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2008.03.13 13:39 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  bamboo  | 推薦数 : 6

とりとめのない話

 前回の日記の記事を読んだとき、以前小児科に気管挿管を頼まれたときのことを思い出した。部長直々の電話だった。うちの小児科は NICU(新生児集中治療室)も行っていて、気管挿管はお手の物のはずだ。その小児科が頼んでくるのだから、一筋縄ではいかない症例に違いない。びくびくしながら小児科病棟に行った記憶がある。

 患者はインフルエンザ脳症の幼児で、ぐったりとしていた。喉頭鏡をかけても、抵抗すらしない。覗いてみると、中は真っ赤だ。一瞬、立体像が把握出来ない。落ち着いてよく見れば、喉頭蓋も容易に展開出来、気管挿管自体は簡単な症例だった。真っ赤な視野にごまかされなければ、小児科医も問題なく挿管出来ただろう。

 前回の日記の扁桃腺摘出後の出血の症例も、気管挿管するときには、中は真っ赤だっただろう。気管挿管に慣れた小児科医でも、真っ赤な視野では挿管出来なかったことを考えると、麻酔を担当した(麻酔科ではない)医師が気管挿管出来なかったとしても無理はない。記事を読みながら、そんなことを考えていた。(私が考えただけであって、事実とは無関係)

 今朝、NHKのニュースを見ていたら、小児救急医療の崩壊について取り上げていた。インフルエンザ脳症で障害の残った幼児が主役だ。近くの輪番の医師では手に負えず、遠くの第3次救命救急センターに運ばれたらしい。結果的に障害が残ったのだが、救命センターで診療した小児科医が取材に答えたコメントの中で、「早く治療していれば、障害が軽く済んだ可能性はあった」と言っていた。親の方のコメントは、「早く治療していれば、障害が軽くて済んだに違いない」であった。この差は大きい。

 高度医療が必要な患者は出来るだけ早く治療したいが、だからといって、軽症の患者が高度医療機関に押し寄せたら、本当に高度医療を必要とする患者を診られない。必要なのは患者の重症度判定、つまりトリアージなのだが、実はそれが難しい。

 その後、番組は看護師によるトリアージの話になったのだが、出勤しなければならないので、見たのはそこまで。見てはいないが、結果的にトリアージが誤りだったということは当然起こる。軽症のように見えて重症なこともあるし、その逆もあるからだ。その場合の免責については取り上げられたのだろうか。結果論で高額の賠償金や刑事罰が待っているのだとすれば、危なくてやっていられないだろう。

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