bamboo
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2008/04 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック

2008.04.04 11:41 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  医療制度 / 行政  |  bamboo  | 推薦数 : 6

麻酔科医のモチベーション

   頑張って困難な仕事を続けるにはモチベーションが必要だ。給与はモチベーションの一部にはなるだろうが、それが全てではない。私にとって最も大きいのは、必要とされているという実感だろう。

  国立がんセンター中央病院の麻酔科医が相次いで辞め、半減した。癌診療の面ではブランド病院だから、給料が安くても勤務したがる医師は多い。技術や知識の習得の面で有利だったり、キャリアとして認められたりするからだろうと思う。でも、麻酔科医にとってはそんなの関係ない。少なくとも、ブランド病院だからといって、麻酔科医としての資質の向上が図られるというわけではない。

  ブランド病院が本当に高度な医療を行っているとして、私がモチベーションを保って安い給料で働くとしたら、何が必要だろう。おそらく、本当に患者のためになる手術に参加しているという満足感ではないかと思う。もちろん只単に手術を可能にしていると言うだけでなく、出来るだけ安全に低侵襲の周術期を提供出来ているという自負と、それに対する評価も必要だろう。国立がんセンター中央病院のなかで、麻酔科医に対する評価はどうだったのだろう。麻酔の質には関心が無く、「とにかく手術さえ出来れば良いんだ」という空気はなかっただろうか。

麻酔医、相次ぎ退職 10人が5人に、手術にも支障 国立がんセンター中央病院

 記事:毎日新聞社【2008年4月3日】

国立がんセンター:麻酔医、相次ぎ退職 10人が5人に、手術にも支障

  ◇厚遇求めて転籍

  国立がんセンター中央病院(東京都中央区、土屋了介院長、病床数600)で、10人いた常勤麻酔医のうち5人が昨年末から先月までに相次いで退職し、1日の手術件数が2割減る異常事態になった。より待遇の良い病院への転籍などが退職理由で、「がん制圧のための中核機関」を理念に掲げる日本のがん治療の“総本山”に、全国的な医師不足が波及した形だ。【須田桃子】

 がんセンター中央病院は常勤医師約150人、1日当たりの外来患者約1000人と、国内でも最大級のがん治療専門施設。これまでは、1日当たり約20件の外科手術をしてきたが、術中の麻酔管理を担当する麻酔医が半減したことで、3月末から1日約15件しかできなくなった。

  手術までの待ち時間も今後、長引くことが予想されるため、特に急ぐ必要のある病状の患者に対しては、都内や患者の自宅周辺の病院の紹介を始めた。院内にも、麻酔医の不足を知らせるお知らせを掲示し、患者に理解を求めている。

  関連学会や各地の病院を通じ、麻酔医確保を図っているが、「すぐには解決のめどがついていない」(土屋院長)のが実情だ。

  土屋院長によると、退職の主な理由は、待遇の良い民間病院や都立・県立病院への転籍だ。同病院の職員は国家公務員で、30代の中堅医師の場合、給与は年間700万-800万円程度。一方、都立や県立病院は1000万円台、民間病院なら1000万円半ばから数千万円になるという。

  日本麻酔学会が05年にまとめた提言によると、日本では約4000施設で全身麻酔が実施されているが、同学会の会員が常勤でいる病院は約半分にとどまる。手術中の患者の麻酔管理に加え、患者の痛みを除く「ペインクリニック」や「緩和ケア」などに麻酔医の担当領域が広がっており、全国的な需要も高まっている。

  がんセンター中央病院も、「緩和ケア」研修を09年度から全研修医に義務付けることを決めたばかりだった。

  土屋院長は「中央病院は、医師が勉強する環境は十分整っているが給料は並以下で、施設の努力で確保するには限界がある。医師の絶対数を増やす政策が不可欠だ」と話す。

  乳がん患者団体「ブーゲンビリア」の内田絵子理事長は「国立がんセンターは全国の患者の精神的なよりどころでもあり、医師不足で手術件数が減ることは、患者にとって不安を駆り立てられる話だ。麻酔医不足は、緩和ケアの充実にも悪影響を及ぼす」と懸念する。

 ◇医療崩壊のサイン--医師不足問題に詳しい本田宏・医療制度研究会副理事長の話

 がん患者にとって最後のとりでとも言える国立がんセンターにまで医師不足の波が押し寄せた。大変憂えるべき状況で、医療崩壊が日本に起こりつつあるというサインだ。

 仕事から得るものは給料だけではない。給料以外に得るものの多い職種は安い給料でも人は集まるだろうが、特にその病院でなければならないという理由がない職種にとっては、安い給料に我慢する理由はない。そして、麻酔科医にとって、国立がんセンター中央病院という病院は、特別に得るものの多い病院ではなくなったということだろう。あるいは、元々得るものはなかったが、勤務を強制するメカニズム(医局制度)が破綻したのだろう。

  ところで、麻酔医という呼称はどうにかならないだろうか。この記事中にも「麻酔科医」と「麻酔医」が混在しているが、やはり「麻酔医」の方が多い。わざわざ麻酔科だけ「科」を抜く理由は何だろう。麻酔医と呼ぶ人も意識していない、潜在的な悪意があるのではないかと、私は疑っている。医師専用掲示板では、麻酔科医を挑発するために、わざわざ麻酔医と書くバカ医者もいるのだ。

固定リンク | コメント (2)