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医療過誤:患者死亡、不起訴不当 小倉検察審査会「病院にミス」
記事:毎日新聞社【2007年11月1日】
北九州市小倉南区の病院に入院した女性(当時76歳)が死亡したのは不必要な治療が原因だったとして、遺族が院長を業務上過失致死容疑で福岡地検小倉支部に告訴し、不起訴処分となったことについて、小倉検察審査会は10月25日付で不起訴不当の議決をした。
議決書によると、院長は04年2月、肺塞栓(そくせん)症の疑いで市内の総合病院から転院してきた女性に、複数の血栓溶解剤などを投与する治療を施した。治療を続けた結果女性は翌月6日、昏睡(こんすい)状態となり、その後転院した元の病院で脳内出血で死亡した。
遺族の告訴を受けた地検支部が昨年12月、嫌疑不十分で不起訴処分としたが、遺族は検察審に不服を申し立てていた。検察審は議決で(1)転院元の医師の意見を聞いていれば副作用を伴う血栓治療は行わなかったと考えられる(2)意識障害が生じてからCT(コンピューター断層撮影)検査をせずに7時間余り放置した(3)女性や親族に説明していない--と指摘した。
遺族が病院を運営する医療法人を相手取った民事訴訟では、福岡地裁小倉支部(岡田健裁判長)が今年8月、医療ミスを認めて法人に約2500万円の支払いを命じた。院長は判決後、「重大な医療過誤はなかった」と話し、福岡高裁に控訴している。【太田誠一、石川淳一】
肺塞栓症はそれだけで死ぬこともある病気だ。救命のために血栓溶解剤を使うことには合理的な理由がある。血栓溶解剤を使えば脳出血だって起こることもあるだろう。でも、危険性と治療効果を秤にかけて、可能性として治療効果の方が勝ると考えて使用するのだ。結果として危険が現実のものになったとしても、それは誰のせいでもない。
転院元の医師の意見がどのようなものであったか知らないが、危険のある治療をする必要がないなら、そもそも転院する必要すらなかったのではないだろうか。CTについては事情が分からないので私はコメントを控える。最期の説明については何が言いたいのか全く分からない。救命のためには迅速に治療を開始した方が良い。十分な説明が出来ないこともあるだろう。そんな状況で、説明が不十分であったら犯罪なのか。民事での賠償責任が問われることはあっても、刑事罰が問われることなのか。
いくらクジで選ばれた立場だからと言って、あまりに杜撰な考えで刑事罰をばらまくようなことは、それ自体犯罪的だと思う。実際の不起訴不当の理由が記事の通りでないのであれば、私の批判は的はずれなものになるが、その場合の責任は、もちろん報道した側にある。