| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
この時代 患者の希望 優先か
患者側の意に背いた医療行為を行えば、今の時代では、結果が悪ければ責任を問われるのは仕方がないのだろう。たとえ医療者側の意見が正しくても、それを受け入れるかどうかは患者側の権利なのだ。もちろん結果責任は患者側が取ると言うことが前提だが。
医療過誤:2500万円賠償命令 入院の76歳死亡----地裁小倉
記事:毎日新聞社 【2007年8月10日】
北九州市小倉南区のあさひ松本病院に入院した女性(当時76歳)が死亡したのは不必要な治療が原因だったとして、遺族が病院を運営する医療法人に約4700万円の損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁小倉支部(岡田健裁判長)は9日、法人に約2500万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は04年2月、息切れを訴えて肺塞栓(そくせん)症の疑いと診断され、市内の総合病院から転院。主治医の院長は複数の血栓溶解剤などを投与する血栓溶解療法を行ったが、血尿が続いた。女性や妹は中止を求めたが院長は続行した。女性は翌月6日にこん睡状態になって脳内出血が確認され、元の総合病院に移った後の8日に死亡した。
遺族側は「血栓溶解療法が脳内出血を引き起こした」と主張。判決は「副作用を考慮すれば、同療法を回避する義務があったのに怠った」と病院側の過失を認めた。医療法人側は判決を不服として控訴する方針。
この事故を巡っては遺族が業務上過失致死容疑で院長を福岡地検小倉支部に告訴。昨年12月に嫌疑不十分で不起訴処分とされ、遺族は検察審査会に不服申し立てをしている。【太田誠一】
実を言うと、この記事を読むと何かおかしい感じを受ける。肺塞栓症という、結構危険な状態の患者を、総合病院から個人病院に転院させたのはどうしてだろう。転院先のあさひ松本病院の目的は次のように書かれている。
私達の病院の目標の第一歩は先ず「プライマリー・ケア」です。具体的にはどのような病気の患者の方も診察し、私達の病院で十分診断治療ができる場合は治療を行い、より高度に診断治療が必要であれば適切な施設に紹介していくと云うものです。
総合病院に患者を転送することはあっても、重症患者を総合病院から引き受ける病院じゃなさそうなのだが、どうしてこのようなことになったのか疑問だ。どのような病態にどのような治療をしたのか不明なので、医療行為の妥当性については触れない。でも、患者側が拒否していた治療を強行したのが事実なら、民事での敗訴は仕方がないかも知れない。健康な人が過失によって亡くなったわけではなく、死亡も考えられる病気の患者が、治療の副作用で亡くなったのであれば、賠償額はもっと少なくなるはずだという思いはあるが。
遺族は刑事事件としての立件も求めているようだが、それには反対だ。肺塞栓症は死ぬ可能性も十分にある病態だ。治療には危険もあるが、それを承知の上で、やらないよりはやった方がメリットが大きいと考えて行うのだ。あくまで確率的にその方が良いという判断で行うのだ。当然悪い結果になることもある。それなのに、結果が悪ければ刑事罰というのでは、重症患者を治療することは出来なくなる。
当事者は感情的になっているから無理だろうが、新聞を読んでいる読者には是非理解して欲しい。元々の病気や怪我から患者を救うために、ある程度の危険があることを承知の上で、医療というものは行われるのだ。その危険を背負う覚悟がないなら、はじめから医療を受けないで欲しい。