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2007.08.07 06:17 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 3

同じ事例でも記事の書き方で

書き方で 受ける印象 大違い

  虚偽の死亡診断書を書くことはいけない。刑事罰を受けるような犯罪行為であることも事実だ。次のような記事を読めば、自分たちのミスを糊塗するために組織ぐるみで犯罪行為を働いたと思うのも無理はない。世の中嘘ばかり。何が真実なのか?と問う時の観察者の気持ちもよく分かる。 

栄養剤誤注入で患者死亡、診断書には虚偽…済生会金沢病院

 金沢市赤土町の石川県済生会金沢病院で2006年7月、男性入院患者が栄養剤を肺に誤注入されて死亡した医療事故があり、金沢西署が、誤注入した看護師(32)を業務上過失致死容疑で、死亡診断書にうその記載をしたなどとして前院長(66)と当時の主治医(33)を虚偽診断書作成などの疑いで、金沢地検に書類送検していたことが1日、わかった。  金沢西署の調べなどによると、看護師は06年7月11日午後、消化器内科にがんで入院していた70歳代の男性患者に、胃に挿入すべき栄養剤のチューブを誤って気管に挿入して注入し、窒息死させた疑い。  前院長と主治医は事故を知りながら、死亡診断書に「肝炎が原因の肝がんによる病死」とうその記載をして遺族に渡したうえ、医師法で義務付けられている24時間以内の異状死体の警察への届け出義務を守らなかった疑い。 - 読売新聞 [08/01(水) 14:36]

 この記事には同じ新聞社の記事に書かれている重要な部分が抜け落ちている。それがあるのと無いのとでは、事実認識がかなり違ってくるだろう。この記事では、嘘の死亡診断書で遺族を騙したように読める。

済生会金沢病院で栄養剤誤注入、患者死亡前院長ら書類送検 ニセ死亡診断書も

  金沢市赤土町の石川県済生会金沢病院で2006年7月、男性入院患者が栄養剤を肺に誤注入されて死亡した医療事故があり、金沢西署が、誤注入した看護師(32)を業務上過失致死容疑で、死亡診断書にうその記載をしたなどとして前院長(66)と当時の主治医(33)を虚偽診断書作成などの疑いで、金沢地検に書類送検していたことが1日、わかった。

  金沢西署の調べなどによると、看護師は06年7月11日午後、消化器内科にがんで入院していた70歳代の男性患者に、胃に挿入すべき栄養剤のチューブを誤って気管に挿入して注入し、窒息死させた疑い。

  前院長と主治医は事故を知りながら、死亡診断書に「肝炎が原因の肝がんによる病死」とうその記載をして遺族に渡したうえ、医師法で義務付けられている24時間以内の異状死体の警察への届け出義務を守らなかった疑い。

  同病院によると、前院長らは遺族に対し、医療事故が死亡した原因だと死亡直後に告げたが、遺族は司法解剖に難色を示し、病院の病理解剖も拒んだという。

  また、病院と遺族側はすでに示談しているという。  前院長は「違法だということは認識していたが、遺族は警察に届けてほしくないという意向を持っていた。すべては私の指示だった」と話している。 (2007年8月1日 読売新聞)

 強調部分があるのと無いのでは全く違う。強調部分があることによって、病院側が遺族を騙そうとしたのではないことが分かる。でも、これだけではどうして虚偽記載をしたのか、一般の人には分からないだろう。

【解説】遺族の思いと法令順守板挟み 2007年8月2日 読売新聞

  済生会金沢病院で起きた死亡診断書の虚偽作成事件は、遺族の意思と法令順守の間で悩む医療現場を浮き彫りした。

 病院側の説明によると、主治医(33)は男性患者が死亡した夜、遺族に警察への届け出が必要だと数時間に渡って説得したが承諾を得られなかった。翌朝の危機管理委員会は「不本意だが」と前置きをした上で家族の意思を尊重し死亡診断書を書き換えるという結論に至ったという。

 前院長(66)は取材に「遺族の気持ちを主治医が重く感じたのだと思う」と話し「でも、やっぱりいけない。私が指示したことで主治医は悪くない」と本音を明かした。

 医師法は、医師が異状死と認めた時は「24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない」と罰則も含め規定している。1999年に都立広尾病院で起きた死亡事故を届け出なかった事件で、最高裁が「医師免許は人の生命を直接左右する診療行為を行う資格を付与し、それに伴う社会的責務を課するもの」と指摘している。県医療対策課によると、「医療事故」の判断は病院任せで、報告は求めているものの義務はない。県は同院から事故報告を2か月後に受けたという。

 今回の事件では、現場の医師は法とのはざまで悩み、病院は患者の意向を重視した。結果的に前院長は警察に報告したが、病院幹部が集まった委員会で、法令を守らないと判断したことは、病院の自浄作用が働かなかったことを意味する。重要なのは、「遺族の意向」「遺族への配慮」を強調するあまり、病院が違法行為を行ったという規範意識が薄いことにある。

 医師の責任追及だけでは、医療事故や隠ぺいを防止するのは難しい。医療事故を巡る行政の明確な仕組みが必要だろう。

 ここまで解説されれば、ある程度は分かるかも知れないが、それでも遺族が届け出でを拒む理由は分からないかも知れない。遺族は解剖を望まなかったのだろう。警察に届ければ司法解剖されてしまうのだ。医療事故として死亡診断書を書けば、今の時代、届けなければ逮捕されることもあり得る。

  遺族の感情がどうであろうと、今は届けなければならない時代なのだ。でも、この病院では、遺族の感情を重視した。違法行為自体は責められてしかるべきだが、遺族の感情に配慮する気持ちは、私はくんであげたいと思う。

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