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2007.06.30 23:31 |  医療事故  |  bamboo  | 推薦数 : 3

時には気管挿管も難しい

挿管は いつも容易な わけじゃない

「前から予想していたんだけど」でも書いたけど、気管挿管は出来ないときは出来ない。しばらく挿管していた患者では、喉頭の浮腫(むくみ)のために前回より難しいこともある。たとえ命に関わることであろうと、出来ないものは出来ないのだ。もちろんもっと技術が高く、そのような状況に慣れた医師であれば対処できたかも知れないが、それは無い物ねだりである。現にその場にいる医師やすぐに呼べる医師で対処するしかないのだ。 

治療手間取り患者重体 ICUで意識不明に 彦根市立病院

記事:毎日新聞社【2007年6月29日】

 彦根市立病院:治療手間取り患者重体 ICUで意識不明に /滋賀  彦根市立病院(赤松信院長)は28日、集中治療室(ICU)で、心筋こうそくの県内の70歳代の女性患者への気管内挿管に手間取って低酸素状態になり、意識不明の重体になったと発表した。赤松院長は「治療中のことであり、患者、家族には申し訳ない」と話した。  病院側によると、患者は13日早朝、救急車で循環器科に緊急入院。呼吸不全状態のため、気管内挿管を行い、人工呼吸器を装着した。意識や呼吸が改善したため、30代の主治医が循環器科の日村好宏主任部長と相談し、25日午前11時過ぎ、人工呼吸器を外し、自発呼吸を確認し、気管挿入したチューブを抜いた。  主治医が30-40分間、経過観察したが、自然呼吸状態が良くなく、再び気管内挿管を行った。喉頭周囲が腫れて挿管困難だったため、医師3人で何度か挿管し、気道を確保したが、約17分間、経過。この間の低酸素状態で意識障害をきたした。  赤松院長は「咽頭周囲の腫れや、同じ医師が気管内挿管を行ったのに、なぜ2度目はうまくいかなかったのか、分からない。本来なら回復するのに、挿管操作に17分間も手間取り、こんなことになった。不可抗力かミスか細部の検証をするとともに、患者の回復に全力を尽くす」と話している。【松井圀夫】

 呼吸器を止めて自発呼吸を観察して、問題ないと判断して抜管した。ここまでは特に問題ないだろう。出来れば再挿管も必要かも知れないと考え、準備をしておけば良かったかも知れない。

 30-40分間観察して再挿管に踏み切ったということであれば、すぐに重篤な低酸素血症になるとも思えない。喉頭浮腫のために呼吸が障害されているのであれば、30-40分間も観察している状況ではないであろう。とすると、挿管操作に伴う無呼吸があった可能性を考えたくなる。再挿管時の呼吸管理はどうだったのだろう。問題があるとすればここだろうと推察する。

  気管挿管を容易にするために、呼吸を止めるような処置(鎮静剤や筋弛緩薬の投与)をしたのだとすれば、マスク換気が出来なかったのだろう。特に何も処置をしないで自発呼吸を残したまま気管挿管を試みたのだとすると、挿管操作の刺激で喉頭痙攣(声帯が閉じる反射)を起こしたのだろうか。いずれにせよ、修羅場に慣れている医師であれば、いろいろと対処も可能だったかも知れない。でも、修羅場に慣れていなければ医師をやってはいけないという決まりもない。

  気道確保さえ出来ていれば障害の起きない症例だったかも知れない。でも、3名の医師が頑張っても対処できなかったことに対して、あれこれ責めても仕方がない。少なくとも、その3名の医師にとっては困難な状況だったのだ。その3名が特別劣った医師であり、代わりのもっと優秀な医師が簡単に見つかるというなら別だが、もちろんそんなことはあるまい。

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