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勤務医はあまり経営のことは考えない。職人気質の医師が多いから、利益よりは仕事のできばえを優先する。手術の傷は安い糸で粗く縫っても、とりあえず傷がふさがれば規定の保険診療分の料金は貰える。でも、私立病院で利益をあげることを強制されているような場合を除いて、そんなことはしない。
手術内容によって様々だが、みんな出来るだけ傷が綺麗に付くように努力する。高い糸を使ったり、手間暇かけて埋没縫合にしたり、スキンステープラーというホッチキスのようなものを使ったり、医療用接着剤を使ったりする。これらはみんな病院の持ち出しなのだ。混合診療が全面解禁なら、もう持ち出す必要はない。患者に請求すればよいのだ。
規制改革会議 「混合診療」全面解禁へ意欲 第2次答申案重点項目に
11月16日8時32分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)は15日の会合で、年末までにまとめる第2次答申案の最重点項目に保険診療と保険外診療を組みあわせた「混合診療」の全面解禁を盛り込むことで合意した。厚生労働省は原則として混合診療を認めていない。規制改革会議では、医療技術の向上につながると判断。医療改革の柱に据えることにした。
混合診療では、保険外診療部分が全額患者負担になる。欧米で認められた未承認の治療薬の服用などを自己負担で受けるなどの選択肢が広がるが、裕福な人ほどこうした治療を受けやすくなる。しかし、医療の安全性や有効性が十分立証されておらず、医療制度の荒廃につながったり、診療に格差が生まれたりするとの懸念も強く、厚労省は一部の診療を除き、禁止してきた。
しかし、東京地裁は7日、混合診療原則禁止を「違法」と判断。15日の公開ヒアリングでも「患者団体のほか、大学病院や勤務医からも解禁の希望が強い」(松井道夫委員・松井証券社長)との意見が強く、全面解禁を答申に盛り込むことにした。
厚労省や日本医師会では全面解禁に反対姿勢を強めているが、草刈議長は「舛添要一厚労相に直接働きかけていきたい」と語り、全面解禁に強い意欲を示した。
本当に混合診療が解禁されたら、とりあえず傷がふさがるような医療が標準となるだろう。たとえ醜いケロイドになったとしても、追加料金を払わないのなら仕方がない。綺麗な傷跡にしたいのなら、自由診療で追加料金を払うようになる。なぜなら余分な経費がかかるからだ。
今までは混合診療が禁じられていたから、たとえ余分な経費がかかろうとも請求できなかった。経費をケチって醜い傷跡を残すような医療を強制すれば、腕の良い医者は辞めてしまうかも知れないので、病院幹部も口を出さなかった。でも、自由診療として上乗せして請求できるのなら別だ。医者だって、自分の技術に対して正当な評価が下され、その分の金を払って貰うのは誇らしいだろう。こんな時代が、もうすぐやって来る。