した。
訴状などによると、男性は02年2月、同病院で機能回復訓練中に転倒、左大たい骨を骨折した。病院側はミスを認めたが、手術ではなくリハビリによる治療を選択。男性の症状は治らず、03年5月に他の病院で手術を受け症状は改善したが、その後脳こうそくで寝たきりとなり現在に至っている。
高松地裁(森実将人裁判長)は和解金850万円の和解案を提示し、両者が受諾した。
病院側は「転倒事故は、予測しがたい状況下だったが、安全配慮義務違反があり、重く受け止めている。今後安全に十分配慮したい」とコメントした。【吉田卓矢】
今年の日本シリーズは巨人と西武で争われた。
巨人はご存じの通り、金に飽かせて他チームから主力を引き抜いているチーム。
優勝しても、日本シリーズに進出しても当然のチームだ。
西武はせっかく育てた選手をメジャーリーグや他チームに取られ、ボロボロでもおかしくないチーム。
開幕前には誰も期待していなかったチームだ。
その、半端者達が頑張った。
ペナントを制するだけでなく、CSをも勝ち抜き、日本シリーズに駒を進めてきた。
今年の日本シリーズでは、一方的な試合は少なく、僅差の試合が多かった。
そうした中で、結局第7戦までもつれ込んだ。
そして最後は、昨年までの一軍半の選手主体の西武に凱歌が上がった。
あまのじゃくの私は、こういう結果を歓迎したい。