実を言うと、私はこんにゃくゼリーの実物を見たことがありません。スーパーなどで袋に入った製品を見たことはありますが、袋の中身を見たことはなく、もちろん食べたこともありません。そんな私がマンナンライフの肩を持つのを不思議に思うかも知れませんが、理不尽なことを放置することは自分にとってもマイナスだと感じているので、再度取り上げます。
確かに事故で人が亡くなることは悲しいことです。でも、残念ながら、事故で亡くなる事例をゼロにすることは不可能です。リスクを排除するのであれば、利便性や経済に与える影響といった社会的コストと有効性とを勘案し、コスト・パフォーマンスに優れた方策を採る必要があるのではないでしょうか。
目に付いたところを何となく気分で叩くようなことは、井戸端会議ならともかく、国がやってはいけません。
こんにゃくゼリー:マンナンライフが製造中止
こんにゃく加工品メーカー「マンナンライフ」(本社・群馬県)は7日、兵庫県の1歳男児が今年7月に食べ窒息死したミニカップ入りこんにゃくゼリー「蒟蒻(こんにゃく)畑」の製造中止を決め、卸売会社に通知した。マ社品質保証室は「警告マークを大きくするなど行政に要請された改善策に応じられないため」と説明している。
マ社によると、製造中止となるのは、蒟蒻畑(25グラム12個入り)の8種類▽蒟蒻畑ライト(24グラム8個入り)の6種類▽蒟蒻畑コンビニ専用商品(25グラム6個入り)の3種類。8日の出荷で販売をいったん終了する。製造再開のめどは未定という。
今回の事故を受け農林水産省は、子供や高齢者が食べないよう警告する外袋のマークの拡大やミニカップ容器にも警告を表示するなどの再発防止策を要請。業界団体は取り組みを表明していたが、マ社は「時間的、物理的に対応が困難で流通に混乱を招く恐れがある」と判断したという。既に流通している商品は「商品が危険だから製造中止にするわけではない」として自主回収せず、テレビCMなどで子供や高齢者は絶対に食べないよう注意を呼びかける予定だ。
国民生活センターの統計では、こんにゃくゼリーによる窒息死17件中3件がマ社の商品で起きている。全日本菓子協会によると、こんにゃくゼリーの売り上げは07年度約100億円で、うち約3分の2がマ社。マ社の売り上げの約9割は「蒟蒻畑」が占める。【柴田真理子、板垣博之】
毎日新聞 2008年10月8日 2時30分
業界最大手の主力商品の製造中止というのは結構なコストだと思います。それで13年間に蒟蒻畑による3人の窒息死が免れたとしても、あまりにパフォーマンスは悪いと言えないでしょうか。もちろん、他社のこんにゃくゼリーやあめ玉による窒息死が増えないと言う保証もありません。
前のエントリでも示したように、食物による窒息死は
年間4千人に上ります。こんにゃくゼリーによる死亡事故は13年間に17人です。
年間1.3人です。原因としては、圧倒的に少数派です。こんにゃくゼリーだけをやり玉に挙げても、事故の減少には結びつきません。まして、マンナンライフの製品での死亡事故は3人です。
シェアから言えば、10人以上の死者が出ていてもおかしくないのですから、マ社の製品は比較的安全であるとも言えます。比較的安全な製品を作っているのに大手だからというだけで叩かれ、製造中止に追い込まれるのであれば、より危険な製品の割合が増えることになります。かえって事故が増える気がするのですがいかがでしょうか。また、こんにゃくゼリーそのものが禁止された場合でも、代わりにあめ玉などが与えられた場合、より安全であるという保証はあるのでしょうか。野田聖子大臣様、お考えをお聞かせ願えますか。
コメント
コメントはまだありません。
コメントを書く