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賠償金 名誉の価値は それだけか
個人で訴訟を継続するのは難しい。経済的負担はもちろんのことだが、かなりの時間や労力を費やす必要があるだろう。日本では、名誉に対する損害賠償額は極めて少ない。訴えようとしても、失うものに比べて得るものが少なすぎて、どうしても泣き寝入りしがちだ。一方で、メディアからすれば、たとえ賠償金を払っても、それ以上に売れて利潤があれば構わないのだ。
たとえ得るものが少なくても、どれだけコストがかかっても、どうしても名誉を回復したい者にとっては泣き寝入りは出来ない。そうした人を応援するとしたら、判決で名誉回復がなされたという事実を伝え続けることは重要だろう。多くの人に伝わらない限り、名誉が回復されたとは言えないからだ。
とうてい承服出来ないのは原告の佐藤氏であろう。元々の誤報を流した共同通信の責任が認められていないからだ。それでも、記事が誤りであることは認められた。名誉を傷つけた報道内容は誤りであることが認められたのだ。賠償金はわずかでも、名誉そのものは今回は公的に認められた。現状にまだまだ不満は残るだろうが、原告の佐藤氏には心から勝訴へのおめでとうを言いたい。東京女子医大訴訟:配信記事で敗訴…3紙に賠償命令
毎日新聞 2007年9月18日 23時12分
東京女子医大病院で心臓手術を受けた女児が死亡した事故で業務上過失致死罪に問われ、1審で無罪になった同病院元助手の佐藤一樹被告(44)=検察側控訴=が、記事で名誉を傷つけられたとして事故原因に絡む記事を配信した共同通信社と掲載した3紙に総額2000万円余の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は18日、3紙に計385万円の支払いを命じた。綿引穣裁判長は「(3紙は)配信記事を受けただけで、記事を真実と信じる相当の理由があったとは言えない」と述べた。
敗訴したのは▽上毛新聞社(前橋市)▽静岡新聞社(静岡市)▽秋田魁新報社(秋田市)。
判決は共同通信については「警視庁の会見などに基づいている」として賠償請求を退けた。しかし3紙については「配信記事の真実性に信頼性が確立しているとは言えない」とする最高裁判例を引用。配信元が明記されていない体裁も踏まえ、各社が責任を持って配信内容の真実性を判断すべきだとの判断を示した。【北村和巳】
▽江渡悦正・共同通信編集局次長の話 判決は極めて不当だ。通信社の配信機能を理解しない内容で、到底承服できない。