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2007.07.21 23:56 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 3

福島県立大野病院事件第六回公判

 詳しくはロハス・メディカル・ブログの福島県立大野病院事件第六回公判(1)福島県立大野病院事件第六回公判(2)を見て欲しい。また、癒着胎盤については産科医療のこれからの癒着胎盤に詳しい説明がある。

  今回は検察側の医学鑑定書を書いた田中憲一・新潟大医学部産科婦人科学教室教授の証人尋問。田中氏は腫瘍の専門家で、周産期には詳しくないらしい。癒着胎盤の手術も執刀したことはない模様。こういう人がどうしてこのような事例の鑑定をするのか疑問だ。おそらく産科医としては被告の方が実績があるだろう。同じ産婦人科医とはいえ、専門外の人に自分の医療が誤りだと言われるのは悔しいだろうな。ペインクリニック専門の麻酔科医に、私の麻酔をあれこれ言われたら、私だって不愉快だ。

  専門外だということのほかに、世間知らずの医者の特性も見られる。鑑定は、要するに症例検討会の乗りで書かれているのだ。症例検討会は、今後の参考にするために、かなり厳しい内容になるのだ。もちろんどれだけ厳しくても、当事者を責めるためではない。あくまで今後の糧にするためだ。でも、その内容が刑事罰を問う証拠とされている。その現状を、すべての医師が理解する必要がある。

  鑑定ではなく、ただの症例検討会の記録も危ないようだ。今後、症例検討会の内容を文書として残すのであれば、当事者にいかなる意味でも責任はなく、あくまで医学の向上のための専門家同士の批判であることを明記した方がよいのかも知れない。それで安全かと言われれば自信はないが。

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2007.07.21 11:48 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 1

警報も鳴りっぱなしでは

警報も 鳴りっぱなしじゃ 役立たず

  モニター機器の警報の誤作動については何度も書いたが、心電図モニターのダブルカウントによる誤作動は、警報が鳴りっぱなしになることがあるため、警報を解除せざるを得ないことがある。ダブルカウントとは、本来なら一拍にあたる一連の心電図波形を、二拍分に数えてしまうことである。当然心拍数は二倍に数えられるため、異常な頻脈と見なされ、警報が鳴るのだ。実際には問題ないのに警報が鳴り続ければ、警報を解除するのはやむを得ないだろう。

名大病院の患者死亡事故:警報機能解除か 事故調が報告書

 記事:毎日新聞社 【2007年7月20日】

 名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区、松尾清一院長)で今年3月、患者の心電図などを監視するモニター装置の警報音が鳴らず、不整脈の発見の遅れで70代女性を死亡させた事故で、同病院は19日、外部識者らで作る事故調査委員会の報告書を発表した。事故原因について、手術関係者が警報機能を手動で解除した可能性が高いと指摘した。

  病院によると、患者のペースメーカーが手術時に作動、モニターの心拍数が誤表示されて警報が鳴った。関係者が一時的に警報機能を解除したが、手術後、元に戻さなかったとみられ、約1週間後、患者が不整脈を起こした際、発見に8分間かかった。患者は昏睡(こんすい)状態となり、同月中に死亡。警報機能を誰が停止したかは特定できなかったという。【安達一正】

 毎日の記事だと、手術から約一週間後に問題が起きたことが分かるが、手術の内容が分からない。元々ペースメーカーを装着した患者だったように読めるが、後で分かるように心臓の手術なのであれば、手術中に装着した可能性もある。うちでは手術中に使うモニターと、術後に使うモニターは別物なのだが、名古屋大学では同じモニターをICUまで持っていくのか。初めて聞いた。

  なんだか毎日の記事を読むと、警報を解除した人物が特定出来れば、犯人として業務上過失致死で書類送検でもされそうに思える。そんなつもりで書いたのだろうか。「死亡させた」のだから、そうなのだろう。

救命遅れた重体の患者死亡 名大病院、県警が聴取

 記事:共同通信社 【2007年7月20日】

 名古屋大病院(名古屋市、松尾清一(まつお・せいいち)院長)で3月に心臓手術後の70代の女性患者が不整脈のアラーム装置が作動せず救命措置が遅れ、重体になった事故で、同病院は19日、女性患者が既に3月下旬に死亡していたことを明らかにした。

  名大病院によると、愛知県警が病院側から通報を受け、関係者を任意で事情聴取。病院は同日、院内に設置した事故調査委員会の報告書を公表した。

  女性患者は2月に重い心臓病で搬送され、手術を受けた。3月上旬に集中治療室(ICU)で心室細動という不整脈を起こしたが、アラームが鳴らず、医療スタッフが約8分間異常に気付かなかった。その後、意識不明の重体になり、事故から十数日後の3月下旬に死亡した。

  事故調査委員会の報告書などによると、原因は医療機器に心拍数が2倍に誤表示されたため、スタッフが調整中に不整脈を察知する重要な心電図アラームをオフにしたと推定している。  病院は「患者と遺族に申し訳ない」と謝罪したが、「患者は司法解剖され、捜査対象になっているので死因などは言えない」としている。

 共同通信の記事では、警報を解除した時期や術後どれだけ経って問題が起きたのかは分からないが、心臓病の手術を受けたことは分かる。また、毎日では単に不整脈とされていたのが、心室細動という致死的不整脈であったことも分かる。両方を読んで推測すると、次のような事例だったのだろうか。

 重い心臓病で手術中に、元々あったペースメーカーか、手術中に装着したペースメーカーかはともかく、ペースメーカーの波形を拾って、心拍数が倍に数えられ、警報が鳴りやまない状態になった。うるさいので警報を解除した。手術が終わり、ICUに移されたが、手術中に使われたモニターをICUでも使用した。警報は解除されたままなので、一週間後に心室細動になっても警報が鳴らなかった。

  ところで、ICUではペースメーカーはどうなっていたのだろう。作動していたのであれば、やはりダブルカウントしたのではないだろうか。そうであれば、やはり警報を解除したままにせざるを得なかったことになる。そもそもダブルカウントするような機械しかないことが悪い。

  警報が鳴っていれば、確かに治療は早く行えたであろう。でも、心室細動は致死的不整脈だ。除細動をしたからと言って、必ず助かるとは限らない。そして、最も重要なのは、誰かが心室細動を起こさせたのでは無いと言うことだ。元々致死的状態にある患者の治療が遅れたからと言って、「死亡させた」はないだろう。

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