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2007.07.16 18:23 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 5

警察も軽率だが毎日も同罪

解剖で 血管の傷 分からない?

 しばらく前の記事だし、すでに脳外科見習いさんが体位交換不可?かかりつけ不可?で書いてもいるので、どうしようかと思ったのだが、やはりひどい記事だし、読者の層も別だと考えて書くことにした。

  高齢で骨粗鬆症になって、寝たきりで褥瘡まで出来て、体力的にはもうぼろぼろだった可能性が高い。殴ったり蹴ったり落としたりしたわけでもなく、ただ体位を交換しただけで骨折するのであれば、骨折させたのではなく、骨折したのだろう。行為の問題ではなく、骨の問題だ。 

記事:毎日新聞社 【2007年7月12日】

医療事故:骨折で出血死か 整形外科で80代の女性----高崎署事情聴く /群馬

 ◇業務上過失致死の疑いも  高崎市の整形外科医院で、県内の80代女性が処置の際に右大たい骨を骨折し、約5日後に転送先の前橋市の病院で出血などにより死亡していたことが11日、分かった。県警捜査1課と高崎署は骨折が原因で大動脈を傷つけた可能性もあると見て、立ち会った看護師らから事情を聴いている。

  関係者によると、女性は15年以上前から骨粗しょう症で寝たきりになり、同院への入退院を繰り返していた。2日に「床ずれがひどい」と家族に連れられて来院。右足の付け根付近や背中などに床ずれができ、一部は化膿していた。看護師2人に家族が付き添い、消毒などの処置の最中に女性の姿勢を変えようとして足の骨が折れたという。

  同院は救急車で約30分後に前橋市の病院に緊急入院させた。しばらく、血圧などに異変はなく、出血も見られなかったが、女性は約5日後に死亡した。死亡診断書に「出血性ショック」とあるのを不審に思った家族が同署に届け出たという。

  女性は高齢の上、重い床ずれなどから感染症にかかるおそれもあり血液の凝固能力が低下していた可能性も高い。骨折が引き金となり出血した疑いがあり、県警は業務上過失致死の可能性もあるとみて調べている。10日の解剖では死因が特定されず、整形外科医院の院長は「骨折させたのは事実。容態急変などの連絡は受けておらず、早く死因を解明してほしい」と話している。【鈴木敦子】

 要は家族の勘違いなのだろうけど、よく分からないまま業務上過失致死容疑で動き出した警察も軽率なんじゃないだろうか。大動脈を傷つけたというのは、太い動脈を傷つけたという意味だろうけど、解剖したのなら分かるはずだ。実際に大腿部の太い動脈が傷ついていて、それが出血源で死亡したのであれば、そのような解剖結果となるだろう。記事からはそのような解剖結果であるとは思えない。何も事件性のないところで、無理矢理事件をねつ造しようとしているとしか思えない。

  毎日新聞だって、少し考えればおかしいことくらい分からないだろうか。解剖で死因が特定されていないのに、解剖結果と矛盾する容疑での捜査をそのまま記事にしているのだよ。矛盾しているのは解剖結果とだけじゃない。骨折したときに太い血管を傷つけたのなら、すぐに血圧低下などの症状が出るはずだ。死亡したのは転送してから五日後だぞ。

  死因が本当に出血によるものだとしたら、五日もぼーっとしていた転送先が責められるのではないのか。五日も経って出血で死ぬのなら、途中で輸血すれば死ぬことはないだろう。骨折から30分で転送し、その時点では特に状態が悪くなかったのであれば、何かあっても、責められるとすれば転送先だと思うのだが、どうして転送元が問題になっているのだろう。

  念のために言っておくが、転送先を責めろと言っているわけではない。本来は寿命で亡くなったのだから、誰かを責めること自体が間違いなのだ。でも、どうしても誰かを責めたいのなら、どうして転送先でなく転送元なのか、私には分からない。

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2007.07.16 09:57 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 1

罪に問われるのは誰なのか

犯人を 誰にしようと 言うのだろう

 監視モニターの警報は実際には役に立たない。ちょっとした体動や他の人が触るなどの行為で心電図は乱れるからだ。そのたびに警報が鳴るので、そのうちに警報が鳴っても見向きもしなくなる。どうせ役に立たないのなら、迷惑にならないように音量を絞ることもあるだろう。実際には役に立たないのに、あたかも役に立つかのような建前があることが問題なのだろう。

  いや、もちろん警報が鳴るたびに確認すれば、希にはある本当の危機に気がつくことは確かだ。でも、そのようなことが可能になるためには、どれだけの人員が必要なのだろう。少なくとも今の医療費で可能になるとは思えない。結局、あり得ない(ほどひどい)体制で、あり得ない(ほど濃厚な)サービスを求めているのだろう。いつものことだ。  

心肺停止だった患者が死亡

 業過致死容疑で司法解剖へ

 記事:共同通信社 【2007年7月13日】

  横浜市立脳血管医療センター(同市磯子区)で、看護師らが監視モニターの警報音に気付かず、脳出血で入院していた50代の男性患者が心肺停止となった医療事故で、市は13日、男性が死亡したと発表した。

  磯子署は、業務上過失致死の疑いもあるとみて、遺体を司法解剖して死因などを詳しく調べる。

  市によると、男性は5月に入院。血腫の除去手術後、呼吸補助器を付けて経過観察していたが、今月4日午前8時半ごろ、監視モニターの緊急アラームが鳴ったまま心肺停止状態になっているのを看護師が発見した。

  監視モニターのアラームの音量が最小に設定されており、看護師らは警報音に30分以上気付かなかったという。

  センターは蘇生(そせい)措置を取り、心拍が再開したが、意識不明の状態が続き、男性は13日午前6時すぎ、死亡した。

 市は男性の家族に謝罪。事故調査委員会を設置し原因を調査している。

 これは以下の記事の続報だ。

警報気付かず男性患者重体

 横浜の病院、音量最小で

 記事:共同通信社 【2007年7月9日】

  横浜市は7日、市立脳血管医療センター(同市磯子区)で、脳出血の手術後に入院していた50代の男性患者に付けた監視モニターの警報音に看護師らが30分以上気付かず、男性が一時心肺停止状態になる医療事故があったと発表した。

  心拍は間もなく再開したが、男性は意識不明の重体。意識が回復しても脳に障害が残る可能性があるという。  同センターによると、男性は5月に脳出血で入院。血腫の除去手術後、呼吸補助器などを付けて経過観察していたが、今月4日午前8時半ごろ、監視モニターの緊急アラームが鳴ったまま心肺停止状態になっているのを看護師が発見、蘇生(そせい)措置を取った。

  モニターなどの記録によると、同日午前7時前、何らかの原因で呼吸補助器の電源が切れ、同7時52分に血中の酸素濃度の異常を示す警告アラームが作動。その後緊急アラームも2回鳴っていた。だが、10人いたナースステーションの看護師は、アラームの音量が最小に設定されていたため誰も気付かなかったという。呼吸補助器の電源が切れた原因は不明。

  同センターは事故調査委員会を設置して原因究明を進めるとともに、アラーム音量を大きく設定する措置を取った。

 業務上過失致死という犯罪の疑いなのだから、当然犯人が居ると言うことなのだろう。心停止の原因は人工呼吸器の電源が切れたことのようだ。そうすると犯人は人工呼吸器の製造元か。それとも人工呼吸器を点検する責任者か。それにしても、原因となった呼吸器の不具合がさらっと流されて、警報音ばかりにこだわるのは何故だろう。最初は、特に原因が無く、自然に心停止になったのかと思ってしまった。

  死亡の原因を放置して、警報に気がつかなかった看護師を責めようというのは明らかにおかしい。たとえ警報に気がつかなかったことが問題なのだとしても、実際には役に立たない誤警報ばかりのモニターを作った製造元を責めればよろしい。あるいは、誤警報ばかりだとしても、何度でも確認しろというのであれば、それを可能にするだけの人員を雇えるだけの医療費を支払わない行政を責めるべきだ。

  実際のところ、自分では呼吸も出来ない状態になった原因は脳出血という病気だ。誰かが脳出血を起こさせたわけではないのだ。元々元気な人を死なせてしまう交通事故とは違うのだ。医療事故に業務上過失致死は、あまりにひどい事例を除けば、そぐわないのではないだろうか。

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