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私が密かに恐れているのは、脳卒中や心筋梗塞など、突然に起こる致命的な病気に麻酔中に出くわすことだ。いくら病気で亡くなったと言っても、麻酔のせいにされる恐れはある。幸いなことに、今までそのような目にあったことはない。手術室のドアの前で亡くなったというニアミスはあったが。
顔面神経麻痺も、脳卒中や心筋梗塞ほど劇的ではないが、ある日突然に起こる。発症少し前に顔面の手術をしていたら、クレームを受けることもあるだろう。
鹿大医療ミス損賠訴訟:「説明不十分」と220万円賠償命令--地裁判決 /鹿児島
記事:毎日新聞社【2007年12月6日】
鹿児島大歯学部付属病院であごの手術をした県内在住の20代の自営業女性が、担当医のミスで術後に顔面神経がマヒしたとして、鹿児島大学に約2280万円の損害賠償を求めた裁判の判決が5日、鹿児島地裁であった。小田幸生裁判長は「神経マヒに対する説明が不十分だった」として、220万円の賠償を言い渡した。
判決では、女性は02年9月に、鹿児島大歯学部付属病院であごの手術をしてから5日後、右目が閉じられないなどの顔面神経マヒの症状が認められた。さらに、唇付近の感覚もなくなり、時折麻酔を通した左手に痛みがあるという。
小田裁判長は「医療機関側は、治療行為について事前に十分な説明を行う義務があるが、顔面神経マヒの具体的内容や発生頻度、予後について十分な説明がされたとは認めがたい」として、220万円の賠償を命じた。だが、原告が主張する手術中の過誤による神経損傷については、顔面神経マヒが手術直後から発生していなかったことなどから退けた。
判決後、原告の女性は「(過誤が認められなかったことは)納得いかない。相手の誠意も不十分。控訴を考える」と話した。大学側は「判決文を読みこんでから今後の対応を考えたい」とコメントした。【川島紘一】
ちょっとこの判決の理屈がよく分からない。術後5日経ってから麻痺が出現したのだから、確かに手術による神経損傷ではない。と言うことは、そもそも顔面神経麻痺は手術とは関連がないと言うことではないのか。手術と関連がないのであれば、あごの手術で一定の割合で顔面神経を損傷することがあるとしても、そして、その説明が不十分であるとしても、実際に顔面神経を損傷したわけではないのだから、説明が不十分であったこととは関係がないのではないだろうか。
「説明不十分」と言う判決は、手術をすれば一定の割合で顔面神経麻痺が起きるのに、その説明をせず、実際に手術が原因で顔面神経麻痺が起きたときに下されるはずだ。と言うことは、顔面神経を傷つけてはいないが、手術が原因で麻痺が起きたという認定なのだろうか。それとも、手術をしたとき、手術とは無関係に顔面神経麻痺が起こることがありますと説明せよと言うことだろうか。
話は変わるが、麻酔を通した左手とは何だろう。たぶん左腕に点滴をして、その回路から静脈麻酔薬を投与したのだろうけど、もっとまともな表現はないのだろうか。それはともかく、静脈麻酔薬として広く使われているプロポフォールには血管痛がある。だから、麻酔導入時に血管痛があったのだろうが、術後も痛むのは心理的な影響がうかがわれる。まだまだ揉めそうな予感。