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前回の日記の記事を読んだとき、以前小児科に気管挿管を頼まれたときのことを思い出した。部長直々の電話だった。うちの小児科は NICU(新生児集中治療室)も行っていて、気管挿管はお手の物のはずだ。その小児科が頼んでくるのだから、一筋縄ではいかない症例に違いない。びくびくしながら小児科病棟に行った記憶がある。
患者はインフルエンザ脳症の幼児で、ぐったりとしていた。喉頭鏡をかけても、抵抗すらしない。覗いてみると、中は真っ赤だ。一瞬、立体像が把握出来ない。落ち着いてよく見れば、喉頭蓋も容易に展開出来、気管挿管自体は簡単な症例だった。真っ赤な視野にごまかされなければ、小児科医も問題なく挿管出来ただろう。
前回の日記の扁桃腺摘出後の出血の症例も、気管挿管するときには、中は真っ赤だっただろう。気管挿管に慣れた小児科医でも、真っ赤な視野では挿管出来なかったことを考えると、麻酔を担当した(麻酔科ではない)医師が気管挿管出来なかったとしても無理はない。記事を読みながら、そんなことを考えていた。(私が考えただけであって、事実とは無関係)
今朝、NHKのニュースを見ていたら、小児救急医療の崩壊について取り上げていた。インフルエンザ脳症で障害の残った幼児が主役だ。近くの輪番の医師では手に負えず、遠くの第3次救命救急センターに運ばれたらしい。結果的に障害が残ったのだが、救命センターで診療した小児科医が取材に答えたコメントの中で、「早く治療していれば、障害が軽く済んだ可能性はあった」と言っていた。親の方のコメントは、「早く治療していれば、障害が軽くて済んだに違いない」であった。この差は大きい。
高度医療が必要な患者は出来るだけ早く治療したいが、だからといって、軽症の患者が高度医療機関に押し寄せたら、本当に高度医療を必要とする患者を診られない。必要なのは患者の重症度判定、つまりトリアージなのだが、実はそれが難しい。
その後、番組は看護師によるトリアージの話になったのだが、出勤しなければならないので、見たのはそこまで。見てはいないが、結果的にトリアージが誤りだったということは当然起こる。軽症のように見えて重症なこともあるし、その逆もあるからだ。その場合の免責については取り上げられたのだろうか。結果論で高額の賠償金や刑事罰が待っているのだとすれば、危なくてやっていられないだろう。
コメント
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>結果論で高額の賠償金や刑事罰が待っているのだとすれば、危なくてやっていられないだろう…というbamboo先生のご懸念については、→「重大な過失」の意味について医療現場などから「結果が重大なら重過失にされる」との批判がある。 この日、厚労省は「死亡という結果をもって重大ということではなく、医療水準から著しく逸脱しているかであり、わずかに手技が下手だったなどの事例に対して刑事責任を問うことはないのではないか」とした。 その上で、医療安全調査委員会が医師らの医療関係者を中心とする委員会であることを強調←引用終わります。
との事です。
医師が安心して医療行為にあたれ、お休みもとれて、患者さんにも医師にも笑顔が溢れる医療制度になりますように。お祈りしています。
bamboo先生、お元気ですか?
お忙しい中で、いつもすばらしい記事をありがとうございます(^-^)
何事もそうですが、タラ・レバの仮定の話は禁物だと思います。
私はなるべく、「う~ん、どうですかねえ」で済ませています。
簡単に医師を刑事訴追なんかしないと言う医療安全調査委員会 のメンバーはいるのですが、決してそのような文言を盛り込まないのです。とても信用できませんよね。
bambooの健康状態を心配してくださってありがとうございます。年相応に持病はいくつかありますが、一応元気です。同級生も何人か鬼籍に入っていますので、何時死んでも悔いの無いようにしておこうとは思っています。
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