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医療ミス2審も小牧市敗訴 約1億3000万円賠償命令
記事:共同通信社 【2007年11月1日】
愛知県の小牧市民病院で1999年、当時12歳だった女性が心肺停止状態に陥った際、救命措置のミスで後遺障害が残ったとして、女性と両親が市に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は31日、市に1億3390万円の支払いを命じた1審判決を支持し、市側の控訴を棄却した。
判決理由で青山邦夫(あおやま・くにお)裁判長は「救命措置で投与された輸液の量は明らかに少なく、時期も遅すぎた」と過失を指摘。1審判決と同じく後遺症との因果関係を認めた。
判決によると、女性は99年11月、急性肺炎で入院。抗生剤の投与などの後、ショック状態を起こして心肺停止状態に陥り、救命措置を受けたが、後遺障害が残った。
病院は「今後の対応は判決文をよく検討して考えたい」としている。
いつものように情報が少ないので具体的なことは分からないが、肺炎の治療のために抗生剤を投与したら、重症のアレルギー反応であるアナフィラキシーショックを起こし、心肺停止になったらしい。私もアナフィラキシーの症例は何度も経験したが、心肺停止にまでなった症例はなかった。
私の経験した症例のほとんどは麻酔中に目の前で起きたアナフィラキシーなので、迅速な対応が可能だった。そのため、全例後遺障害もなく回復した。対応が遅れて心肺停止に至った場合、後遺障害を残すことなく回復したかと言えば自信がない。それどころか、死亡を防げた自信すらない。
記事から判断する限り、心肺停止になったことが問題になっているのではなく、心肺停止後の蘇生法が問題になっているようだ。蘇生に際し、輸液の時期が遅れ、量も少なかったことが後遺障害の原因として認定されているという。具体的にどの時点でどの程度の輸液量だったのか分からないので、この点については何とも言えない。でも、出血性ショックなどと違い、アナフィラキシーショックの場合、輸液量がそれ程問題になるとも思えない。いずれにしろ、心肺停止に至る間に問題がないのであれば、後遺障害についても無責であるべきだと思う。心肺停止になってしまえば、後遺障害無しに回復することは困難だからだ。
治療の当否を後から判断することにも注文がある。アナフィラキシーショックだけでも大変なことなのに、心肺停止に至っては、現場は騒然としただろう。そのような状況で、あわてるなと言っても無理で、後から考えれば反省すべき点は多々あることと思う。それを指摘して今後の事例に備えるのは良いことだが、断罪することには反対だ。滅多に経験しない事例に的確に対応することは、簡単にできることではない。出来たはずだと言うのは傲慢にすぎる。
トンデモ判決は医療に対してだけではないらしい。だからといって嬉しくもないが、高知白バイ事件という事例がある。これも一審をそのまま追認した事例だ。およそあり得そうもないブレーキ痕という「証拠」だけで実刑判決を下し、反論はすべて却下という暴挙ぶりらしい。事実関係について争うことを「反省無し」と決めつけ、抗弁権すら認めないとも言われている。この件もあちこちのブログで取り上げられ、読んでいると血圧が上がる。