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2007.10.30 04:49 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 2

逃散の勧め

 奈良県という所は恐ろしい所だ。日本の妊産婦死亡率はトップクラスの低さだ。世界と比べて少ない産科医の努力のたまものなのだが、それでも死亡例は出る。妊産婦死亡率をゼロにすることは不可能だろう。

  当然のことながら、出産時に産婦が亡くなることはある。もちろん初歩的な言い訳の出来ないミスであれば別だが、予期しない大出血への対応が遅れることまで刑事罰の対象にされてはたまらない。

元医師の不起訴不当 検察審議決 大和高田市立病院の妊婦死亡事故

 記事:毎日新聞社【2007年10月25日】

  ◇「処置に重大な過失」

  大和高田市立病院で04年、出産した30歳代の妊婦が死亡する事故があり、業務上過失致死容疑で書類送検された同病院の元産婦人科医(34)を奈良地検が不起訴処分(嫌疑不十分)としたことに対し、奈良検察審査会が不起訴不当を議決したことが24日、分かった。

  議決書などによると、04年10月、入院中の女性は出産中に血圧が急激に上昇。医師は投薬で数値を下げたが、女性は大量に出血し死亡した。

  県警は昨年3月、医師を業務上過失致死容疑で書類送検、奈良地検は今年3月に不起訴処分にしていた。審査会は「医師は出血を疑い、速やかに救命処置をするべきで、女性を出血性ショックで死亡させたことに重大な過失がある」と判断した。

  奈良地検の野島光博次席検事は「議決内容を踏まえ、再捜査する」とコメントした。【阿部亮介】

 元医師といえば今は医師ではないということなのだが、そうなのだろうか。年齢から見て、医師そのものを辞めたとは考えにくいのだが。以前も職場を変わっただけの医師に同じ表現をしているので、同じ轍を踏んだのではないかと思う。また、出血性ショックで死亡したのであって、させたわけではなかろう。死なせたのと、死亡するはずの所を助けられなかったこととの間には大きな違いがある。どうしていつも同じ間違いをするのだろう。

  実を言うと、お産の時に大量出血することを予期しないかと言えば、予期しているだろう。実際に大量出血することは希だが、そのようなことが起こりうることは知っているはずだ。だとすれば大量出血に備えて万全の準備をしておくべきだという素人判断が幅をきかすことは分からないでもない。

  でも、医療は有限のコストの中でやっているのだ。何処まで対応可能な体制を取るのかは、かけられるコストで決まってくる。日本のような低コストで、今までのような安全なお産が可能であったことを褒めるべきなのだ。滅多にない大量出血でも必ず間に合うような体制が取れないのは無理のないことであり、決して刑事罰を与えるような犯罪ではない。しかも、本来万全の体制を整えるべき行政や病院上層部ではなく、医師個人に責任を負わせるなどとんでもないことだ。

  このような状況であるにもかかわらず、奈良県ではさらに産科医を奴隷化しようとしている。奈良県妊婦救急搬送会議2とか厚労官僚の超強力電波 を見て貰えば分かるが、奈良県では産科医の労働環境など全く考えていない。牛馬のように扱われ、たとえ不可抗力であっても、死亡例が出れば刑事罰。早く逃げ出した方が身のためですよ。

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