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2007.07.31 17:58 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 3

ガス壊疽

ガス壊疽で 助かるだけじゃ 不満なの?

  ガス壊疽は恐ろしい病気だ。あれよあれよという間に亡くなってしまった症例を何度も見ている。命が助かったのであれば、それだけで満足するべきだと思うのだが。

八戸市側の敗訴確定/市民病院医療ミス

 デーリー東北新聞社(2007/07/28)

  左脚を切断しなければならなくなったのは青森県の八戸市民病院の医師が適切な診断と治療を行わなかったため―として、同市の男性(63)が同病院を管理、運営する八戸市を相手に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第二小法廷(中川了滋裁判長)は二十七日までに、市側の上告棄却を決定した。これにより、原告側の主張をほぼ認め、市に約三千二百万円の支払いを命じた仙台高裁の判決が確定した。

 二審判決によると、原告男性は一九九九年四月、農作業中の事故で左ひざ下を負傷し、同病院で手術を受けた。術後、男性の家族が「感染症の恐れがあるから調べてほしい」と訴えたが医師は取り合わず、その後、別の医師がガス壊疽(えそ)に感染していると診断し、左脚切断手術を行った。 裁判では、原告側が「不適切な治療で切断を余儀なくされた」と約七千万円の損害賠償を求めたのに対し、病院側は「医学的な過失はなかった」と全面的に争っていた。

 一審の青森地裁八戸支部は昨年十月、病院側の注意義務違反を一部認めたものの、切断手術との因果関係は認めず、被告側に慰謝料三百三十万円の支払いを命じる判決を下した。 原告側は判決を不服として仙台高裁に控訴。今年三月の二審判決では、一転して病院の過失と切断の因果関係をほぼ認定した。これを受け、今度は市側が「医療に過大な期待と責任を押し付け、現場を委縮させる判決だ」として、最高裁に上告していた。

 敗訴が確定し、小林眞八戸市長は「主張が受け入れられず残念。この決定が、患者の医療不信をあおるものとならないか懸念している」とのコメントを発表した。

 原告の男性は「長い裁判に決着がつき、ほっとしている。私のような思いをする人が二度と出ないように願っています」と語った。

 おそらくは耕耘機に足が巻き込まれたのであろう。ズタズタの傷の奥深くまで、泥まみれであったことだろう。ガス壊疽になったのは治療が不適切だったからではなく、受傷機転(怪我をする状況)のせいだと多くの医師は考えるだろう。

  それでも、医師の中には言いがかりのような意見書を書くものもいる。そして、裁判官には、その当否が分からない。どんなデタラメな意見でも、言ったもの勝ちなのだ。現状では、この不合理をただす制度はない。かくして医療は崩壊する。

  たとえ医療のことが分からなくても、少し考えれば分かることはあるだろう。脚を切断しなければならなかった原因は、あくまで汚染された外傷だ。何の問題もない脚を医師のミスで切断したのではないのだ。これくらいは誰でも分かる。麻生氏なら失言するかも知れない。3200万円というのは健康な脚に対する賠償金ではないだろうか。泥にまみれた大けがの脚に対する賠償金にしては高すぎないか。どのような治療をしても、切断せざるを得なかった可能性は少なくないのだ。裁判では、そこの所を考えて欲しいと思う。

  只、患者側からの検査の希望があったとき、素っ気ない態度を取ったのだとしたら、そこは改めた方がよいと思う。真摯に対応してさえいれば、結果がどうであれ、訴訟に至らなかったかも知れないからだ。

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2007.07.30 14:25 |  医療制度 / 行政  |  生活 / くらし  |  bamboo  | 推薦数 : 3

自民大敗

良いのだが 極端すぎて チト心配

  前回の衆院選では、小泉劇場に乗って、自民党が大勝した。争点は郵政民営化だけだった。その後、郵政民営化とは何の関係もない法案が数を頼みに強行採決された。

  今度は年金問題と度重なる安倍政権の自滅行為によって、参院選では自民党は記録的な大敗を喫することとなった。私は今の政治に納得していないので、政権与党が負けること自体は歓迎する。でも、こんなに極端で良いのか少し心配だ。ちょっとしたことで一方に大きく振れてしまうのは少し怖い。医療バッシングにも通じるものを感じてしまう。

自民大敗、民主60議席 野党勢力、与党を大きく上回る

 2007年07月30日 asahi.com

  第21回参議院選挙は30日午前に開票を終了し、改選121議席がすべて確定した。民主党は改選過半数に迫る60議席に達し、非改選や他の野党と共闘した当選者を合わせた野党勢力は、与党勢力を30議席近く上回った。

  民主党は選挙区、比例区でいずれも結党以来の最多議席を獲得。比例区の得票率も39.48%で過去最高となった。

  自民党は37議席と惨敗、比例区では過去最低の98年と並ぶ14議席だった。医師会が支持した前職の武見敬三氏が落選した。公明党は比例区で最後の1議席を取ったが、選挙区とあわせて過去最低に並ぶ9議席。共産党は65年以来の3議席で選挙区の議席を失い、社民党も過去最低だった前回と同じ2議席だった。

 武見敬三氏が落選したのは、やはり医師会が割れているのだろうか。今後の医療行政への影響は、今までとは異なった形で表れてくるのだろう。医師会には何の力もないことが分かってしまったのだから。

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2007.07.28 10:29 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 8

オバタメトロ

必然の リスクだ結果を 見守ろう

 お産は医学の発達で安全にはなった。安全にはなったが、それでもリスクが無いわけではない。一定の確率で母児に不幸な結末が起きることはある。それを容認せず、何か起きれば医療機関のせいにするのはやめて欲しい。

  もちろん当事者であれば恨みもするだろう。訴訟を起こしたい気持ちも分かる。でも、冷静な第三者であるべき報道機関は、もう少し節度を保って欲しい。結論が出るまで見守って、判決が出てから報道するくらいでよいのではないだろうか。 

出産時ミスと病院側を提訴 寝たきり男児の両親ら

 記事:共同通信社 【2007年7月27日】

  出産時の医師の不手際で長男(3)が寝たきり状態になったとして、秋田市の両親らが26日までに、同市の産婦人科病院を運営する医療法人に約2億4000万円の損害賠償を求める訴訟を秋田地裁に起こした。

  訴状によると、長男は2003年8月、帝王切開により重度仮死の状態で生まれ、集中治療を経て寝たきりになった。

  両親側は、陣痛促進のために400ミリリットルの水が入ったゴムの袋を母親の子宮に挿入されたが、危険回避のために安全な方法を選択すべきだったなどと主張。過酷な介護を余儀なくされ、精神的な苦痛も受けたとしている。

  医療法人は「最善を尽くしたつもり。今はこれ以上申し上げられない」としている。

 400ミリリットルの水が入ったゴムの袋と言っても、門外漢には何のことだか分からないだろう。白状すると、私にも全く分からなかった。もちろん医師ではない、一般の読者にも分かるはずがない。産婦人科医なら分かるだろうが、一般紙の記事としてそれでいいのだろうか。

  要するにオバタメトロを使ったということのようだ。結果が悪くて過酷な介護を余儀なくされていることには同情するが、だからといって、医療機関が悪いことにはならないだろう。もし、オバタメトロは危険な道具であり、それを使ったことが悪いというなら、そのような欠陥品を作ったメーカーや、認可した行政の責任だろう。

  オバタメトロは製品として問題がないのであれば、この症例でも問題がないように思える。結果が悪かったのだから、何かしら問題があったのだろうと言った想像ではなく、どの医療行為が悪かったのか特定できなければ無責として欲しい。医療機関の責任を認めるのであれば、その医療行為自体を禁じるくらいの覚悟で判断するべきだ。

  もし、帝王切開が遅れたというのであれば、何時いかなる時でも遅れずに帝王切開が出来る施設以外、お産を禁じるべきだ。せめて、それくらいの覚悟で判決を出して欲しい。裁判官の皆さん、お願いしますよ。

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2007.07.27 05:15 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 3

酸素ボンベ

破傷風 病気と処置が つながらず

  いつものことだけど、どうして何が起きたか分かるような記事を書かないのだろう。内視鏡検査と止血治療を行ったのであれば、破傷風以外の病気があったはずだ。また、酸素ボンベがからになると、どうして窒息するのかも分からない。たぶん簡易型人工呼吸器が酸素によって作動するタイプなのだと思うが、そこまで書いて欲しい。 

新発田病院の医療過誤:簡裁、2医師に罰金50万円 /新潟

記事:毎日新聞社 【2007年7月26日】

  県立新発田病院で04年7月、新発田市の医療法人職員の男性(当時69歳)が治療中に死亡した医療過誤で、新潟区検は、新潟市西区の男性医師(58)と新発田市の男性医師(47)の2容疑者を業務上過失致死罪で新潟簡裁に略式起訴した。同簡裁は罰金各50万円の略式命令を下した。

  起訴状などによると、医師らは同月24日、破傷風で同病院に入院した男性に簡易型人工呼吸器を付けて内視鏡検査、止血治療を行った際、酸素ボンベの残量確認を怠って治療を続け、自発呼吸できなかった男性を窒息死させた疑い。

  県は05年、病院側の過失を認め、男性の遺族に約3100万円の賠償金を支払った。

  また、2容疑者と共に書類送検されていた女性看護師は「医師の指示に従って補助する立場にあった」として、不起訴処分となった。【黒田阿紗子】

 今時、移送の際などに一時的に酸素ボンベを使うことはあっても、処置中の人口呼吸に酸素ボンベを使うことがあるとは知らなかった。麻酔科医でも、若い医師は圧力計から酸素ボンベの残量を即答できないだろう。今回のようなベテランでも、麻酔科医以外では無理かも知れない。通常は、酸素は壁の配管からいくらでも出てくるという認識なのだと思う。

  記事では酸素ボンベの残量確認を怠ったことを問題にしているけど、私は酸素ボンベを使ったことや、酸素が切れたら警報も鳴らずに窒息するような呼吸器を使ったことが問題なのだと思う。処置に夢中になれば、他のことに意識は回らないからだ。県立病院であれば、それなりの安全な設備があってしかるべきだと思う。医師個人より、病院の安全機能が裁かれるべきなのではないだろうか。

   ところで、内視鏡検査と止血の理由だが、たぶんストレス潰瘍による胃からの出血だと想像する。濃厚な治療を要する病態の時には、しばしばストレスによる胃潰瘍を併発するのだ。 

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2007.07.26 13:37 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 10

これが記事なの?

中身無し 共同通信 おまえもか 

中身のない、ほとんど見出しだけの記事って、あるものなのですね。

医療ミスで女性患者死亡 愛媛県立中央病院

記事:共同通信社 【2007年7月25日】

 愛媛県立中央病院(松山市春日町)は25日、入院していた80代の女性患者が医療ミスで死亡した可能性が大きいと発表した。

  同病院によると、女性患者は整形外科に入院し、4月30日に死亡した。25日午後、上田暢男(うえだ・のぶお)院長らが会見して詳細を明らかにする。

 ミスというのであれば、せめてどのようなミスなのか書かなければ、ミスかどうかも判断できないじゃないか。配信当日に記者会見があるのであれば、その結果を見てから書けばいいと思うのだが、どうして何も分からないうちに書く必要があったのだろう。

  記者会見の内容は、こんな風だった模様。

病院の判断ミスで80代患者死亡 県立中央病院

 愛媛新聞社online

  県立中央病院(松山市春日町、上田暢男院長)は25日、骨折で入院していた松山市の80代女性患者が4月、治療過程での病院の判断ミスが影響し、深部静脈血栓症による肺塞栓(そくせん)の疑いで死亡したと発表した。

   同病院によると、女性は4月4日に左手足の骨折で入院し13日に手術を実施。リハビリ中の30日、ベッドを傾斜させた際、けいれんや意識喪失、呼吸停止を起こし死亡した。深部静脈でできた血栓が肺動脈に詰まったとみられる。  女性は入院時から血栓症予防器具を足に装着していたが、19日ごろから息苦しさを訴え、酸素吸入などで対応。26日にベッドから車いすに移った際、呼吸苦やチアノーゼ(唇の変色)が現れ、27日にも一時的に意識を失うなどしていたが、ベッドに寝かせると回復していた。30代の男性主治医は同日、レントゲンや心電図を取るなどしたが、重篤化しないと判断したという。

  同病院医療安全管理部は、主治医から死亡に至った経過報告を受け、5月1日から調査。主治医が4月27日の時点で院内の肺塞栓対策チームに連絡し、適切な検査と処置を行っていれば救命できた可能性があると判断した。

 確かに肺塞栓症が疑われるけど、ミスと断定するのであれば、確定診断じゃなければ主治医が気の毒だ。解剖などで確かめられているのだろうか。また、一口にミスと言うけれど、どのレベルでのミスなのか、はっきりした方がよい。

  肺塞栓症は疑わなければ診断出来ない病気だ。心電図やレントゲン写真を撮っても分からない。深部静脈血栓症の予防措置を施していたために肺塞栓症を除外してしまったのであれば、症例検討会レベルではミスかも知れないが、法的責任を問われるようなミスとは言えないだろう。症例検討会では後出しじゃんけんも許されるが、法的責任を問うのであれば、後出しじゃんけんは反則だからだ。

  最近は病院の上層部が、自らの保身のために、安易にミスを認めて主治医のせいにする風潮があるように思う。この件が主治医1人のせいにされて、トカゲのシッポ切りに終わらないことを望みたい。

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2007.07.25 18:05 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 17

反撃開始

何時までも サンドバッグじゃ いられない

  耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、どれだけ理不尽なクレームを受けても我慢してきた。でも、あまりにも理不尽なクレームに対しては反撃してもいいんだ。医療がらみの慰謝料認定で、初めて納得のいく判決だ。 

損害賠償:「患者の請求不当」 医師側の慰謝料認定----地裁判決 /千葉

記事:毎日新聞社 【2007年7月24日】

  八街市の耳鼻咽喉科医院の男性医師(49)が適切な治療をしたにもかかわらず、同市内の男性患者(67)から不当な損害賠償を要求されたとして、男性に200万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が23日、千葉地裁であった。菅原崇裁判長は「治療は適切で、金銭の請求に正当性はない」とし、男性に30万円の支払いを命じた。原告側弁護人によると、患者のクレームが不当だなどとして医師側の慰謝料が認められるケースは異例だという。

  判決によると、医師は06年5月、男性が耳を虫に刺されたと訴えて受診した際、帯状疱疹と診断。その後、男性の顔に神経マヒが発症、男性は治療が不適切だったととして、同院に約20回、「170万円を支払えば話は終わる」とする文書を送付した。

  判決は「帯状疱疹との診断や治療薬の選択は適切。医師は金銭を要求する文書の送付などで相当程度の畏怖を感じた」と指摘した。【山本太一】

 非医療者にとっては話が見えないでしょうから、少し解説します。耳に帯状疱疹が出来、しばらくすると顔が曲がってくる(顔面神経麻痺)病気があります。ラムジー・ハント症候群と言います。

  この記事のケースでは、患者は耳を虫に食われたと思ったのでしょうが、実は帯状疱疹だったのでしょう。顔面神経麻痺になるのは病気の性質ですから、当然医師のミスではありません。ミスでないのに金銭を要求すると慰謝料を払わなければならないのであれば、反撃の機会は少なくないと思います。あまりに理不尽な場合にはみんなで反撃しましょう。少し勇気が出てきたかな。

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2007.07.24 22:58 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 5

支離滅裂

毎日は 分からないなら 記事やめよう

  医療事故に関する記事なのだが、これほどひどい記事は滅多にないだろう。きちんと推敲するシステムはないのだろうか。 

小野田赤十字病院:医療事故の医師、不起訴処分 /山口

 記事:毎日新聞社 【2007年7月24日】強調筆者

 小野田赤十字病院(山陽小野田市)に入院した女性患者がカテーテルの誤操作で合併症を併発した医療事故で、山口地検が業務上過失傷害容疑で書類送検された男性医師(46)を不起訴処分にしていたことが分かった。

  調べでは、医師は昨年12月4日午後2時ごろ、脳こうそくで入院中の70代の女性に点滴用カテーテルを胃に挿入。レントゲンでの確認を怠ったため挿入が不十分だったが、看護師が気付かずに栄養剤を投与した。その結果、同剤が口腔内に漏れ出し腹膜炎を発症、循環器不全などの重篤な合併症を併発させた疑いが持たれていた。医師は5月末、同病院を退職した。

 点滴用カテーテルは点滴に用いるものだろう。つまり、静脈に入れた留置針につなぐものだ。それを胃に挿入したのだって? 実際には胃に挿入されていなかったので腹膜炎を起こしたのだろうが、口腔内に漏れ出しってなんだ。口腔内に栄養剤が投与されても何ともないぞ。  実際の事故当時の記事はこんな感じ。

小野田赤十字病院の内科医を書類送検 宇部日報

  小野田署は22日、カテーテルの挿入ミスにより、入院患者の女性(78)を一時重篤状態にしたとして、小野田赤十字病院の内科の男性医師(45)を、業務上過失傷害容疑で山口地方検察庁に書類送検した。

  同院などによると、昨年12月4日午後2時ごろ、医師が、同院に入院していた山陽小野田市中川の女性のカテーテルを交換した際、先端部が胃中に届いたと思い込み、十分な確認をしなかった。同日夕方、看護師がカテーテルから注入した高濃度栄養剤が胃の外に流出。女性は、腹膜炎を発症し、循環器不全や腎不全などの重篤な合併症を併発して、数日間、意識不明の重体となった。現在、回復しているが、問い掛けへの反応が遅くなるなどの意識障害が残っている。

 医師は、確認が不十分だったと、認めているという。 同院は、原因が判明した翌日未明、すぐに家族に報告したという。同月13日に、同署に届け出た。医師の処分は、今後検討する考え。

 つまり、栄養補給のためにおなかの皮膚から直接胃に栄養を与えられるように、胃瘻というものを作っていたわけです。皮膚から胃に届くような穴を空けて、そこに管を入れて、そこから栄養補給を出来るようにしたわけです。その管を入れ替えるときに、管が胃に入らずに腹腔に入ってしまったのでしょう。栄養剤を投与すれば、腹腔内に栄養剤が入ってしまうので、腹膜炎を起こすのです。

  はじめの毎日の記事は全く意味不明です。こんなものが配信されてしまうのでは、チェック機能はないも同然です。少しは恥を知って欲しいと思います。

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2007.07.23 22:25 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 3

疑ってもいいと疑うべきの間

鑑定と カンファランスは 違うのだ 手術処置に疑問を呈するのは勝手だが、シロウトがプロに対して正式にあれこれ言うのはみっともない。そりゃ私だって、プロ野球を見ていて、「そこはバントに決まっているだろう」なんて叫ぶことはあるけれど、本気で監督より分かっていると思っている訳じゃない。公的な場面で証言するようなことはあるはずもない。ましてやこれは刑事事件だ。生半可な気持ちで鑑定やら証言やらをされては困る。産科医の常識として疑うべきだというのでなければ、疑ってもいいなんて言う曖昧な証言なんかするべきじゃない。自分のしたことの社会的意味が分かっているのだろうか。 

大野病院医療事故:鑑定教授は手術処置に疑問呈す----第6回公判 /福島

 記事:毎日新聞社 【2007年7月21日】

 県立大野病院(大熊町)で04年、帝王切開手術中に女性(当時29歳)が死亡した医療事故で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた同病院の産婦人科医、加藤克彦被告(39)の第6回公判が20日、福島地裁(鈴木信行裁判長)であった。手術処置の妥当性などを鑑定した新潟大教授が「胎盤を手ではがせなかった時点で、子宮を摘出すべきだった」と証言し、胎盤はく離後に子宮を摘出した加藤被告の処置に疑問を呈した。一方で「術者が可能だと判断すれば、はく離を継続することもある」とも語り、執刀医の裁量を認めた。

  鑑定した教授は胎盤はく離に約15分かかっているとし、病理鑑定で癒着胎盤の範囲が広かったことを挙げ「子宮摘出に移るべきだった」と述べた。また、加藤被告が術前に行った超音波検査の画像から「癒着胎盤を疑ってもいいと思う」と証言し、癒着胎盤が予見可能だったことを指摘した。

  次回は8月31日で、被告人質問が行われる。【松本惇】

 前のエントリですでにお分かりの通り、証人は教授とはいえ、周産期医療のシロウトだ。被告の方が経験は豊富だろう。そのことは傍聴していたのであれば、毎日も分かっていたはずだ。しかも、証人は手術中の裁量は術者にあると認めている。それなのに、どうして「鑑定教授は手術処置に疑問呈す」と言う見出しになるのだろう。

  そして、「疑ってもいい」と「疑うべき」の違いにも全く気を遣うことがない。これは刑事裁判なのだ。間違いなく重大な過失があったのでなければ有罪にしてはいけないのだ。「疑ってもいい」のであれば「疑わなくてもいい」のだ。誰がどう見ても疑わなければならない状況で疑わなかった時、初めて過失犯と認定されるのだ。刑事裁判では「疑ってもいい」は、疑わなかったことに対して疑問を呈したことにはならないのだ。

 

追記

 上記だと、医療内容に刑事責任を問うことを肯定しているかのように誤解される可能性があるので、追記します。

 私は故意犯を除いて、医療に刑事責任を問うことには絶対に反対です。

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2007.07.21 23:56 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 3

福島県立大野病院事件第六回公判

 詳しくはロハス・メディカル・ブログの福島県立大野病院事件第六回公判(1)福島県立大野病院事件第六回公判(2)を見て欲しい。また、癒着胎盤については産科医療のこれからの癒着胎盤に詳しい説明がある。

  今回は検察側の医学鑑定書を書いた田中憲一・新潟大医学部産科婦人科学教室教授の証人尋問。田中氏は腫瘍の専門家で、周産期には詳しくないらしい。癒着胎盤の手術も執刀したことはない模様。こういう人がどうしてこのような事例の鑑定をするのか疑問だ。おそらく産科医としては被告の方が実績があるだろう。同じ産婦人科医とはいえ、専門外の人に自分の医療が誤りだと言われるのは悔しいだろうな。ペインクリニック専門の麻酔科医に、私の麻酔をあれこれ言われたら、私だって不愉快だ。

  専門外だということのほかに、世間知らずの医者の特性も見られる。鑑定は、要するに症例検討会の乗りで書かれているのだ。症例検討会は、今後の参考にするために、かなり厳しい内容になるのだ。もちろんどれだけ厳しくても、当事者を責めるためではない。あくまで今後の糧にするためだ。でも、その内容が刑事罰を問う証拠とされている。その現状を、すべての医師が理解する必要がある。

  鑑定ではなく、ただの症例検討会の記録も危ないようだ。今後、症例検討会の内容を文書として残すのであれば、当事者にいかなる意味でも責任はなく、あくまで医学の向上のための専門家同士の批判であることを明記した方がよいのかも知れない。それで安全かと言われれば自信はないが。

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2007.07.21 11:48 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 1

警報も鳴りっぱなしでは

警報も 鳴りっぱなしじゃ 役立たず

  モニター機器の警報の誤作動については何度も書いたが、心電図モニターのダブルカウントによる誤作動は、警報が鳴りっぱなしになることがあるため、警報を解除せざるを得ないことがある。ダブルカウントとは、本来なら一拍にあたる一連の心電図波形を、二拍分に数えてしまうことである。当然心拍数は二倍に数えられるため、異常な頻脈と見なされ、警報が鳴るのだ。実際には問題ないのに警報が鳴り続ければ、警報を解除するのはやむを得ないだろう。

名大病院の患者死亡事故:警報機能解除か 事故調が報告書

 記事:毎日新聞社 【2007年7月20日】

 名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区、松尾清一院長)で今年3月、患者の心電図などを監視するモニター装置の警報音が鳴らず、不整脈の発見の遅れで70代女性を死亡させた事故で、同病院は19日、外部識者らで作る事故調査委員会の報告書を発表した。事故原因について、手術関係者が警報機能を手動で解除した可能性が高いと指摘した。

  病院によると、患者のペースメーカーが手術時に作動、モニターの心拍数が誤表示されて警報が鳴った。関係者が一時的に警報機能を解除したが、手術後、元に戻さなかったとみられ、約1週間後、患者が不整脈を起こした際、発見に8分間かかった。患者は昏睡(こんすい)状態となり、同月中に死亡。警報機能を誰が停止したかは特定できなかったという。【安達一正】

 毎日の記事だと、手術から約一週間後に問題が起きたことが分かるが、手術の内容が分からない。元々ペースメーカーを装着した患者だったように読めるが、後で分かるように心臓の手術なのであれば、手術中に装着した可能性もある。うちでは手術中に使うモニターと、術後に使うモニターは別物なのだが、名古屋大学では同じモニターをICUまで持っていくのか。初めて聞いた。

  なんだか毎日の記事を読むと、警報を解除した人物が特定出来れば、犯人として業務上過失致死で書類送検でもされそうに思える。そんなつもりで書いたのだろうか。「死亡させた」のだから、そうなのだろう。

救命遅れた重体の患者死亡 名大病院、県警が聴取

 記事:共同通信社 【2007年7月20日】

 名古屋大病院(名古屋市、松尾清一(まつお・せいいち)院長)で3月に心臓手術後の70代の女性患者が不整脈のアラーム装置が作動せず救命措置が遅れ、重体になった事故で、同病院は19日、女性患者が既に3月下旬に死亡していたことを明らかにした。

  名大病院によると、愛知県警が病院側から通報を受け、関係者を任意で事情聴取。病院は同日、院内に設置した事故調査委員会の報告書を公表した。

  女性患者は2月に重い心臓病で搬送され、手術を受けた。3月上旬に集中治療室(ICU)で心室細動という不整脈を起こしたが、アラームが鳴らず、医療スタッフが約8分間異常に気付かなかった。その後、意識不明の重体になり、事故から十数日後の3月下旬に死亡した。

  事故調査委員会の報告書などによると、原因は医療機器に心拍数が2倍に誤表示されたため、スタッフが調整中に不整脈を察知する重要な心電図アラームをオフにしたと推定している。  病院は「患者と遺族に申し訳ない」と謝罪したが、「患者は司法解剖され、捜査対象になっているので死因などは言えない」としている。

 共同通信の記事では、警報を解除した時期や術後どれだけ経って問題が起きたのかは分からないが、心臓病の手術を受けたことは分かる。また、毎日では単に不整脈とされていたのが、心室細動という致死的不整脈であったことも分かる。両方を読んで推測すると、次のような事例だったのだろうか。

 重い心臓病で手術中に、元々あったペースメーカーか、手術中に装着したペースメーカーかはともかく、ペースメーカーの波形を拾って、心拍数が倍に数えられ、警報が鳴りやまない状態になった。うるさいので警報を解除した。手術が終わり、ICUに移されたが、手術中に使われたモニターをICUでも使用した。警報は解除されたままなので、一週間後に心室細動になっても警報が鳴らなかった。

  ところで、ICUではペースメーカーはどうなっていたのだろう。作動していたのであれば、やはりダブルカウントしたのではないだろうか。そうであれば、やはり警報を解除したままにせざるを得なかったことになる。そもそもダブルカウントするような機械しかないことが悪い。

  警報が鳴っていれば、確かに治療は早く行えたであろう。でも、心室細動は致死的不整脈だ。除細動をしたからと言って、必ず助かるとは限らない。そして、最も重要なのは、誰かが心室細動を起こさせたのでは無いと言うことだ。元々致死的状態にある患者の治療が遅れたからと言って、「死亡させた」はないだろう。

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