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2007.07.23 22:25 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 3

疑ってもいいと疑うべきの間

鑑定と カンファランスは 違うのだ 手術処置に疑問を呈するのは勝手だが、シロウトがプロに対して正式にあれこれ言うのはみっともない。そりゃ私だって、プロ野球を見ていて、「そこはバントに決まっているだろう」なんて叫ぶことはあるけれど、本気で監督より分かっていると思っている訳じゃない。公的な場面で証言するようなことはあるはずもない。ましてやこれは刑事事件だ。生半可な気持ちで鑑定やら証言やらをされては困る。産科医の常識として疑うべきだというのでなければ、疑ってもいいなんて言う曖昧な証言なんかするべきじゃない。自分のしたことの社会的意味が分かっているのだろうか。 

大野病院医療事故:鑑定教授は手術処置に疑問呈す----第6回公判 /福島

 記事:毎日新聞社 【2007年7月21日】

 県立大野病院(大熊町)で04年、帝王切開手術中に女性(当時29歳)が死亡した医療事故で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた同病院の産婦人科医、加藤克彦被告(39)の第6回公判が20日、福島地裁(鈴木信行裁判長)であった。手術処置の妥当性などを鑑定した新潟大教授が「胎盤を手ではがせなかった時点で、子宮を摘出すべきだった」と証言し、胎盤はく離後に子宮を摘出した加藤被告の処置に疑問を呈した。一方で「術者が可能だと判断すれば、はく離を継続することもある」とも語り、執刀医の裁量を認めた。

  鑑定した教授は胎盤はく離に約15分かかっているとし、病理鑑定で癒着胎盤の範囲が広かったことを挙げ「子宮摘出に移るべきだった」と述べた。また、加藤被告が術前に行った超音波検査の画像から「癒着胎盤を疑ってもいいと思う」と証言し、癒着胎盤が予見可能だったことを指摘した。

  次回は8月31日で、被告人質問が行われる。【松本惇】

 前のエントリですでにお分かりの通り、証人は教授とはいえ、周産期医療のシロウトだ。被告の方が経験は豊富だろう。そのことは傍聴していたのであれば、毎日も分かっていたはずだ。しかも、証人は手術中の裁量は術者にあると認めている。それなのに、どうして「鑑定教授は手術処置に疑問呈す」と言う見出しになるのだろう。

  そして、「疑ってもいい」と「疑うべき」の違いにも全く気を遣うことがない。これは刑事裁判なのだ。間違いなく重大な過失があったのでなければ有罪にしてはいけないのだ。「疑ってもいい」のであれば「疑わなくてもいい」のだ。誰がどう見ても疑わなければならない状況で疑わなかった時、初めて過失犯と認定されるのだ。刑事裁判では「疑ってもいい」は、疑わなかったことに対して疑問を呈したことにはならないのだ。

 

追記

 上記だと、医療内容に刑事責任を問うことを肯定しているかのように誤解される可能性があるので、追記します。

 私は故意犯を除いて、医療に刑事責任を問うことには絶対に反対です。

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